見出し画像

ほぼ100文字怪談 まとめ2

Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。


【ほぼ100文字怪談_11】

遠出した先で、初めてドアに開閉ボタンがついている電車に乗った。
私は開閉ボタンを押すということを知らなかったので、ドアはずっと開いたまま。
すると私の横から白い腕がにゅっと伸びて、閉めるボタンを押した。
私の周りには誰もいなかった。


【ほぼ100文字怪談_12】

朝、洗面台で髪を整えるために右手を上げたら、鏡の中の俺も右手を上げた。
鏡は左右が反対になるから、鏡の中の俺は左手を上げるはずだ。
違和感に「あれ?」って顔をしてたら、鏡の中の俺は「ヤバッ」って顔をして左手を上げた。
間違えるなよ。


【ほぼ100文字怪談_13】

ベランダからバサバサと羽ばたく音。鳩が巣でも作ろうとしているのかと、布団叩きを手にベランダへ出る。
おっさんの生首が、大きな耳を翼のように動かして飛んでいた。
とりあえず布団叩きを振り回して、追っ払った。


【ほぼ100文字怪談_14】

仕事からの帰り道、人通りの少ない住宅街を歩く。
「また、会おうね」
今日も聞こえた。今にも消え入りそうな、少女の声。周りには誰もいないのに。
僕はいったい、毎日ここで何と出会っているのだろう。


【ほぼ100文字怪談_15】

憧れのひとり暮らし!
でもベランダの窓用に準備したカーテンが寸足らずだった。
まぁいいかと思って過ごしてたら、裸足の白い足が4本、カーテンの隙間から伸びているのに気付いた
憧れのひとり暮らしが、まさかの幽霊ふたりとの三人暮らしになるとは。


【ほぼ100文字怪談_16】

夢の中で行列の先頭にいた。目の前は空間が切られたように何もない。
後ろを振り返ると、無数の俺が並んでいた。
「え、これ、何の列?」
「出荷待ちの列だろ」
どん、と背中を押されて目が覚めた。
何か今日を生きる俺が出荷されて、今ここにいる気分。


【ほぼ100文字怪談_17】

学生時代の友達と撮った写真を眺めていると、友達Eの目が緑色に光っていた。
どの写真を見ても、Eの目は緑色に光っている
前に見たときは普通だったのに。
Eに連絡したが返信はなく、Eの実家に連絡したら一昨年から行方不明になっているらしい。


【ほぼ100文字怪談_18】

俺、「本村」って書いて「もとむら」って苗字なんだ。
なのにいつも「ほんむら」って読み間違えられてた。でもめんどいから訂正してなかった。
この間、戸籍を確認したら、いつの間にか「ほんむら」って読みになってた。
俺は「もとむら」のはずなんだ。


【ほぼ100文字怪談_19】

エレベーターに乗り込む。
エレベーター内の鏡を見たら、寝癖がついてた。慌てて直していると、エレベーターに女性が乗ってきた。
見られた、恥ずかしっ。
そう思って前を向くと、そこには誰もいなかった。
エレベーターのドアが、静かに閉まる――。


【ほぼ100文字怪談_20】

ナナノマドって知ってる?
旧校舎の3階、窓は6つしかないのに、7つ目の窓が現れるんだって。
その窓には自分が立ってて、それを見ちゃうとその日の夜にもう一人の自分が、自分と入れ替わりに来るの。
大丈夫だよ。回避するためのおまじないはね……



いいなと思ったら応援しよう!

もりとき 読んでくださる方のおかげで、物語を紡ぎ続けることができています。 ご支援いただけたら、とても励みになります。