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ほぼ100文字怪談 まとめ1

Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。
目下の悩みは、「ほぼ100文字」を謳いつつ、実際は「だいだい120文字」であることです。


【ほぼ100文字怪談_1】
ふと見上げると、一人暮らしの俺の部屋に電気がついていた。カーテンには見慣れたシルエットが映っている。影だけでも、彼女のマリだとすぐに分かった。
なんだマリ、久しぶりに帰ってきたのか。
今日はお前の命日だもんな。


【ほぼ100文字怪談_2】
暖かくなったからか、前を歩いている人がハーフパンツを履いている。
そのふくらはぎに、特徴的な痣があった。階段をのぼると視線が自然とその痣の位置になる。
その痣は人の顔のような形で、階段をのぼる私とずっと目が合っていた。


【ほぼ100文字怪談_3】
寝返りを打とうとしたら、体が動かない。
「これが金縛りというやつか」と思ったが、どうやら動かないのは体だけで首から上は動かせるようだ。
目を開けてみると、文鎮のように4人の老婆が布団の四隅に正座していた。 これじゃ寝返りが打てないわけだ。


【ほぼ100文字怪談_4】
子どもの頃、駄菓子屋のひも飴が好きだった。ひもの先に色んな大きさの飴がついてるやつ。
ある日、ひもを引いたら、ひもの先に目玉がついてた。
店のおばあちゃんが「あ、目玉」って言って、飴の箱を持って奥に行っちゃった。
ダジャレかよって思ったね。


【ほぼ100文字怪談_5】
自宅保育をしている4歳の息子がわらべうたを歌ってた。
「かくれんぼ みつからないこは どこにいる みつけたら いただきます バリバリバリ」
私はそんなわらべうたを聞いたことがないし、何か歌詞が怖いんだけど。どこで知ったの?


【ほぼ100文字怪談_6】
おばあちゃんが亡くなった。
誰もいなくなった家を整理する。台所のシンク下の棚を開けたら、一升瓶の醤油の蓋から漏れた醤油を、5cmくらいの子鬼がペロペロ舐めていた。
そういえば、「この家には子鬼が出るの」っておばあちゃん言ってたな。


【ほぼ100文字怪談_7】
住宅街の道路で小学生が5、6人団子になっていた。
僕を見るやいなや「助けて! 絡まっちゃった!」と訴えてくる。
何が絡まっているのだろうとよく見てみたら、彼らの影が複雑に絡まり合っていた。
これは解くのに骨が折れそうだ。


【ほぼ100文字怪談_8】
携帯電話に留守電。妻からの連絡のようだ。
普段ならメッセージアプリを使うのに、と思いつつ留守録を聞いてみると、あどけない子どもの声で「いま、おうちにいるよ」と入っていた。
うちに子どもはいない。

3日後に、妻が妊娠していると分かった。


ほぼ100文字怪談_9】
出勤のため駅に向かおうと家を出たら、前の道を通りがかった女に会釈された。
コンビニの前ですれ違った女に会釈された。
駅のエスカレーターの下りに乗っていた女に会釈された。
電車から出てきた女に会釈された。
会釈してきたのは、みんな同じ女だった。


【ほぼ100文字怪談_10】
深夜、足の裏にチクチクと痛みを感じて目覚めた。
足元を確認してみると、電気を消した暗い部屋の中にぼんやりと浮かび上がる白い靄。
3週間前に枯らして捨てたサボテンの幽霊が俺の足裏を刺してた
幽霊になって祟るほど俺を恨んでいたのか。

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