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狂気と奇跡のカーニバル【2025.10.26 ベガルタ仙台vsサガン鳥栖:ユアスタ】

  2002年に逝去した有名サポーター「戦術君」の命日に最も近いホーム試合日「戦術忌」、カレーグルメの日、ハロウィン、レディースデー、大雨、とイベント満載の日に、関東からユアスタへ来ました。今年初の聖地巡礼だぜ。
 まさかこんなに盛りだくさんの試合になるとは思いませんでした。

▲「利久」牛タンソーセージ3本詰め合わせ。
ベガルタ仙台の3色にちなみ、ゴールドは軟骨入りカレーソーセージ、レッドはチョリソー、ブルーはプレーンです。 「ブルーはプレーン」……?

試合前の短評

ベガルタ仙台:手堅さと火力の両立

 2トップがエロンと宮崎鴻のポストプレイヤーコンビ、ボランチに久々スタメンの工藤蒼生、左SBに奥山政幸が入っていることから守備の安定を狙った起用ですね。キャプテン郷家友太はベンチスタートです。

サガン鳥栖:システムも名前かぶりも厄介だぜ

 西川潤、西矢健人、西澤健太と紛らわしい名前の試合巧者が多いです。シャドーなのが西川と西澤、左利きなのは西川と西矢、ケントとケンタなのが西矢と西澤ですね。人の記憶をかきまわすのはやめるんだ。
 サイドからは左WB新井晴樹と右WB長澤シヴァタファリが勢いよく切り込んでくる、なかなか厄介な3-4-2-1のシステムです。負傷からスタメン復帰したCB森下怜哉にも注目ですね。

▲2021年に0-5で負けた嫌な思い出

試合の感想

要所で決められ50分でピンチ

 ワンタッチプレーの連続からFW荒木駿太が鋭いシュートを飛ばし、右の長澤を仙台の左SB奥山政幸がうまく止めるなど良い場面を作っていた仙台ですが、警戒していた新井の切り込みからPKを奪われ、今季好調な西川潤に決められてしまいました。

 守りを固められてしまうと中央を厚くした鳥栖の5-3-2はなかなか崩せません。大宮、大分と似たようなパターンです。困った。

 後半開始と同時に、コールリーダーがレアなチャント「刃」を仕掛けました。元ネタは実写版『魁!! 男塾』で、死中に活を見出す覚悟の歌です。後半開始と同時に盛り上げていこうぞ! 借りた旗も全力で振るぜ!
 チャントが終わったあたりで仙台、自陣右コーナー前でファウル! 鳥栖フリーキック! おう構わねえやってやれ!

 このフリーキックを西矢健人が左足でいいコースへ蹴り入れ、CB森下怜哉がいいコースへ頭で叩き込み、追加点が入っちゃいました。49分でした。応援歌だけじゃどうにもならないことだって、ある。

70分まではひどい空気でした

 悪いことは重なるもんで、攻めあぐねていた71分に左SBの石尾陸登が派手にすべって相手を倒してしまい、1発レッドで退場処分になりました。ウーン厳しい!
 でも完全無罪かというと映像で見直したらわりあい勢いがついてましたし、2試合+罰金10万は相応の正当性がないと出ません。前節で退場になった大分のグレイソンも2試合停止+罰金20万になってますから、そういう基準があると考えるべきでしょう グレイソンも罰金10万なので判定に則った裁定でした (10/29修正)

 とか現地でわかるはずもなく、前の男性はずっと審判の悪口を言い続けるし、僕はいちおう「切り替えろー」と叫びつつも完敗テキストの見出しを考え始めていました。この状況でさっさと切り替えて「Twisted」の大合唱にシフトしたコールリーダーの判断はお見事です。

▲ポジティブ大事

とにかくハマる仙台の交代

 仙台は後半に郷家友太、石尾陸登、武田英寿を入れていましたが試合は動かず、そろそろ宮崎鴻アウトで中田インのパワープレーという交代ボードが準備されていた78分、その宮崎鴻がCB森下をぶっちぎって豪快な反転シュートをぶち込みました。奮闘してた鎌田大夢と、交代で入った武田・郷家のワンタッチパスでつないだのも鮮やかでした。

 やけっぱちの応援だったユアスタが、一転してノリノリの応援に変化! とっさに宮崎の交代を取り消し、相良と荒木を下げることにした仙台ベンチの判断は慧眼でした。結果オーライともいうけどな!

 4分後の82分には宮崎を残した賭けが大当たりしまして、鎌田のパスを受けて宮崎鴻がぶっ放したシュートは鳥栖DFに当たってコースが変わり、GK泉森涼太の逆をついてゴールへさっくりインしちゃいました。
10人で同点、そりゃあ狂う
 ユアスタ全体が奇声をあげて狂う! 全員「ちいかわ」から「でかつよ」へ変身するってもんよ! 簡単簡単ッ!!

