で結局高校の評価ってどうすりゃいいのよ【授業が変わる学習評価深化論】
書籍情報
第1刷発行 2023
著者 石井英真
発行所 株式会社 図書文化社
高校の評価変わったけど変えないこともできてしまう。
高校の評価が観点別へと移行し、全国の高等学校の先生がてんやわんやになっている中、学習内容や評価方法をいかに変更せず、現行の評価の基準に当てはめていくかに労力を割く時期を経由してきた学校も多いのではないだろうか。「また文科省が余計な事始めたよ」「俺らの仕事増やしやがって」みたいな話が各地で上がっている。
これまで各教科にゆだねられており、ブラックボックスと化していた評価。よくわからない基準でつけている先生方に是非読んでほしい。
※今回はこの本だけでなく、実際に石井英真先生講演の内容も若干含まれます。
見取り?評価?評定?
まず恥ずかしながら、評価について知った気になっていたがこの本を読むまで、見取り・評価・評定の違いが明確ではなかったことに気づかされた。
この本では冒頭から評価に対するドクサを解放してくれる。
見取りとは私たちが普段自然と行っている行為そのものである。
「あの生徒、いつもより手が止まっているな」「あ、あいつ本当は自分の意見あるはずなのに、優等生な解答を優先して自分を殺しているな」「あの目は考えている目じゃない!明後日を向いてる目だ!」みたいな。石井先生はこれをレントゲンに例えており、新人医師と熟達した医師では同じレントゲンでも見えるものが違ってくる。私たちも、常日頃生徒を観察しており、視る?力はだんだんと養われ、それによってどのように支えるか、次の授業をどう展開するかを常に考え続けていくく
評価と評定は二つ同時に考えると良い。じつは私はここが曖昧だった。
評価は成績に含めない。評定は成績に含めるものである。
だから観点別評価を基に、5段階の評定を出す流れについても、実際には観点別評定が正しい。なぜなら観点別で最終的にABCをつけてしまっているからだ。
さてそうなると何故評価と評定は分かれているのだろうか?それは
まさに生徒を伸ばすためである。
生徒を成長させるための評価でしょうが!!
私が高校生の頃はほとんど成績は定期テストの成績に比例していた。教師になるとこの定期テストには常に違和感を感じていた。この違和感がまさに評価と評定によるものだった。私たちは生徒を伸ばしたいはずなのにもかかわらず、定期テストで一発勝負成績がつけられる。赤点の生徒は補修があるが、50点の生徒には補習はない。本来は50点の生徒がいかに80点90点を取ることができるのかについて考える必要があったはずだ。
しかし定期テスト主義の学校では、定期テストが終わり、赤点でなければ特に復習する機会など好んで作らない。
ここで現在の授業に戻ろう。例えば、簡単な話、評定に含めない小テストを行い、成績が低い生徒に対して、どのような手立てを講じるか、また授業内容をどう改善するかを考える。
別にテストでなくてもよい。実際の私の授業ではレポート提出があり、ルーブリックを基に評定をつける。しかし、期間内であれば何度でも提出可能で、都度どのようにしたらCがBになるか、BがAになるかについて具体的なアドバイスを行っている。
最終的な提出物は評定をつけるわけだが、何度でも提出されるレポートは評価をつけているイメージだ。
一発勝負でお前はCだ!ではなく、どうやったらBになるかを考えBになるように試行錯誤する過程こそ、生徒を伸ばすための時間なのである。
もちろんこれは非常に手間でこの方法は推奨されるものではないが、端的に言うと生徒を伸ばすために評価があるのである。石井先生風に言うと料理における「味見」なのである。
「豊かな授業(練習)」「貧弱な舞台(試合)」
様々な先生が授業をより豊かにしようと試行錯誤している反面、評価については、ペーパーテストで済ませてしまっている。というような状況が多々ある。
なんとなくデューイ風な結論を出すと、授業で学んだことは日常で活かされ、日常で学んだことは授業で活かされなければ学校は社会から独立された機関となってしまう。
知識の習得のプロセスにおいては、日常生活と関連付けながら学ぶのが一般的になっている中、評価だけはペーパーテストという日常生活から隔絶された方法でなされるという授業と評価の乖離が問題だと感じる。
そんな今だからこそ、授業内容の検討と並行して、学んだ知識を活用し、それを活かすような評価の仕方についても、同じくらい考えていく必要がある。実際に最近ではパフォーマンス評価を行う流れもだんだんと浸透してきており、ちゃんとした舞台が用意されている場面も見られるが、体感的には学校の4分の1もいない気がする…
この本のよさ
毎度のことになるが、このnoteで紹介で来ているのは冒頭数ページのレベルで、この一冊を読むのと読まないのとでは評価への認識が全然変わってくる。現役の先生方は必読の一冊だと思う。
特に書き方は真面目でありながらわかりやすいたとえ話と、読みやすい分量なので、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。
独り言
本を紹介するならせめてamazonのURLくらい張れよ、と思ったのでとりあえず張る。機械音痴なものでちゃんと張れているか疑問だが、もし張れてなくて、且つ買いたい人は普通にamazonかどっかて買ってほしい。
これを買ってからというもの、常に机の引き出しにこの本を入れている。
これで2冊目、何冊まで週1更新できるかなぁ~ただ来週は吐くほど忙しいので、おそらく更新は2週間後になりそう。是非教育に携わる方はフォローしていただけると、ありがたい。
あ、あとサムネ?の画像に本の画像張るのはやめた。めんどくさいので。
