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「地域のコンサートに行く理由」について考えた

大都市から離れている地方であれば、「我が町で、著名な人のコンサートを聴ける」、それだけで十分な価値になります。競合も少ないので、住民の目に留まりやすい。業界に精通した人だけではなく、「一般の人」が来場するから、会場が埋まるというわけです。

その点、新百合ヶ丘(川崎市)という町は、コンサート主催者にとって、非常に中途半端な位置にあります。住民は、全国区なコンサート、イベントにも、気軽に行けてしまう。日頃から地域情報を気にしている人でないと、地元で開催されるコンサートといえど、情報に辿り着きません。「あれ?こんなコンサートやってたの?」と、後から知ることは、日常茶飯事です。


さて11月末に、新百合ヶ丘の昭和音楽大学で開催された、「『かわさきジャズ』 10th Anniversary GRAND FINALE produced by Eric Miyashiro」に行ってきました。惜しみない演奏、そして、後進を育てようという気概。本当に素敵なコンサートで、時が経つのも忘れて、家族で楽しみました。

このコンサートは、学生バンドと、一線で活躍している方々のバンドが、いわば、対バンするというのが、大きな特徴となります。ジャズコンサートの鑑賞経験が乏しい我らは、第一部の学生バンドの演奏でさえ、大盛り上がりだったのですが、第二部でプロ奏者の演奏に入ると、その違いに圧倒されました。そして、最後は2バンド共演の心温まる時間。あっという間の2時間半でした。

純粋に演奏を楽しんだということで、もちろん良いのですが、地域で開催する意義が詰まった、秀逸な企画だと感じたので、その理由を整理してみたいと思います。


以前、クラシックを盛り上げるにはどうしたら良いか、という記事を、私なりの経験に基づいて書いたことがあります。

初心者が、知らないジャンルのコンサートを楽しめないのは、曲を聴くための「切り口」が無いからであり、それをいかにして克服するかが、初心者を取り込むカギになる、というような内容でした。

今回のコンサートでは、まさにその「切り口」が提供されていたように思うのです。それはつまり、学生とプロの演奏を比較すること。違いを楽しむこと。何が違うのかを吟味すること。もちろん、表立っては銘打っていないですが。

「比較する」という、ある意味での「ミッション」があるから、ジャズというジャンルを全く知らない初心者でも、飽きずに楽しめます。そのうえで、

・学生に、プロと共演する機会、沢山のお客さんの前で演奏する機会を提供することができる
・地域ならではの、原石(未来のプロ奏者)を見つけるのが楽しみ

といった各視点からのメリットもあります。プロに負けじと、必死でついていこうとする学生の姿。純粋に応援したくなりますし、その後を追いたくなります。

地域住民に「音楽への入口を提供する」という、地域でコンサートを開催する意義が、「名実とも」に、しっかり整うと、お客さん(地域)、出演者、主催者の、まさに三方よし。それは、クオリティが重視される一般的なコンサートでは成し得ない、地域コンサートならではの形ではないかと思いました。

それだけに残念なのは、今回のコンサートは、かなり空席が目立ったことです(6割くらい?)。かわさきジャズの公式noteには、「満員に近い」と書いてありますが・・・。

都市部で開催されるコンサートのように、「完成されたもの」という印象付けで、敷居を上げるのではなく、足りない部分も見せたうえで、「応援したい」、「行ってみたい」という空気を醸成していくのが、毎年開催するような地域コンサートの目指すべき姿ではないかと、個人的には感じました。

来年は、どんなコンサートが開催されるのか。非常に楽しみです!

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