1.私の日記【福寿草の花】
福寿草が咲いていた。
私の庭にこんな花が咲く事を、私は知らなかった。
私は最近、お花をかわいいと思うようになった。
娘の影響だ。
4歳の娘は、お花が好き。
一緒にお散歩をしていると、道端に咲いている小さな花を見つけ、
『お花さん、いい子いい子。』
と言って、なでなでしてあげている。
私はそれが微笑ましくて、お花を見つけるたびに、娘に見せてあげたいと思うようになった。
お花そのものが好きなのではない。
きっと、お花を通した娘との記憶を愛しく思う気持ちがあるからだ。
だから、そんな気持ちにさせてくれる花が、いつの間にか好きになっていたんだ。
人はいつも、何かを好きになる時、他人を通して新しい世界を見つける。
若い頃の私は、現在の妻と出会うまで、旅行にも、社会にも、家庭にも興味がなかった。
でもこの人は、いつも私をどこかへ連れて行ってくれる。
いつも私の知らないものを教えてくれる。
そして、どこへ行っても楽しそうだった。
だから私は、世界が少し好きになったんだ。
福寿草の花言葉は、
『永遠の幸福』
という。
そして同時に、
『悲しき思い出』
といった意味も持ち合わせている。
春が始まる時、まわりの植物たちが寒さに震える中、誰よりも先に咲く。
そして暖かくなり、みんなが生い茂る頃には、枯れている。
強かで、儚い。
娘に教えてあげたい。
きっと喜んでくれると思う。
だから私は、その花の事を、もう少しだけ知ろうとするんだ。
