自己紹介|論文と、自分の身体のあいだで書いていること
医者なのに、健康情報で何度も失敗しています。
睡眠スコアを気にしすぎて、逆に眠れなくなったことがあります。
16時間断食をやりすぎて、体重と一緒に筋肉まで落としたこともあります。
ダイエット中の空腹に耐えきれず、夜中に子どものピノを箱ごと食べて、翌朝「ぼくのピノは!?」と泣かれたこともあります。
Dr.もさりこと、山本康博です。内科医として外来に出ながら、パーソナルドクターとして経営者の方の健康管理にも関わっています。
論文を読んで、外来で患者さんを診て、気になったことは自分の身体でも試す。その三つを行ったり来たりしながら、論文の話を生活で使える形にするために書いています。
論文だけでも、体験談だけでも足りない
論文は大事です。医学的なエビデンスを確認せずに健康を語るのは危ういと思っています。ただ、論文を読んだだけではわからないこともあります。
筋トレ、有酸素、食事、サプリ。忙しい生活の中で、どこまでやるのが一番タイパがいいのか。健診でHbA1cやLDLコレステロールが少し高いとき、まず何から変えるべきなのか。睡眠スコアは睡眠改善の道具として使えるのか、それとも数字に振り回されるだけなのか。
こういうのは、論文の結論を読んだだけでは、そのまま生活には使えません。だから自分はできるだけ試します。そして、けっこう失敗します。
そういう失敗も、隠さず書いています。
誰に向けて書いているか
外来で患者さんを診ていると、よく思うことがあります。
「もっと早く知っていたら、違ったかもしれない」
病院は基本的に、病気になった人が来る場所です。症状が出た。数値が悪くなった。健診で引っかかった。そこではじめて受診する方が多いです。
もちろん、来てくださった方には全力で向き合います。ただ、医者が病院で待っているだけでは届かない人がいます。まだ病気になっていない人。自分の身体が悪い方向に向かっていることに気づいていない人。忙しさを理由に、健診結果や睡眠や食事を後回しにしている人。
特に経営者や忙しいビジネスパーソンの方を診ていると、会社のリスクは毎日追っているのに、身体のリスクは後回しになっていることがあります。意識が低いというより、健康の情報が、忙しい人に使える形になっていないだけだと思っています。
実際に必要なのは、こういう判断材料だと思います。
結局、自分は何から始めればいいのか
この数値は放っておいていいのか
どこまで生活習慣で整えられるのか
どこから医療機関に相談したほうがいいのか
このサプリや健康法は、自分に必要なのか
自分がnoteで書きたいのは、そこです。
何者として書いているか
先に、少しだけ自分の背景を書きます。
東京大学医学部を卒業し、大学院で分子生物学の医学博士を取りました。Nature姉妹誌に筆頭著者として論文を出しています。臨床では総合内科専門医・呼吸器内科専門医として外来に出ています。医療メディア企業SPLENDIDを共同創業し、これまで医療記事の監修にも累計3,000本以上関わってきました。
NewsPicksの健康番組「HEALTH HACKER」では、毎月MCを務めています。PIVOTなどの番組にも出演してきました。
ただ、このnoteでは肩書きを前に出したいわけではありません。肩書きより大事なのは、論文の数字を、生活の判断につなげられるかどうかだと思っています。
自分のことをひと言でいうなら、「論文を読むのも好きだけど、自分の身体で試すのも同じくらい好きな医者」だと思っています。
トレーニング歴は17年。BIG3のトータルは520kg、デッドリフトは200kgを引きます。仕上げにHIITをやって、一人でしゃがみ込んで嘔吐したこともあります。白衣の下は、だいたい筋肉痛です。

ヘックスバーデッドリフト、170kg×8。
— Dr.もさり|山本 康博 (@drmosari) April 20, 2026
デッドは全身まとめて鍛えられるから、忙しい週ほどこれに戻ってくる。
脚・背中・お尻・握力・体幹。1種目で全部に刺激入れられる種目って、他にない。
ヘックスバーにしてから腰のストレスが減って、40歳でも続けやすい。… pic.twitter.com/2FYgOM6i9p
