【映画】that's all. の蓋の意味(プラダを着た悪魔)
Suddenly I See の軽快なリズムで、
戦闘準備を整える女性たちの朝。
あのオープニングを、
あなたは20年前、どの立場で見ていただろうか。
私は管理職として、ミランダの側に座っていた。
彼女の処理速度に、誰も追いつけない。
痒いところに手が届かない、エミリー。
最適解の分からない、アンディ。
甘さの残る、ナイジェル。
言葉を発せば溢れ出す。
だから「That's all.」で蓋をする。
私はそこに、管理者の苦悩を見ていた。
日々に忙殺され、秒速で判断を迫られ、
大きすぎる責任を抱え、家族との摩擦も生じる。
それでも世界は止まらず、波に飲み込まれないように息をする。
ミランダは、止まらない一日そのものだった。
双子のためにハリーポッターの新刊を揃えさせる母の顔。
それを成し遂げたアンディを見たときの、上司の顔。
あの一瞬に母の喜びと、部下を見る静かな驚きが重なった。
あれから二十年。
私たちは岐路で選び続け、働き方も服も変わった。
私は今、思いがけず休養している。
冒頭のアンディのように、前が分からないまま。
これを読むあなたは、予定していた場所にいるだろうか。
私は、まだいない。
That's all.
