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ほぼ100文字怪談 まとめ9

Xアカウントで毎日更新しているほぼ100文字怪談のまとめです。


【ほぼ100文字怪談_81】

夕暮れの帰り道、住宅街を歩く。
ふと上を見たら、屋根の上に設置された衛星放送のアンテナの中央に、おっさんの顔が生えてた。
足を止めることができず、電柱で視界が遮られる。
再度アンテナが見えるようになったときには、おっさんの顔はなくなってた。


【ほぼ100文字怪談_82】

雑踏の中、一緒に歩いてた友人が一瞬で消えた。
何事?! となって探し回るも、いない。過ぎていく時間、日が暮れかけて警察に連絡すべきか思案してたら、友人が消えた場所から、またひょっと現れた。
友人は「えっ? 夕方になってる?!」と驚いていた。


【ほぼ100文字怪談_83】

亡くなった父の部屋の扉の鍵が開いてる。
おかしい。あの部屋は私が鍵をかけたし、その鍵は私の手元に保管してる。
そっと扉を開けると、ベッドの上に白骨化した父が横たわっている。
やっぱり父は動かない状態だよなぁ。何で鍵が開いてたんだろ。


【ほぼ100文字怪談_84】

図書館で借りた本を返却したら、司書さんが怪訝な顔をした。どうかしたかと尋ねたら
「この本、8年前に『焼失のため除籍』になってるんです。」
と言われた。
ちなみに、この本のタイトルは『奇跡』で、奇跡の生還エピソードが載ってる本だった。


【ほぼ100文字怪談_85】

夕暮れ時の公園で、子どもが泣いて助けを求めている。
見てみると、シーソーの片側が誰も乗っていないのに下がり、子どもが乗っている側が上がっていた。
慌てて子どもを下ろす。下がったままのシーソーの片側には、誰かの濃密な気配だけが残っていた。


【ほぼ100文字怪談_86】

長男の乳歯が抜けた。下の歯だ。
自分が子どもの頃、「下の歯は屋根に投げて、上の歯は縁の下に入れる」と教えてくれた親を思い出す。
せっかくだから、子どもと一緒に歯を屋根へと投げてみた。
その瞬間、屋根から甲高い笑い声が聞こえた。


【ほぼ100文字怪談_87】

スマホの連写機能を使って自撮りしてたんだ。
カメラ目線で変顔してる俺の写真が何枚も撮れてて、友達と一緒にゲラゲラ笑ってた。
でもその中に1枚だけ、真顔で目線だけを左上に向けてる写真があった。
その後は、他の写真と同じ変顔。
俺は何を見てたんだ?


【ほぼ100文字怪談_88】

6年付き合ってた彼にフラれた。
バーでやさぐれてたら、マスターが「あちらの方から」とカクテルを差し出す。
新しい恋の予感?!
マスターが指す席を見たけど、誰も座ってない。もしかして、心霊……?
とりあえずマスターに「イケメン?」って聞いてみた。


【ほぼ100文字怪談_89】

夜道、自分の影を見ながら歩く。
街灯に近付くと影は後ろに伸び、街灯を通り過ぎると前に伸びる。
そんな影を見ながら街灯を通り過ぎたが、影が前に伸びてこない。
あれ? と思って振り返ったら、街灯の下で、私の影だけが足踏みしてた。


【ほぼ100文字怪談_90】

車でとある街を走っていた時に人通りの少ない道に入ったら、カーナビが突然ナビを始めた。
でもそれが、日本語じゃなかったんだ。外国の呪文のような、お教のような響き。
その道を抜けたらピタリと止まった。一体どこへナビしようとしてたんだろう。




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