自分が大事にしているのは、医学的に正しいことと実生活で使えることの両方です。
クレアチンを勧めるなら、自分でも自腹で買って飲みます。
筋トレを勧めるなら、自分でもデッドリフトを200kg引きます。
睡眠の記事を書くなら、自分の睡眠ログを毎日確認しています。
血糖の記事を書くなら、自分でリブレ(血糖測定器)を腕に刺して、食事で血糖がどう動くかまで確かめています。
2週間つけてわかったことは、この記事に全部書きました。
もちろん、自分で試したから正しいとは思っていません。自分の身体で起きたことは、あくまで一例です。医学では、個人の体験だけで結論を出してはいけません。ただ、論文の知識だけでも足りない。
だから、どこまで言えて、どこからは言いすぎなのか。誰に当てはまって、誰には当てはまらないのか。そこをなるべく丁寧に書きたいと思っています。
逆に、わからないことはわからないと書きます。医者だからといって、すべてを知っているわけではありません。むしろ健康の話は、断言しすぎるほうが危ない。
だからこのnoteでは、できるだけ煽らず、盛らずに書いていきます。
なぜ実名で書いているのか
実名で書いているのは、自分にとっての責任の取り方です。
健康情報は、人の行動を変えます。食事を変える人、サプリを足す人、病院に行くかどうかを決める人がいます。だから、軽い気持ちで書いてはいけないと思っています。
名前と顔を出して書けば、間違っていたときに批判されます。その緊張感は、健康情報を書くうえで必要だと思っています。
匿名の発信が悪いとは思っていません。匿名でも誠実に発信している方はたくさんいますし、自分自身もそういう発信に助けられてきました。これは、あくまで自分の話です。
自分は医師として、研究者として、自分の身体でいろいろ試してきた人間として書く。その立場を隠さないほうが、自分には合っていると思いました。
このnoteで書いていること
このnoteで扱っているのは、健康情報そのものというより、その使い方です。
健診結果の血糖、脂質、肝機能、腎機能をどう読むか
睡眠、運動、筋トレ、食事、サプリのエビデンス
会食や出張が多い人の、現実的な整え方
医学的には正しくても、実生活では続きにくいこと
自分で試してわかったこと、うまくいかなかったこと
健康の正解は、人によって違います。年齢も、仕事も、病気の有無も、家族構成も、使える時間も違う。だから必要なのは、誰かの正解をそのまま真似することではなく、自分の状況に合わせて判断できる材料を増やすことだと思っています。
自分は、答えを配る医者ではなく、その判断材料を増やす医者でいたいです。
初めての方へ
「何から読めばいいですか」と聞かれることが増えてきたので、悩み別の歩き方マップを別記事にまとめています。
運動、血糖、健診票、睡眠、サプリ、会食。気になるところから読めるように、無料記事とメンバー限定記事を混ぜて並べています。初めて来てくださった方は、まずこのマップから読むのが一番わかりやすいと思います。
メンバーシップ「Dr.もさりラボ」について
無料noteでは、まず広く読める話を書いています。もう一段踏み込んだ話は、メンバーシップ「Dr.もさりラボ」で書いています。
健診結果で、どの数字から疑うか
血糖、睡眠、体組成、コレステロールを、自分の生活の中でどう並べて考えるか
サプリを足す前に、何をやめるか
会食、出張、睡眠不足が続く人が、現実的にどこから変えるか
メンバー限定の掲示板では、Q&Aもやっています。外来で患者さんに聞かれるようなことを、そのまま聞いてもらえれば大丈夫です。答えるのが、自分は一番楽しいです。
月額1,000円で全記事を読めます。自分の健診結果や睡眠、血糖、サプリ、会食をどう並べて考えればいいか。そこまで踏み込んだ話を知りたい方は、まず紹介記事を読んでみてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。役に立ちそうなら、スキやフォローをもらえると励みになります。気になるテーマから、1本読んでもらえたら嬉しいです。
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