「子育てでキャリアが遅れる」と焦る30代のあなたへ。
先日、前田晃平さんの「『子どもを望まない』若者に伝えたい、わしのキャリア論」というnoteを読みました。
「子どもを持つ・持たないは個人の自由」
大前提としてそう言いながらも、「自分の人生の中で、子どもが生まれてからの数年間が、圧倒的に一番おもしろい」と言い切る前田さんの言葉に、僕は激しく首を振ってしまいました。
それと同時に、いまの時代を生きる僕たちの「仕事と人生」について、深く考えさせられたんです。
少しだけ、僕自身の話をさせてください。
今年35歳になる僕は、いま3歳と1歳の男の子の父親をやっています。
キャリアとしては少し変わっていて、地方へ移住したことをきっかけに、幼少期からの夢だったプロサッカークラブのスタッフとしてバリバリ働いていました。
でも、2人目の子が生まれたとき、ふと思ったんです。
「家族と、18時に食卓を囲む生活を作りたいな」と。
そこから未経験で人事の業種へと大きく舵を切り、現在は職住近接のコンパクトな暮らしをしながら、仕事と育児の両立に奮闘しています。
実は、人事としてのキャリアはまだ1年ちょっと。正直に言うと、組織の中でどんな人が出世していくのか、その答えを語れるほどの経験はまだありません。
でも、そんな「キャリアの大きなシフト」の真っ最中にいる僕だからこそ、いま仕事と家庭のバランスにグラグラと悩みながら戦っている「働き盛り世代」のあなたに、伝えたいことがあります。
5分ほど、お付き合いいただけたら嬉しいです。
出世レースから置いていかれる、という恐怖
30代。
ビジネスパーソンとしては、いよいよ仕事が一番おもしろくなる時期です。
裁量が増え、大きなプロジェクトを任され、まさにゴールドラッシュのようなタイミング。
そんなときに本気の育児が始まると、どうしても焦りますよね。
「同世代のあいつは、夜遅くまでコミットして成果を出しているのに」
「定時で退社していたら、出世レースから置いていかれるんじゃないか」
「子どもは可愛い。でも、自分のキャリアを犠牲にしている気がする……」
男性の育児参画が当たり前になったからこそ、この「目先のキャリアが停滞する恐怖」は、いま多くの人がリアルに抱えている本音だと思います。実際、夢だったプロクラブの現場を離れるとき、僕の胸の中にも少なからず焦りや葛藤はありました。
でも、いま振り返って思うのです。
これって本当に「犠牲」なのでしょうか?
ここで、少しだけ視点を「40年後」にワープさせてみてほしいのです。
仕事は「無限」、子育ては「有限」
未来を想像してみます。
今年35歳の僕は、40年後には75歳になっています。
おそらくその頃には、70代が現役バリバリで働いているのが当たり前の社会になっているはずです。
そう考えると、30代の数年間なんて、75歳まで続く超長距離レースの「ほんの序盤」に過ぎません。後から挽回できる時間なんて、これでもかっていうくらい、いくらでも残されています。キャリアを急ぐ必要なんて、どこにもない。
ですが、子育てはどうでしょうか。
子どもが小さく、発育発達において最も親の関わりを必要とする時期。
「パパ、パパ」と親を100%求めてくれる時期。
これは、間違いなく「今」という限られた瞬間にしかありません。
仕事には、いくつになっても挑戦できる「無限」の時間がある。
けれど、子どもの成長には、巻き戻しのきかない「有限」の時間しかない。
そう捉え直したとき、30代の今、家庭にリソースを割くために少し仕事のペースを落とすことは、キャリアの妥協なんかじゃない。人生において、何ものにも代えがたい、今しかできない最高に贅沢な時間なのだと僕は思います。
本当に人の上に立つ人間は、遅かれ早かれ出世する
「とはいえ、現実に昇進は遅れるでしょ?」
たしかに、目先の昇進スピードは、24時間仕事にフルコミットしている同期に比べたら遅くなるかもしれません。
人事としてはまだ新米の僕ですが、これまでの人生や仕事を通じて、ぼんやりと感じていることがあります。
それは、**「本当に人の上に立つべき人間は、遅かれ早かれ、必ず出世する」**ということです。
むしろ、30代の働き盛りに「言葉も通じない、理屈も通用しない、朝からカオスな状態のなかで機嫌を取りつつバタバタで家を出る」といった育児と本気で向き合った経験は、どんな研修よりもリアルなマネジメントの学びになります。
限られた時間の中で最大の成果を出すタイムマネジメント。
思い通りにならない他者への、圧倒的な共感力や包容力。
そんな「人としての深み」をこの時期に蓄えた人間が、40代以降にマネジメント層に上がってきたとき、若手からどれほど慕われ、強いチームを作れるか。急がなくていいんです。本物は、遅かれ早かれ世に出ていきます。
75歳まで走り続けるための「資本」を蓄える
そしてもう一つ、75歳まで現役バリバリで働く上で、何よりも大事なのは「体力」と「健康」です。
どれだけ素晴らしい理想やスキルを持っていても、身体が動かなければ40年後バリバリ働くことなんて不可能です。若い頃のノリのまま、睡眠時間を削って仕事だけに狂うのは、あまりにもハイリスクなギャンブル。
だから僕は、家族との時間を守りつつ、いまもしっかりとウエイトトレーニングをして体力をつけておくことを欠かしません。30代で少しコントロールしている期間は、ただ休んでいるわけじゃない。40年先まで打席に立ち続けるために、虎視眈々と未来に向けた準備をしているのです。
すべては捉え方次第、自分次第
かつて僕は、夢だったプロクラブの現場を離れ、家族との時間を作るために未経験のHR職へ転職しました。客観的に見れば「キャリアのレールを外れた」ように見える瞬間もあったかもしれません。
でも、いまの僕は胸を張って言えます。
子育てで仕事を諦める必要なんてないし、何かを犠牲にしているわけでもない。
すべては捉え方次第です。
もし仕事で本気で成し遂げたいことがあれば、年齢に関係なく、いつだってチャレンジできます。
30代の今、大切な人のために、そして 40 年後の自分のために、執念深く仕事と家庭のバランスを取りにいく。
その泥臭くてバタバタな毎日こそが、僕たちのキャリアをどこまでも深く、面白いものにしてくれると信じています。
焦らず、でも自分の人生を諦めず、どっちも本気で楽しんでいきましょう。
すべては、自分次第なのだから。
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