PIVOT「健康新常識」に出演しました。
PIVOTさんの「健康新常識」に出演させていただきました。
テーマは 「タイパ最強の健康術」 です。
MCのトンツカタンの森本晋太郎さんと三田友梨佳さんにお話を聞いていただきました。三田さんには少し硬い医学の話を一つずつ聞いていただき、森本さんにはスタジオでバーピーまでやっていただき、感謝感激でした。ツッコミがすごかったです。
忙しい人の健康管理というと、高価なサプリや特別な機械を想像されることがありますが、今回話したのは、ほとんどお金がかからないことばかりです(クレアチン除く)。タイパの良い健康法を普段の生活にどう取り入れるかをお話しさせていただきました。
前編|VO2maxとVILPA
後編|クレアチンとホルミシス(上裸x2ですみません)
前編では、血圧や血糖だけではわからない心肺機能と、日常の1分を運動に変えるVILPA、インタバーバル速歩。
後編では、クレアチンが脳のエネルギーにも関わる可能性と、少量のストレスが体の適応を引き出すホルミシスについてお話しさせていただきました。
番組で気になったテーマから深く読めるように、これまで書いたnoteをまとめます。
前編:血圧や血糖だけでは見えないVO2max
前編で最初に扱ったのがVO2maxです。最大酸素摂取量。心臓と肺と筋肉が、酸素を取り込んで使う力を表します。駅の階段でどれくらい息が上がるかを、数字にしたようなものです。
血圧も血糖も大事です。そのうえで、健康診断ではほとんど確認されない心肺機能も外せません。12万2千人を追った研究では、心肺機能が最も低い群は最も高い群に比べて、全死亡のハザードが約5倍でした。
これは「運動すれば5倍長生きする」という意味ではありません。運動負荷試験を受けた人たちの観察研究です。それでも、体力と長期予後のあいだに大きな差があったことは無視しにくいと思います。
Apple WatchやGarminの推定値は、医療機関で測るVO2maxと同じ精度ではありません。ただ、自分の心肺機能が半年で上がったか、下がったかを追う目安にはなります。
自分は体力を「健康の貯金」と呼んでいます。忙しくて運動できない時期や、体調を崩したときに、この貯金が助けになります。
▼ VO2maxとは何か、なぜ血圧より死亡リスクと深く関係するのか
VO2max|血圧より血糖より、死亡リスクとの相関が強い指標を、ほとんどの医者は測っていない
12万人の研究と年代別の目安をまとめています。スマートウォッチの数字や、上げ方まで書きました。番組の前編を、もう少し医学寄りに掘った記事です。
前編:「全力1分=散歩53分」は、散歩不要という話ではない
前編のもう一つのテーマがVILPAです。日常生活に入る、1〜2分の少しきつい動き。駅の階段を速く上る。散歩の最後だけ早歩きにする。子どもと本気で追いかけっこをする。こうした動きが当てはまります。
番組では 「全力1分=散歩53分」 と書きました。
これはカロリー消費の等式ではありません。1分の高強度活動と53分の軽い活動が、全死亡との関連では同程度だったという観察研究からの換算です。1分走れば53分歩かなくていいわけでも、散歩が無駄なわけでもありません。
自分が伝えたかったのは、運動ゼロの人ほど、日常に短い早歩きを足す意味が大きいということです。最初からジムに週5回通う必要はありません。階段を一つだけ速く上る。その1回からで十分です。
運動習慣がない方が、いきなり全力で走るのは危険です。まずは早歩きから。心疾患がある方や血圧がかなり高い方、膝や腰に問題がある方は、始める前に医療機関で相談してください。
▼ 番組の「1分と53分」を論文から詳しく
「全力1分」と「散歩1時間」の健康効果がほぼ同じだった|VILPA研究が覆した運動の常識
なぜ強度が効くのか。散歩は本当に意味がないのか。7万人規模のウェアラブル研究をもとに書いています。
▼ 全力運動がきつい方は、3分の早歩きから
「先生、もう1万歩やめていいですか」。医師が出会った"インターバル速歩"3分×3分の真実と科学的根拠
3分の早歩きと3分のゆっくり歩きを交互に繰り返す方法です。バーピーは無理でも、これなら始めやすい方が多いと思います。
後編:クレアチンは「筋肉の粉」だけではなかった
後編で最初に話したのがクレアチンです。
自分は17年間、筋肉のために飲んできました。ベンチプレスやスクワットのためのサプリだと思っていたんです。でも筋肉を動かすときも、脳で考えるときも、使っているエネルギーはATPです。クレアチンは、そのATPを素早く再利用する仕組みに関わります。
2024年には、睡眠不足の状態で高用量のクレアチンを1回とった小規模試験が報告されました。一部の記憶課題や処理速度が保たれ、脳内の高エネルギーリン酸にも変化が確認されています。他にも、クレアチンと脳機能に関する研究が進んでいます。
ただし、研究で使われたのは日常量を大きく超える量です。
「徹夜前に大量に飲めばいい」という話にはなりません。対象者も少なく、クレアチンが睡眠の代わりになるわけでもない。まず寝る。食べる。動く。その土台が先です。
自分が面白いと思ったのは、筋肉のサプリだと思っていたものが、脳のエネルギーという別の角度から研究され始めていることでした。
▼ 番組で話したクレアチンと脳の続き
経営者に「徹夜前に飲んでください」と渡しているものがある。クレアチンの話をさせてほしい
カフェインとの違い、睡眠不足の研究、腎臓の問題や、普段とる量を考えるときの注意点まで書いています。
後編:「少しの毒」が体を強くする、の意味
最後のテーマはホルミシスでした。
少量のストレスが、体の適応反応を引き出す現象です。筋トレが一番わかりやすい。筋肉に負荷をかけると、一時的には傷つきます。そこから回復する過程で、前より少し強くなる。
ストレスがゼロなら適応は起きにくい。ちょうどよければ体は強くなる。多すぎれば壊れる。番組で「毒か薬かを決めるのは量」と話したのは、この意味です。
サウナの熱や、植物が自分を守るために作る成分も、ホルミシスで説明できる部分があります。ただ、体にいいと言われるものを全部足すほど健康になるわけではありません。体調、持病、量によっては負担になります。
自分も筋トレが好きなので、つい刺激を増やしたくなります。でも40代になってからは、足すより休む方が難しい。ホルミシスを知ると、追い込むことより、どこでやめるかの方が気になってきます。
▼ 筋トレ、サウナ、野菜を一つの原理で考える
「正しい毒」が体を強くする──ホルミシスの科学
「少しなら良い」を免罪符にしないために、量が少なすぎる場合と多すぎる場合まで書いています。
PIVOTさんの番組で、自分が普段考えている健康の話を前後編で届けられたことを、大変ありがたく思っています。
森本さん、三田さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。40代男の上裸を大画面に出した甲斐があったと思えるので、前後編どちらか一本だけでも見てもらえたらうれしいです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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▼ 体力は、脳とメンタルにも関係する
VO2maxが高い人はうつ病リスクが36%低い|VO2max完全ガイド
番組で少し触れた、心肺機能と脳の話です。うつ病、認知症、精神病性障害との関連を約400万人のメタ解析からまとめています。研究の確実性に幅がある点も含めて書きました。
▼ ジムに行かない人の、がん予防とVILPA
1日数分の「運動のつまみ食い」でがんになる人が少なかった|VILPAとがん予防
運動習慣がない2万人超を追った研究です。「週150分」が遠すぎる人に、日常の数分から何ができるかを考えました。
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