『吉田修一と『国宝』の世界』朝日新聞出版、好評発売中です!
2025年、小説&映画ともに大きな話題となった吉田修一の『国宝』。
デビュー『最後の息子』から吉田作品を追ってきた同郷の評論家が、『国宝』を中心に、『パレード』『パークライフ』『悪人』といった代表作から最新作『ミスサンシャイン』まで、その魅力を論じる徹底ガイド。

2026年1月7日に『吉田修一と『国宝』の世界』が朝日新聞出版より刊行されました。装丁は『国宝』と同じ町口覚さんで、版元も『国宝』と同じ朝日新聞出版です。「文學界」や「小説トリッパー」に掲載された長文の批評文を改稿し、吉田修一さんの『逃亡小説集』の文庫解説や文芸各誌の書評に加筆・修正した原稿が収録されています。
『国宝』を中心として、吉田修一さんの代表作を網羅したブックガイドとしてもお読み頂けます。よろしくお願いいたします。多くの書店で吉田修一さんの『国宝』と並べてご販売頂き、誠にありがとうございます。



目次は下の通りです。
【目次】
はじめに 吉田修一の小説
第一章 『国宝』の特徴と歌舞伎の歴史
1 『国宝』が描く歌舞伎の魅力
2 歌舞伎の歴史と『国宝』
3 『国宝』の喜久雄と『悪人』の祐一の類似
4 立花喜久雄のモデルは?
5 谷崎潤一郎の『刺青』と吉田修一の『国宝』
第二章 『国宝』が描く人間国宝と人間天皇
1 人間国宝と人間天皇
2 『国宝』と『ねじまき鳥クロニクル』
3 歌舞伎役者の苦難、大衆芸能のルーツに戻る旅
4 女形と歌舞伎座の歴史
5 歌舞伎座を設立した福地源一郎と座紋「鳳凰丸」
6 料亭「花丸」と長崎の史跡料亭「花月」
7 原子爆弾による被害と「鷺娘」の悲しみ
第三章 デビュー作「最後の息子」と初期作品群
1 段ボールの机の上で書いたデビュー作
2 初期作品の主人公――「夜の世之介」と「若い悪人」
3 「最後の息子」にみる後期作品への広がり
第四章 純文学とエンターテインメントを超える
1 『悪人』の原型――山本周五郎賞受賞作『パレード』
2 ウェブ上のコミュニケーションを先取る
3 『パレード』の若者たちの「成熟と喪失」
4 アメリカ同時多発テロ事件への応答――芥川賞受賞作「パーク・ライフ」
5 都会のエアポケットとしての「日比谷公園」
6 平凡で「かけがえのない場所」が破壊されることへの静かな抗議
第五章 『悪人』が描いた平成の原風景
1 祐一と依子の「奇妙な」母子関係
2 母親から受け継いだ「不器用さ」
3 就職氷河期を象徴する現代文学
4 非正規雇用の二人にスポットライトを当てる
第六章 逃亡劇から恋愛劇へ
1 祐一と光代にとっての長崎と佐賀
2 祐一の乗る白いスカイラインとは?
3 不器用な恋愛劇を美しい物語に昇華
第七章 『悪人』以降の展開
1 男女別の秩序に生じる「悪」の重層性
2 『さよなら渓谷』と島崎藤村『破戒』における「告白」
3 「悪」の布石としての偏執的な「愛」
4 「救いのないしがらみ」と「感情の訛り」
5 『太陽は動かない』が描くアジアの風景
第八章 二つの社会派ミステリ
1 『犯罪小説集』における日常の中の「タナトス=死の欲動」
2 裕福な専業主婦が抱える「テロリスト」のような攻撃性
3 日常と紙一重のところに潜む「危うさ」
4 映画「楽園」が炙り出す『犯罪小説集』のカタルシス
5 不器用な「悪人」たちの「逃亡劇」――『逃亡小説集』
第九章 戦後史の闇へ
1 『アンジュと頭獅王』の「理不尽な暴力」と民間信仰
2 近代史の闇に切り込む社会派ミステリ『湖の女たち』
3 『湖の女たち』と川端康成の『みずうみ』
4 松本清張『砂の器』への挑戦状――『ミス・サンシャイン』と『罪名、一万年愛す』
第十章 映画「国宝」の風土と到達点
1 映画「国宝」の風土
2 吉田作品を彩る役者たち
3 社会現象としての到達点
『吉田修一と『国宝』の世界』(朝日新聞出版)に未収録の過去の吉田修一作品については、『吉田修一論 現代小説の風土と訛り』(左右社)で詳細を論じています。帯文は、「僕は長崎に生れていなかったら小説は書いてないかもしれないですね」という吉田修一さんのインタビューの一節を、ご許諾を頂き、使わせて頂きました。この本では『国宝』を含め、長崎を舞台にした吉田修一作品について論じています。詳細は下のリンクでご確認いただけます。
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