しなしなと二輪ちゃん73 鹿児島
自転車で、休みのたびに、ちょっとだけ走り、自転車を預けて帰る。
次の休みにやってきて、またちょっと進む。
ちょっとおでかけのつもりだったのに。
しまなみ海道を渡り、海沿いに室戸をめぐって、四国をだいたい一周。
今回、南九州の旅が終わろうとしている。
自由時間
二輪ちゃんたちを仙巌園に預かってもらった私たち。
バスに乗って着いた鹿児島中央駅。
荷物を駅のロッカーに押し込む。
Y子はお土産散策をし、私は案内所で聞いた銭湯へ向かう。
ここからは夜行バスの発車時刻まで別行動をすることになった。
鹿児島中央駅から徒歩10分の西田温泉。
外観はそれなりにコンクリート造りだが、
暖簾をくぐると下足箱、番台、それに脱衣所も、なんとも昭和感たっぷりの銭湯だった。
子供時代、銭湯通いしていた私にとっては、目につくものすべてが本当に懐かしいと言いたいところだが、私が通っていた銭湯の懐かしさを通り越して古い感じだ。
ノスタルジックにもほどがある。
390円(当時)と石鹸代20円(当時)を番台で出した。
「これ、使いなさい」
番台のおばちゃんは石鹸代を受け取らず、石鹸箱に入った石鹸を貸してくれた。
湯船で、があぁーっと唸ったあと、脱衣所でだらーっとしながら番台のおばちゃんと話す。
ここ西田温泉は昭和27年にこの場所で銭湯として開業。
亡くなった旦那さんが、昭和40年に温泉を掘り当てた。
鹿児島市内で初めて出た温泉だという。
「ウチが掘り当てたもんで、市内の銭湯が
温泉を掘り始めてねぇ。
そのうち何か所かは枯れてしもたんやけ
ど、ウチはまだ枯れんとらんのよ」
旦那さんが温泉を掘り当てたことが誇りなのだろうな。
誇りに思っていいゾ おばちゃん、と思った。
地元スーパー
西田温泉から鹿児島中央駅へ。
湯上りのほかほかした体に、夜の風は心地よく、フラフラと駅まで帰った。
お土産散策をしていたY子と合流。
買ったものはすべてお店から宅配したらしく、手ぶらだった。
「駅のお土産屋さんも、ひと通り見たけど、
結局、駅前のスーパーでいっぱい買えた。
地元のもん(物)も、結構置いてあった」
お土産屋さんの梱包を望むのでなければ、地元限定品はスーパーでも買える。
ひと昔前までは、お店側も地元限定意識がなかったが、テレビ番組の影響か最近は地元特産品コーナーなんかがあって探しやすい。
あまりメジャーでないものは、普通の棚に全国流通の商品と混じって置かれていることが多い。
地元限定をスーパーで探しだすのはなかなかに集中力のいる作業だ。
スーパーの棚で珍しいものを見つけて、
「これって、このあたりしか売ってないです
よね?」
「こんなモン、どこにでも売っとるじゃろ」
地元の買い物客に聞いても、自分が普段買っているものは、全国に売っていると思っている人がほとんどだ。
私だって反対の立場ならきっと同じ反応をしてしまうだろう。
普段遣いの地元特産品を紹介できる自信がない。
夜行バスの出発まで1時間ほどあった。
駅前で鹿児島ラーメンの夕食。
乗り込んだ夜行バス。
私たちの旅を鹿児島に残したまま、
13時間後には神戸に帰り着く。
2015年12月22日(火) 鹿児島にて

ノスタルジックが過ぎる西田温泉

鹿児島発、神戸行き夜行バス






サラリーマンが、休日を使って少しずつ、
継ぎはぎ自転車旅を進めてきた記録です。
こんなつもりじゃなかったのに、
なんでこんなことになったのか。
エピソード0から、ロードムービーのように、少しずつお付き合いいただければ嬉しいです。
⬇️ エピソード0
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