見出し画像

1937年 ディズニー アニメーション版 白雪姫 人物理解

世界初、ディズニー初の
長編カラーアニメーション
1937年公開、
Snow White and the Seven Dwarfs!!

アニメーションとしては不朽の名作。
芸術的、歴史的価値も高く
あの、小人さんの分の小さな7体がついた
オスカー像とともに
あまりにも有名であるわけですが

90年近く時が経過した現代、
世の中の価値観はどんどん変わっていきます。
先日の記事のシンデレラと同様
「王子様を待つだけのプリンセス、
現代にはそぐわない」と
印象を持たれてしまう白雪姫。

今回は、そんな白雪姫のお話です!

(今回もディズニー1937年版白雪姫だけを
対象とし、昔話版は除外します。
2025年実写版については、
人物理解という形ではありませんが
別で記していますので
よかったら、そちらも読んでください!)


まず最初に言えることは。
今回は、シンデレラのように
「ディズニー版は違うんだよ」って
話ではありません。

なぜなら彼女は自ら、
それはもう高らかに歌い上げているのです。
「いつか私の王子様が来る
いつか私たちは再会する
そして私たちは彼のお城へ行き
いつまでも幸せに暮らす、わかっているの」と!

日本語版はその時によって訳が色々で、
ニュアンスも異なってしまうので
私なりに直訳してみたのですが、
これは…待ってるっぽいですね!

ただ、ここでポイントになるのは
"再会"であること。
まず大前提として覚えていて欲しいのは、
なにも、「私を助け出してくれる
まだ見ぬどこかの王子様」を
待ってるわけではないんですよ。
彼女はちゃんと特定の王子様に恋をして、
その人を待っているんです。

その相手の王子様とは?
彼女が"願いが叶う井戸"とされるものに、
「愛する人が私を見つけられますように」と
願いを込めて歌いかけていたところ
その声を聞きつけ、塀を乗り越え、
続きを歌いに来てくれた王子様ですね。

なんか…えーと…細かいツッコミは、
とりあえずナシでいきましょう!笑

ともかくこのふたつの歌から感じ取れる
白雪姫の姿勢としては、私としては
「待ってるんだな」というよりは
「なんでそんな安定してるんだ…?」
という、驚きのマイペース感でした。
願ってるね。待ってるね。とさえ言わない。
最後に「わかっているの」とまで
付け足す、信じて疑わない姿勢。
「"愛する人が" "私を"見つけられますように」
というのも、受け身というよりは、もはや
なんだか余裕のようなものを感じます。

そう、彼女の一番の特徴、魅力としては
穏やかさと余裕、そして
その鉄壁なほどの安定性なのではないかと、
私は考えています。

振る舞いとしても、とにかくタフなのです。
驚いて一瞬取り乱したり、
泣いたりすることはあります。
しかしそこからの切り替えの、
なんと早いこと早いこと。
そして最後ににっこり笑うのです。
井戸で突然王子様に出会ったときも
そうでしたが、
森に逃げ込んだときなんか
「あんな大騒ぎをして本当に恥ずかしいわ」
とか言って、歌を歌い始めるんですよ。
歌を!?

もちろん彼女が
無理にそう振る舞っている様子の
描写はありません。
とにかくフワッと穏やか。
でも、多分…相当肝が据わってなくちゃ、
あんな風にはいられません。

多少の図々しさもご愛嬌です。
小人さんたちの家に勝手に上がり込み、
一階を片付け、
二階のベッドでお昼寝してたわけですが
帰宅した小人さんたちに見つかると、
何食わぬ顔で挨拶し、
びっくりして固まる彼らに言うのです。
「だめねぇ、ご挨拶したのに!」
えぇ、そんな… 笑

明るくマイペースで、
自己肯定感がしっかり強くて。
この辺はシンデレラと共通しているようにも
見えますが、
なんて言うか、白雪姫の方がより一層、
"素"っぽいんです。
すごいなぁ!というよりは
そういう人なんだろうな、みたいな。

