【大人の勉強】 大人の勉強のための読書術 2/3 【読・即・斬?】
はい、ということで前回からの続きです。
はじめに:なぜ読んだ知識はすぐに忘れてしまうのか
前編では、多読を可能にするための「戦略的な飛ばし読み」と「本の選び方」について解説しました。
これで、あなたの積ん読は解消に向かい、インプットの量は増えるはずです。
しかし、ここで次の問題に直面します。「読んでも読んでも、すぐに内容を忘れてしまう」という悩みです。
せっかく時間を使って得た知識が、数日後には記憶の彼方に消えてしまうのは、非常にもったいないことです。
私なんか下手するとその日のうちにどこかへ行ってしまいます。
私たちが知識を忘れてしまうのは、脳がそれを「重要な情報ではない」と判断するからです。
本の内容はインプットされた時点では単なる情報であり、それが「血肉」になるためには、脳がそれを何度も使い、重要だと認識するプロセスが必要です。
本記事の中編では、この「忘却」を恐れず、読んだ知識を脳に定着させ、人生を好転させるための「行動への直結」と「不完全主義」の技術について掘り下げていきます。
1. 読んだらすぐ実行せよ! 「読・即・斬」主義
読んだ知識を脳に定着させる最も強力な手段は、読書と行動の間に時間差を作らないことです。
私はこれを、人気漫画『るろうに剣心』斎藤一のモットー「悪・即・斬」をもじって、「読・即・斬(どくそくざん)」と名付けています。
「読んだら(読)、すぐに(即)、やる(斬)」という意味です。
(実は我ながら頭悪いネーミングだなと思ってますが、これは「あえて」なのです、いやマジで)
本を読んでいるとき、内容に感銘を受けたり、「これは使える!」と閃いたりする瞬間があります。
この感情が動いている瞬間こそが、行動に移す最大のチャンスです。
「この本を読み終わったらやってみよう」「週末になったらまとめて行動に移そう」と考えてしまうと、大抵の場合、それは実行されません。
経験上、「あとでやろう」は、ほぼ「やらない」と同義です。
時間が経つと、その知識に対する感情の熱量は冷め、緊急性の低い第2象限(重要だが緊急ではない)に逆戻りしてしまうからです。
例えば、読んでいる本に「朝起きたらまず1分間の瞑想を試す」という習慣化のノウハウが書かれていたら、その次の朝……とは言わず、本を一瞬閉じて、まず1分間だけでも試してみる。
行動の大小は問いません。
読書で得たエネルギーが冷めないうちに、最小のアクションで「斬り込む」ことが大切なのです。
この「読・即・斬」を実行に移す最後のチャンスが、本を読み終えた後にハイライトやメモを整理するときかもしれません。
そこで「すぐできること」を再度見つけたら、可能な限りすぐに、少なくともその日のうちに行動に移しましょう。
2. 「忘れてもいい」という不完全主義と「再読」
「読・即・斬」、すなわち「読んだらすぐやる」は強力な技術ですが、現実的に、一冊の本に書かれていることの全てをすぐに実行することは不可能です。
ここでまた、「全て実行できなかった」という自己嫌悪がモチベーションを下げてしまう危険があります。
だからこそ、私たちは「忘れてもいい」「全てを実行しなくてもいい」という不完全主義の考え方を取り入れるべきです。
本の内容は忘れても構いません。
なぜなら、真の学びは再読によってもたらされるからです。
再読こそが本番と言っても過言ではありません。
初めて本を読むときは、その本の主張や論理展開を追うことに精一杯で、知識はまだ表面的な理解に留まっています。
しかし、一度読んだ記憶がある状態で再読すると、その本の結論や文脈がすでに入っているため、理解のスピードと深さが格段に上がります。
再読までの間に経験したことも、より思考を深める役に立つでしょう。
初めて読んだときの自分と、再読で「再会」したときの感動の違いこそが、知識の定着を強烈に助けるのです。
この再読を前提とするために、できるだけ本は買うことをおすすめします。図書館やレンタルでは、再読したいと思った時にすぐに手元にありません。手元に置いておくことで、ふとした時にパラパラと見返したり、必要な情報をすぐに確認したりする「辞書的な使い方」が可能になります。
もちろん、Kindle Unlimitedや図書館も素晴らしいツールであり環境ですが、自分の成長に不可欠な「核となる良書」は、手元に置き、いつでも再読できる状態にしておくことが、長期的な知識定着の戦略となります。
3. 読書定着のための「蔵書ポートフォリオ」戦略
再読の重要性を考えると、自分の「蔵書」をどう管理するかが戦略となります。
本を「所有する紙の本(再読の核)」「Kindle Unlimited(実験・広範囲インプット)」「図書館(最良の学習環境&コスト削減)」の三つに分けて活用するハイブリッドな蔵書ポートフォリオを組むことを推奨します。
特に、スキマ時間や移動中に利用できるKindle UnlimitedやDMMブックスなどの電子書籍は、読書量を飛躍的に増やす素晴らしいツールです。
時間のない私たちには本を常に持ち歩いているという状態が必要であり、電子書籍はその点で最強です。
ただし、注意点もあります。
電子書籍でハイライトをつけ、その箇所を全てコピペして溜め込むことは非常に簡単ですが、単に情報を収集するだけで、アウトプットしない限り、それは意味のないデータの蓄積でしかありません。
これは知識が血肉になることを妨げます。
実は私も数年分の「ただハイライトを記録しただけの読書ログ」を大量に保有しています……。
読んだこと、記録した事自体は無駄じゃなかったと信じたいのですが。
読書の目的は、情報収集ではなく、それを使って「思考を深める」ことです。
知識が自分の蔵書から得たものなのか、借りて読んだものなのか分からなくなるほど多くの情報に触れている現状は、悩ましいことかもしれませんが、それだけ多くの知識が自分の中にストックされている証拠と前向きに捉えるべきでしょう。
4. 今回のまとめ
私たちは忘れる生き物です。
しかし、忘れることを恐れる必要はありません。
大切なのは、忘れる前に「行動」という形で知識を外部に出し、脳にその重要性を認識させることです。
読書はインプットですが、それは同時に「アウトプット(行動)」の準備でもあるのです。
次はいよいよ、AIが読書体験を大きく変えている現代において、電子書籍やAIとどう賢くつきあい、より深いインプットを実現するかという、デジタル時代の読書論に焦点を当てていきます。
ということで以下次号!!

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