インディフィニト・ノート 7話
<前話までのあらすじ>
夢(三年以上も前)から覚めると突然、休暇中の上司を思い出していた。 腹が減ったので退社して前から気になっていた店に行く事に決まった。
1話は<1~5P>こちらから
6話は<25~30P>こちらから
7話<31~35P>
人気No1メニューを頼むとワインを勧められたが流石に仕事中なので丁重にお断りをした。酒は新人歓迎会で、たらふく飲めるので、そもそも飲むという選択肢が無い訳だが、流石に先に酔ってる上司の姿は間抜けなので一体どんな会社なんだと疑われてしまうのも避けなければとの決断だった。
1990年代は年功序列や終身雇用制度よりも若者が自由を求めていた時代ではあったが昨今、業績不信、悪化による突然のリストラや倒産が相次ぐ中で年功序列や終身雇用制度が再び注目を浴びる機会が高まり、そこに良い人材が集中する未来が容易に予想される。
一時期、就職難と言われた時代の内々定という言葉に耳を疑った事があった。企業側が内定を取り消しても問題はないみたいな風潮があったと記憶している。つまり内定を取り消すと企業のイメージ悪くなるので内々定ならば良いのではないかという発想に至ったのかもしれない。
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特に詳しく調べた訳では無いので実際の事はよく分からないが就職活動する学生側からすれば不安定な状態であり、しっかりと内定を貰うまでは安心できる状況でない事は明らかである。しかも他の企業に内定を貰っている事が分かれば印象が、かなり悪くなり、簡単に内定を取り消される時代になっているのが現状だと思う。だから就職が決まっても、永久就職ではないし、給料が上がらなければ副業も考えなければいけないという悪循環も生まれてきているのかもしれない。
先月は久しぶりに人事部から飲み会に誘われたので顔を出してきたばかりなので少し思い出してしまった。人事部の課長の話が、特に印象に残っていた。前に言った人と同じ内容の事を言う人や特にありませんと考える事に対して諦める人が増えているという。人事部としては、決して意地悪ではなく、ピンチを乗り越える応用力に期待しているのだという。
確かに、そう言われれば諦めるのは勿体ない気がした。
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そうこうしてると安藤が頼んだ。ごぼうポタージュオムライスが運ばれてきた。実際に見ると写真よりもボリュームがある事が分かった。見た目も主張が控えめな大人な雰囲気が出ていて直ぐに気に入った。気分が落ち着きたい時くらいは赤色を避けたいという意味だ。何せ、今日は、たっぷりと時間があるのだから贅沢な気分を味わうのも悪くはないだろう。
付け合わせはゴボウのフリットと人参のグラッセとブロッコリーがあり、彩も鮮やかで食欲をそそる。視覚で得られる最大の特徴は上から掛かっているソースが、これでもかと言わんばかりに皿の縁ギリギリまで及んでいる点に尽きる。念の為、店員から紙エプロンを貰う際に、ずっと気になっていたフリットの意味を聞いた。
店員曰く、イタリア語で揚げるの意味らしい。一番の特徴は衣にメレンゲを使用する事みたいで外はカリット、中は、ふんわりとした仕上がりと教えて貰った。
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食べてみると見た目だけではない事が分かり大満足の結果となった。誰も見ていないなら、お皿に残ったソースをペロペロと舐めて綺麗に拭き取りたいとさえ思っていた。
紙エプロンで口元を拭いながら良い歳した大人が、そんなはしたない行為が出来るはずもなく。自宅だったらなと気分が少し落ち込んでしまう。一方で課長昇進が決まった記念すべき日でもあるので羽目を外すなら新年会の方が良いに決まってるという結論に辿り着いた。
幸福感が増したのか頭の回転がいつもより早い感じがする。今の所、満腹感はありつつも眠気が増してくる気配は全く感じられなかった。
紹介してくれた友人に忘れないうちに味の感想と感謝をメールする文章を作成する。珍しく絵文字付きだ。送信ボタンを押す前にボードゲームのお誘いを忘れている事に気付いて慌てて修正するとボタンを押した。
今度、マスターに出前をやっているのかを確認しようと心に決めて店を後にした。
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会社の入り口を通り過ぎて自分の部署に戻ってタイムカードを確認すると部下たちが全員早退している事が分かった。特に何も思わなかったが他部署は残業コースになりそうだと度々、不満が聞こえてきていた。
子供の憧れる職業1位を獲得した事があるYouTuberが所属する中堅事務所に裏方としてスカウトされて今年10年目になっていた。
IT関係で肉体的にシンドクなって入院を機に退職した。どうせなら楽しさも感じられる仕事を探している時に知人から人手不足だからと話が来たのが始まりだ。最初は嫌だったら途中で辞めても構わないからと半ばアルバイトみたいな感覚で働きだしていたが、企画を考える事に向いてる事が分かったり、男女別々のシャワー室を完備も魅力だった。
案外、悪くないかもと思い始めて気付いたら今に至る。安藤の部署は超人気のクリエーターではなく、主に新人の担当に着くことが多かった。
どうでもいい話だが営業2課と付けてるのは社外対策でもある。
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7話<31~35P>
8話は<36~40P>こちらから
1話は<1~5P>こちらから
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