嫌われてたらどうしようとかは、
あんまり考えない。
だからおこりんぼさんのことを怖がらないし、
それはきっと女王様相手でさえも、
そうだったのでしょうね。

それでも一応、おこりんぼさんのことは
「おこりんぼに好かれますように」と
寝る前に星に願ったりしているので
気にはしている様子です。
女王様が魔女として
毒りんごを持ってきたときも、
白雪姫はおこりんぼさんに喜んでもらおうと
彼の名前入りのパイを作っている途中でした。

悲観しないけど、気にはする。
仲良くなるための努力をしようとする。
うーん、やっぱりこの人、多分
心のバランスが抜群に良いですよ!

声も特徴的です。
日本語吹き替え版の声優さんは
小鳩くるみさんという方で、
可愛らしさの他、品と落ち着きの印象も
強い仕上がりになっていますが
英語のアドリアナ・カセロッティ版は
またもう少しイメージが違います。
もっとずっと、はしゃいだ感じなのです。
彼女の声はウォルトのご指名。
ウォルトは白雪姫を、
美しく完璧なプリンセスではなく
親しみやすいプリンセスとして
デザインしたかったのだそうです。
高く可愛らしい声ではしゃぐ白雪姫は
なんだかずっと、幸せそう。

これは私の憶測なのですが、この
「本人にとっては概ねずっと幸せなまま
物語が回っている」視点は、
意識して設計されたものなのではないかと
思うのです。

というのも、
この物語のハイライトシーンのひとつ
アニメーション版の白雪姫が
りんごを食べる理由は、
「願いが叶うりんごだよ」と言われたから。
(これもウォルトのアイデア)
そこで白雪姫は死んだように
眠ってしまうわけですが
そこからはい、次に彼女が目覚めるのは
王子様にキスされたシーン。

アニメーション版の白雪姫って、
そこで苦しそうにワァッと目覚める、
みたいな様子ではないのですよ。
「ふわ〜、よく寝たわぁ!」って感じで
気持ちよさそうに起きるのです。
そして目の前には
井戸で声をかけられ、歌いかけられて以来、
恋をしていた王子様。

そう、白雪姫にとっては
あのりんごは本当に
"願いが叶うりんご"だったのです!

彼女は本来、それなりに辛い目にも
遭ってるはずなんです。
困難にも、怖い目にも。
だけどそれをあまり、そうと認識しなかった。
してもすぐに気持ちを切り替え、
人に優しく、明るい方へ、楽しい方へ
歌を歌いながら、運んできた。
それを自然にやってのけてきた。

そんな彼女だからこそ
周囲には素敵な味方がたくさん増え、
みんなが道を繋いでくれたおかげで
りんごの眠りからも助かったわけで。
だから私は、彼女を
かなり"強い"プリンセスだと、思っています。
このことには、昔だからとか現代だからとか
そういう価値観ってあまり関係ないように
思うのです。

そして、もうひとつ大切なこと。
王子様を待つのはナンセンス?
こちらにも、私としては
ぜひ、「いいえ」を推したいです!
本人が待ちたいなら
待ってたって、いいじゃない!

別に「待つ」って悪いことじゃない。
良い結果になると限らなくても、
それは、積極的に動いたところで同じ。
時代の主流がそうだからって、
無理に合わせる必要はないと思うんです。
全ては、自分がどうしたいか。


白雪姫のように、
自分なりに主体性を持って豊かに楽しく
周りに愛情を持って過ごせたなら、
それは決して
王子様を待っている「だけ」ではないと
思いますよ。

不朽の名作のヒロインに相応しい、
不朽のプリンセス像だと
私は考えています!





読んでくれてありがとう!
良かったら、こちらもどうぞ。
「ディズニー実写版白雪姫について」
WISH マグニフィコ王は悪人か善人か」

いいなと思ったら応援しよう!