見出し画像

8.何でもない日記【ルリシジミは自由を舞う】


紫の花弁を伸ばすヒメオドリコソウは、傘も広く庭先に絨毯を作る。

子ども達はそこで、靴を脱いだり横になったりと、まるで我が部屋のように好き放題だ。

せいぜい2m程度の絨毯は二人に狭く、投げ出された靴下は黒く染まり、いかに彼女たちが自由であるのかを物語っていた。


1匹のルリシジミが花の蜜を求めて舞う。

しかし、まるで我が部屋のごとく身体を伸ばす子ども達には、かなうはずもない。

花弁に取り付いては離れ、また降りては離れを繰り返す。


娘はその愛らしい姿を手に入れたいと望んだが、汚れた靴下で砂利の庭を駆けられはしない。


慌てて靴を履いては、私たちの家に駆けていく。

虫かごを持って戻るが、訪問者はすでに去っており、小さな失望の声を私に聞かせるのだ。


私は伝える。

靴を履いていれば、すぐに走れたから間に合ったかもね。


そう言う私は、ただ子どもたちが靴下を汚す自由を奪い取りたいだけなのだ。



いいなと思ったら応援しよう!