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【映画】百円の棚から歩く( 百円の恋 / 100 Yen Love )

三十一歳、無職、独身。
世間は彼女を百円の棚に置いた。

薄い布団。冷えた床。
深夜の菓子パン。洗われない皿。
日が変わっても、動かない景色。

裏切り。居場所の消失。
理不尽な追撃が、肉体を削る。
猶予はない。

痛みをルールのある暴力で、塗り替える。
殴る相手は、目の前の人間ではない。
底辺を百円で使い捨てる、夜の空気。

四角い場。汗の匂い。
殴れば、骨に響く音が返る。
皮膚が裂け、赤い線が滲む。
倒れても、立つ。
足が流れても、拳は前に出る。

勝ちたいのではない。
痛みだけが、その入口だった。
誰のためでもない。

戦っても世界は変わらない。
彼女は前へ歩く。




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