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カクテルと余白:03【大佐の檄③】数学を愛「さ」なくていい続編・好き嫌いの呪縛から君を解放する。(Season0)

前回記事はこちら⬇️
【カクテルと余白2】
数学を愛「せ」なくていい

🎼🎹今回のオープニング曲です。
✏️セント・トーマス
(ソニー・ロリンズ)
サックス : ソニー・ロリンズ
宜しければ、お聴きになりながらお読みください。(音量にご注意下さい)🔽

Sonny Rollins: St. Thomas
Saxophone by Sonny Rollins
Composed by Sonny Rollins

🍸🍸🍸
 赤坂のBAR『OLD TIME』のカウンターで、父親A(以下😢)がダイデン大佐に尋ねた。

😢「うちの子、数学が嫌いで……どうすれば数学を好きになってくれるのでしょう?」
🥕「ふむ…」

 ラインハルト・ダイデン大佐は、愛飲するカクテル『カミカゼ』を口に含みながら軽く頷いた。
カラリ
グラスの中の氷が音を立てた。

🥕「それは、中学生を子供に持つ親ならば、皆が持つ、切実な悩みだ。そんな悩みを抱える親御さんに、あえて私は言いたい。
数学なんて、愛さなくていい…」

ダイデン大佐は軽くグラスを回しつつ語り始めた。

カクテル『カミカゼ』

ラインハルト・ダイデンはかく語った。

🥕🥕🥕
 繰り返す。数学なんて愛さなくていい。そして「愛する」という感情は、そう単純ではない。

例えばテニスが好きになり、どんどんハマっていくとする。
もちろんテニスを愛しているという自覚はあるだろう。

しかし、「セカンドサーブだけは愛せない」ということがよく起こる。
つまり「愛しているけれど嫌い」なのだ。

プロ選手のセカンドサーブの成功率は90%以上

🥕🥕🥕
 かつて私が若き頃、午後の授業を抜け出して神保町で夢中になったビリヤードもそうだ。

あの一突きを愛していても、思うようにいかない配置には苛立ちすら覚える。

物事は上達すれば好きになり、下手なうちは愛せない。
だから順番が逆なのだ。

そして、私が言う「愛さなくていい」は、「やらなくていい」とは全く違う。
むしろ逆だ。

 プライオ生よ、数学と戦え!
勉強を好き嫌いで決めるな。数学を学べ!
とにかく淡々と取り組むのだ。

何のために「道具」としての数学をやるのか?

それは数学のテストで点数を取るためにやる。
その一択だ。
確かに、親が我が子に「数学が好きになってほしい」と願うのは当然だ。

しかし、その切ない望みは順番が違う。
愛することよりも、まずは「できる」「得意になる」ことが先だ。

嫌い上等。しかし、テストでは点を取れ。
そのために、正しい方法論と習慣を身につけること。

それこそが、学びの本質なのだ。
ちなみに、私はウサギではない。これも私の本質だ。

ビリヤード『4つ玉』
(台の穴はあってはならないのに…AIめ!)

🥕「横瀬先輩。2杯目のお薦めは何かある?」
🍸「強めで行きますか?」

🥕「マティーニなんかいいな」
横瀬マスターは静かに頷いた。
🍸「では…ドライ・マティーニ,シェイクン,ナットステアード』ではいかがでしょう?」

🥕「流石横瀬マスター。青山学院大学卒。英語が得意ですね」
🍸「いや、私は英語が嫌いな明高(明治高校の略)生です」

そして二人はニヤリと笑って同時に言った。
🍸🥕「ボンド・カクテルを!』

007の作者『イアン・フレミング』が愛した
『ボンド・カクテル』映画には必ず登場する。

🎼🎹
宜しければお聴きください。
✏️ ノータイム・トゥ・ダイ
(Billie Eilish and Finneas O'Connell)
歌 : 二宮 愛
映画 007のテーマ曲です。

🥕🥕🥕
 数学の話しに戻そう。
ダイデンは父親Aに身体を向けた。

🥕「数学を愛せないから、数学をやらない」
それは努力を嫌っていることに対する誤魔化しであり、言い訳に過ぎない。

 では、好き嫌いを超えた先にある、本当の原動力とは何か?
それは「使命感」だ。
やるべきことを、やらなければならないという使命感。
これこそが、ただ一つのモチベーションでいい。

『なぜ故にウサギ?』ダイデン大佐は首を傾げた。

🥕🥕🥕
 例えば、医師という職業を考えてみてほしい。
彼らは自分の職場の環境を、仕事の内容を、常に愛しているだろうか?
ある面ではイエスだろう。

しかし、病院とは世の中で最も感染病に感染する可能性が高い危険な場所だ。(院内感染)
医師であればこそ、それが一番よくわかっているはずだ。

もし自由な時間が与えられたならば、『どこでもドア』があったならば、どんな医師も、今すぐリゾート地へ行きたいと思うだろう。

 医師という職務の内容も同じだ。
時には患者の汚物に触れ、死に立ち会わなければならない。

それらの全ての瞬間を「好き」だと思えるだろうか?
そんなはずはない。

 それではなぜ医師は医師であり続けるのか。
それは「使命感」があるからだ。
ライセンスと知識と技能を持つ自分だけが、その場所でその仕事をしなければならない。

その使命感がモチベーションの全てなのだ。
コンビニ飯のランチタイムすら自由に取れない自分。

言わば、そんな過酷な職務を遂行する自分自身を愛しているのだ。
だからこそ医師という仕事は尊い。

 私は世界中の全ての医師に敬意を払いたい。
全てのドクターにカクテルを。
その使命感に乾杯!!

そして、将来医学部を目指すような学生であればこそ、この使命感を勉強以外の事にも持たなければならない。

 プライオ生よ、使命感を持って勉強せよ。

世界中のランチタイムの医師におにぎりを!

ダイデンと父親Aはグラスを近づけ合って乾杯した。

🥕🥕🥕
……おっと、家庭教師センターのCMだったな(無限堂は、電話・メールによる勧誘は一切行っておりません)

しかし、家庭教師という方法も、塾、通信指導など他の勉強の方法と同様に決して万能の学習方法ではない。

あらゆる学年に適しているわけでもない。
だからこその「個別・一対一」なのだ。
一対一であれば、どんな生徒のタイプにも合わせることはできる。

 だが、最後にこれだけは言っておこう。
「好き嫌い」を行動の基準にしているうちは、上達の道はない。

家庭教師は役に立たない。もちろん他の方法も適さない。
これが、私の結論ではある。

 ただし、本当に愛せるものに出会ったならば、その人生は最高だ。

本当に愛せることをやっている自分。
それを魂の解放と言う。
そして、その場を人は『祭り』と呼ぶ。

魂の解放

【カクテルと余白3】終

【カクテルと余白4】はこちら⬇️
次回からは舞台をベルリンに移し、新たな展開が始まります。

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🥕ダイデンのイラスト・ひがしりょう

家庭平和維持軍ラインハルト・ダイデン大佐

【あとがき:執筆時のイメージ曲】著者が本編の背景としてイメージしていたテーマ曲です。お時間があれば読後の余韻と共にお聴きください。🔽


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