▲ゲンドウも服破るレベルのテンションアップでした

 こうなるとユアスタは強い。フクアリなどの後発スタジアムに比べてトイレとかコンコースとか椅子とか古いんですけど、音の反響が強烈なのですよね。
 まあこっちは「イケー! モドレー! ヤレー!」つってるだけですけど、相手側としたらやりづらいでしょう。ただでさえ同点にされてあせってるのに、仙台のノーチャンス枠外シュートでもやたら歓声が響くんですから。

とにかく運がない鳥栖の交代

 鳥栖は62分にFW山田寛人が18歳の新鋭・新川志音に、シャドーの西澤がスリヴカに、ボランチ西矢健人が脳震盪で櫻井辰徳に交代しており、74分には右WBの長澤も上原牧人に替わっていました。

 この交代がとにかくハマりませんでした。
 新川のキレはさすがでしたけど周りとテンポが合わず、山田がいないので前線の高さが不足し、櫻井は試合を抑えきれず、上原はテンポが上がらない。スリヴカは脅威でしたけど、なんでもできるのにシュートだけ合わないのはJ1時代から変わりません。

▲秋保のグレートデーンブリューイングのオクトーバーフェストビールは濃密でおいしい

 相変わらず怖い新井晴樹へのパスは真瀬拓海や井上詩音が積極的な守備でカットし、新川へのパスは菅田が土壇場で足を当ててうまいこと防ぎ、数的不利のわけわからん守備で逆に鳥栖がキャパオーバーになっていました。
 しかも2-2になった時点で負傷気味の選手が続出していたようで、最後の交代で入ってきたのはボランチ木本恭生とCB今津佑太でした。
 2点目を決めたCB森下が最後まで持たないあたり、マジでなんとも運が悪いっ……!

▲鳥栖FW酒井宣福が出なかったのはたぶんコンディションの問題

漫画なら設定盛りすぎでボツになる幕切れ

 アディショナルタイム8分、長すぎて何分経過したかわからなくなった終わり際に、また交代選手が絡みました。
 鎌田のボール奪取をCB菅田が拾い、もらったCB井上が縦に浮き球を送り、交代で入った大学生FW中田有祐が頭で後ろへフリックし、6人目の交代選手であるFW小林心が、CB今津を振りきってGK泉森の届かないコースへ転がしました。
 この勝ち越し弾が決まった瞬間は周辺の何人とハイタッチしたか、もう覚えていません! 「30年ずっと観てきたけどこんなん初めてだわ」という声が聞こえました。

 交代選手のFW小林心が、これまた交代で入ったCB今津佑太を出し抜いて決めるとは、マンガだったら設定盛りすぎでボツになるレベルです。ドラマティックすぎてクールダウンを要する人が多かったのでしょう、試合後は勝利のハイライト放送までかなり人が残っていました。

「それでは本日のハイライトは後半32分のシーンから!」
仙台にとって都合の悪いシーンをすべて消し飛ばす編集、すき。

試合後の雑感

10人で2点差を逆転された記憶なら、ある

 2点差をつけられた上に10人となったチームが勝った事例を、仙台サポはその身で知っています。
 2017年10月14日の等々力陸上競技場で、42分に家長昭博が退場したあと仙台が2ゴール叩き込んだのに、82分にエウシーニョ、84分と87分に小林悠が決めやがって、川崎が勝ったのです。
 あれから8年、小林悠じゃなく小林心が決めてくれたおかげでみそぎができ、我々は日本で唯一と思われる「数的有利で2点差から逆転負け」と「逆転勝ち」を両方知るチームになりました。

高崎航地主審の判定に文句はあまりない

 スタジアムでいろいろ言われていた高崎航地主審ですけど、映像で見直すとレッドカードが厳しかった以外は正しいジャッジに見えましたし、そのレッドカードも大分戦の基準を考えれば一応アリです
 エロンが倒れた場面は体勢が悪くてボールも荒ぶってたため、PKなしでも仕方ありません。あと石尾は先ほど書いた通り、グレイソンより罰金が10万円軽いので相応の基準はあるようです。
 まあ、吹き方が細かいのであまり好きなタイプではないんですけど、あの退場がなければたぶん負けてましたからね!

 勝ったから言えるって? それは……そう!

本日のゴリさん語録

 10人になってしまったところで、正直なところ自分も0-2で10人というのは、なかなか。0-1だったらなんとかこの前(前々節・)大宮戦を10人でかなり、最後追いつくかというゲームができていたので、いけるかなと思っていたのですけど、0-2で10人になったところで、これ以上傷を広げないようにというような、もちろん、1点を返せば、というのはありましたけど。

 それを選手には今、「申し訳ない」と謝ってきたところで、こんなシナリオは自分も長い人生で初めてですし、他にあるんですかね、こういう10人で0-2を逆転したというのは。私もあんまり聞いたことがない、というところでは、ちょっと、こんなシナリオを誰が用意したのだろうという。

https://www.vegalta.co.jp/leagues/game-34.html

 大丈夫ですゴリさん、我々もまったく想像していませんでした! ジャンピング土下座ならいくらでもやったるぞ!

次節について

 試合後は絶品なビールを作る宮城県気仙沼市のブルワリー「ブラックタイドブリューイング」の国分町タップルームへ。おいしかったのでギリギリまで飲んでたら新幹線を逃しそうになりました。
 次はこれまた難敵の今治FCです。9月から1勝3分2敗と苦戦中ですが、強力な選手層は健在です。石尾は2試合不在ですけど、奥山先生や石井隼太、髙田椋汰といった面々に期待しましょう!





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