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【集中に集中シリーズ特別編】 『過集中メソッド』で集中力を「設計」する! 【読書感想文】 その1

【集中に集中シリーズ】INDEX


ここしばらく、集中することについて集中して考えてきた。

【集中に集中シリーズ2】 集中するための「やる気」ハック 前編
【集中に集中シリーズ3】 無意識の力を引き出す「習慣」ハック 前編
【集中に集中シリーズ番外編】from 図書館返却本棚 その33 「一点集中術」 デボラ・ザック

今回はその特別編である。


はじめに


皆さんは今も集中力を「根性」や「やる気」の問題だと考えているだろうか。
私も長らくその根性論に囚われていた一人である。

しかし、本書『過集中メソッド』著:新井琴香 は、

「集中力が才能ではなく、設計である」

ということを教えてくれた。

この本との出会いは、長年抱えてきた「集中力の波」や、行動できない時の「焦り」の原因が自己管理の甘さではなく、「仕組みの不在」にあったことを改めて認識させてくれりものだった。

自己管理能力ではなく、脳を「フルドライブ」(実に私好みの言葉だ)させるための適切な環境設計が欠けていただけなのである。

本記事の目的は、単なる書評に留まらず、本書のエッセンスを抽出・整理し、それを具体的な「私のアクションプラン」として実生活へ応用することだ。

そのアクションプランのターゲットは、
「集中してアウトプットを増やし、幸福感を高めることの実現」。

そのために、本書を読み進める中で私が深く引っかかった3つのテーマについて集中的に考察を加える。

1 パフォーマンスを妨げる「焦りの克服」。

2 設定した「時間制限」を自分で有耶無耶にしてしまう問題の回避。

3 過集中やゾーンといった「集中力の上位概念」をどう捉え実践に活かすか。

私は、集中力を偶然の産物から「技術の結果」へと変革したいのだ。





1. 集中力の正体:がんばるを捨て、「脳のフルドライブ」を導く


1-1. 「やる気」の否定と「環境」の肯定。根性論からの脱却


集中力はやる気で押すものではなく、時間の切り方、環境の作り方で自然に高まるものだと本書は主張する。

この考えは、集中力は生まれ持った才能でも、気合いと根性で絞り出すものでもないという、根性論の完全な否定である。

私もこれまでこの「集中に集中シリーズ」を含めて様々「集中とはなにか」について考えてきたが、結論の一つとして同じ意見を持っている。

環境の設計によって集中できるという思想は、ここ数年で一気に浸透し、多くのビジネス書や自己啓発書で言及されるようになった。
これは、現代人が「やる気が出ない自分」や「継続できない自分」に疲弊しきっていることの、何よりの証拠だろう。

しかし、その一方で、「環境が大事だと頭では理解しているが、その実行が難しい」という壁に多くの人がぶつかっている。

環境を整えることが、また一つの「がんばるべき課題」になってしまっては本末転倒だ。

ちなみに私はこの環境や計画の整備にがんばりすぎて疲弊、あるいはその時点で満足するというそのままの悪癖を持っている。
そうした経験から「がんばらない環境づくり」には非常に関心があるのだ。

本書の価値は、まさにこの「頭ではわかるが実行できない」という壁を乗り越えるための具体的な「実行のヒント」を与えてくれる点にある。

いかにして集中を「自然に高まるもの」にするか。
そのための仕組みづくりが重要なのだ。


1-2. 「過集中」とは何か?ゾーンとの境界線


本書が定義する過集中とは、
一気に深く入り込み、時間感覚が一変するような脳のフルドライブ状態
である。

私にとってこの「脳のフルドライブ」という表現は、非常に腑に落ちるものがある。

集中しているという自覚のある時は、まるでターボがかかった状態で脳のスペックを限界まで引き出しているように感じられるのだ。
しかもそこにはがんばっているという感覚はない。

本当の集中は、がんばる感覚というよりも、むしろ対象にのめり込み、自己意識さえ薄れる感覚に近い。
それは、無理に脳のテンションを上げる行為ではなく、特定の条件を整えたときに、まるでスイッチが入ったかのように勝手に入るモードである。

ただし、ここで一つ疑問が残る。
本書内で使われている「過集中」という言葉と、一般的に使われる「ゾーン」という言葉の違いだ。

本文中ではこの二つの概念の明確な境界線はほぼ示されておらず、文脈によってはほぼ同じ意味として使用されているように見受けられる。
どちらも「時間感覚が一変するような脳のフルドライブ状態」を指す、集中力の上位概念であると解釈するのが自然だろう。

重要なのは、その呼び名ではなく、この「時間感覚が一変する状態」を、偶然ではなく、意図的に呼び込むための設計図を描くことだ。

この特別な状態をいかに定義し、私のアウトプット活動(日々のギター練習やnote執筆など)に活用できるかが、本書を読む上での鍵となる。

1-3. 没頭の条件:「ちょうどいい難しさ」の設計


集中に入れるための重要な条件として、本書は「簡単すぎる、もしくは難しすぎる課題には時間を忘れて没頭することができない」と指摘する。

つまり、ゾーンや過集中といった深い集中状態に入れるのは、「自分にとって少しだけ難しい課題」、裏を返せば「脳が快楽と危機を同時に感じている状態」に取り組んでいる時だということになる。

しかし、ただ漫然と課題に対峙しているだけでは、その「ちょうどいい難しさ」が生まれることは稀だ。

例えば簡単な課題であれば、集中力を高めるためにあえて時間制限を設ける必要がある。
難しすぎる課題であれば、手がかりを得るためにやることを小さく分解する工夫が必要になる。

この、意図的に難易度を操作し、没頭状態を作り出すアプローチは、「ゲーミフィケーション」の設計思想と驚くほど共通している。

ゲームがプレイヤーを時間を忘れて夢中にさせるのは、課題を「今、手が届きそうで届かない」絶妙なレベルに設定し、クリアすれば即座に「ご褒美」を与えるという仕組みが設計されているからだ。
集中力もまた、このゲーミフィケーションのように、仕組みとして設計できる。

自分にとっての「ちょうどいい難しさ」を、いかにしてタスクごとにカスタマイズし、過集中への入り口とするかが、日常のパフォーマンスを劇的に変える設計の核心となるのだ。



ということで、次回「集中力を「技術」にするための実践的スイッチ」に続きます。




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