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仙台らしい展開とドラマ【百年構想リーグ プレーオフラウンド ベガルタ仙台 vs カターレ富山】

 パスをめっちゃぶん回すハイテンポ軍団・カターレ富山との対戦です。富山ホームでの金沢戦では退場者が出るまで金沢がまるで手も足も出ないゲームでした。
 仙台は群馬戦などパス回しのうまいチームには苦戦する傾向がありますけど、しっかり持ちこたえたいところ。

両チームの気になる選手

 仙台は負傷者が多く、FW梅木翼が戻ってきましたけどサブメンバーは若手主体に。なんとなく、スタメンで点を取りきって逃げ切る展開を期待したくなります。

 いっぽう富山はエース亀田歩夢がまさかのメンバー外(6/8追記:世代別代表に呼ばれてました)。しかし古川真人、坪井清志郎、キム・テウォン、鄭又榮チョン・ウヨンといった面々が揃っており、左サイドの槍・布施谷翔もいます。
 ボランチの谷本駿介って、愛媛時代に仙台戦で1ゴール1アシストしてた名手の谷本じゃねえか!

計算通りの展開です

 さて、前半立ち上がりは完全に予想通りでした。

 予想通り攻撃を抑え込んだのではありません。予想通りボッコボコに攻め込まれました

 前半20分まで富山はボール保持率63%でシュート5本、いっぽう仙台のシュートはわずか1本です。好調なチームは選手が自信を持つのでどんどん良い循環ができるんですよね。いやあしんどい。

 しかし、耐えると流れが来るのもサッカーにはよくあることです。23分にはFW岩渕弘人が立て続けにシュートを2本放って流れを変えました。16分から30分の仙台はボール保持率51%までいっきに盛り返しています。

 30分には左サイドでWB石井隼太とシャドーの武田英寿の連携から鎌田大夢が浮き球パスを送り、若手FW中田有祐が頭で押し込んで仙台が先制しました。ユース出身のプロ1年目が大舞台で大仕事や!

数的有利は逆に不利

 さらに41分、富山のボランチ鄭又榮が岩渕との接触からまさかの報復チョークスリーパーをかましてしまって1発レッドで退場に。岩渕は中盤でボールを奪うプレーが多く、イライラがたまっていたと思われます。
 今季の富山にレッドカードが出たのは展開がカオスすぎたホーム金沢戦だけなので、かなり意外でした。

 とはいえ、不動のプレースキッカーである鄭又榮がいなくなったのはかなり有利かなーと思いました。

 ですが、我々はよく知っています。10人のチームで2点差をひっくり返すのが可能であることを。俺は現地で2試合とも見たから詳しいんだ。ましてやこっちはまだ1点しかリードしていません。

 富山の攻撃をいなしつつ、早めに2点目を決めて突き放したい仙台ですが、後半の保持率は一貫して富山が60%超。しかもボランチが1人抜けたとはいえ前線のタレントは残っており、富山のシュート数がどんどこ増えていきます。いっぽう仙台は後半45分のシュート数ゼロでした。
 どっちが数的有利なんだかわかりませんけど、なんとか90分まで1-0のまましのぎました。

 「バカめ! 勝ちゃあいいんだ、どんな手を使ったってな!」
 ジャギ様の言い訳が頭をよぎった後半アディショナルタイムの93分、富山のコーナーキックを跳ね返したこぼれを再び富山の選手に拾われ、プロ2年目の竹中元汰のクロスを同じくプロ2年目のCB深澤壯太に頭で決められてしまいました。

 うん、いくら勝ちゃあいいといっても後半シュートゼロで勝つってのは都合が良すぎるな! 欧州チャンピオンズリーグ決勝よりもアレだ!

 しかしこれでこそ我らがベガルタ仙台です。2009年のJ2でも最終節の最終盤で追いつかれて優勝を逃しかけたのを思い出すぜ!

富山を振り回す

 延長戦での仙台は良い攻めを見せてくれました。なんでも延長戦前になかなかの口喧嘩があったようで、甘い守備を見せた杉山耀健が涙を見せていたようですが、勝つ意識の強いチームになったのは良いこっちゃ。
 さすがに富山も追いついてからは攻撃回数がぐっと減り、逆に仙台が延長戦30分間でシュート8本ぶっぱなしました。

 富山の名ボランチ谷本駿介が延長前半3分にアクシデントで實藤友紀に交代したのも効いたかもしれません。梅木翼のフリーのヘディングはせめて枠に飛ばしたかったけど、まあ仕方なし!
 最後の富山のセットプレーの好機も今度はしのぎ、なんとかPK戦に持ち込みました。

林彰洋大明神、降臨(6回目)

 PK戦では2人目のキッカー安野匠が富山GK平尾駿輝との駆け引きで笑顔を見せ、この余裕なら決めてくれるだろうと思いきやバッチリ止められちゃいました。笑顔を浮かべてしっかり決めた荒木駿太ってすごかったんだな。

 しかし、ここまで若手のしくじりをPKストップで帳消しにしてきたのがGK林彰洋です。3人目のキッカー・富山ひとすじ松岡大智のキックを体に当てると、そのボールがゴールポストに当たって枠外へ飛んでくれました。

 金沢のGK上田樹もかなりPKストップうまいんだけど、いつも最低1本止めてる林はいろいろすごい。

 この止め方がすごかったせいか、富山4人目のキッカー實藤友紀も難しいコースを狙いすぎて枠外に蹴っ飛ばしてしまいます。さね父さん(意図的な誤字)、仙台にいた頃はPKすんなり決めそうだったのに!
 途中交代で入った松岡大智と實藤友紀が立て続けに失敗するあたり、わからんものです。

 いっぽう仙台は4人がきっちり決めて、ギリギリで優勝をもぎとりました。安野は失敗しましたけど、以前にPKを失敗したプロ1年目のFW古屋歩夢が今回決めてくれたし、プロ2年目の南も最後にしっかり決めてくれたので、安野の失敗経験も今後に活きればヨシ!

 自分から試合を難しくした気もするけど、優勝したからよし!

優勝は来季の成功を約束しない

 ベガルタ仙台はJ2J3百年構想リーグ1位に輝きましたし、多くの若手を起用して結果を出すことに成功しました。

 しかし、ここで優勝したからって来季勝てる保証はまったくありません。実際のところ終盤は負傷者だらけで苦戦続きでしたからね。しかも昨季のベガルタ仙台は1.5億円の赤字を出しているし、今季がんばった選手へのボーナスも出さなきゃいけません。

 強力なストライカーを擁する札幌・新潟・徳島あたりとは対戦していませんし、RB大宮アルディージャやジュビロ磐田など不本意な成績に終わったクラブはムキムキに補強してくる可能性があります。磐田とか昨季の総売上50億円を超えていてJ1並みの資金力ですからね。なんで32位になってるんですかホントに。

 というわけで期待しすぎず、かといって絶望もせず、引き続きゆるっと2026-2027シーズンのJ2リーグを楽しみに待ちましょう。
 サポーターには夢を見る権利があります。アーリング・ハーランドがいきなりサイケな幻覚を見た末に自費で違約金ぜんぶ払ってベガルタ仙台に来たり、アーセナルがカイ・ハヴァーツを無償で貸してくれるかもしれねえからな!

 なんにせよ優勝ってのはいいもんです。王者として来シーズン開幕まで祝いましょう。以上、2026シーズン全試合レビューでした!

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