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ディズニー ウィッシュ マグニフィコ王は悪人か善人か

ディズニー100周年記念作品
「WISH」。
残念ながら興行収入としては
あまり芳しくありませんでしたし、
それ故、知名度としても低めです。

でもね、あれは本当は
ディズニースタジオ100年の歴史と
そのイデオロギーの結集した、
とっても素敵な作品なのですよ!

今回はその中でも特に
ファンの間で話題に上りやすい
マグニフィコ王について
焦点を当てて、記していきますね!


マグニフィコ王は
ウィッシュの舞台、ロサス王国の王様。
映画では詳しく描かれていませんが、
昔辛い目に遭い、
もう誰もこんな思いをしないで済むようにと
平和の王国、ロサスを建国したのだそうです。

彼は非常に優しい王様でした。
少々ナルシシストっぽくはありましたが、
それにしても親切で、面倒見のよいこと!
"休日の趣味はボランティア。
住む家がない人はタダでお城に招き、
とにかくどんな問題も解決して、
与え、与え、与えまくる。"
(この歌いいですよね。笑)

ですが、王様は怒っていました。
そうして自分は尽くしているのに、
国民はつけあがるばかりで
感謝を忘れていると。

王様がしていることのひとつに、
魔法で国民の願いを叶えるというものが
ありました。
国民は18歳になるとみんな、
自分の願いごとを王様に差し出すのだそうです。
差し出すと、本人はその願いを忘れてしまう。
王様はその中から、
国の運営に差し支えのなさそうなものを選び
時々叶えてくれます。

だからみんな自分や身内の願い事を
叶えてほしくて王様にすり寄ります。
ヒロインのアーシャもそうでした。
おじいちゃんの願いを叶えてあげてほしかった。
それ自体は、
孫娘の綺麗な気持ちかもしれません。
だけど、王様にとっては。

その場面でアーシャは、
王様が叶えられないと判断した、
叶える予定のない願いもみんな、
一括でお城に保管されていることを知ります。
「叶えられない願いは返しては?」と
王様にかけ合うものの、
厳しい態度をとられてしまう。

さて、この場面。
要するにアーシャが守ろうとしたものは、
個人の自由。考えや願いの自由です。
対して王様が守ろうとしたのは、
国の秩序と、国民の心の健康。
叶わない願いに絶望することを
未然に防ごうとしているのです。

ここなんですよね。

王様の言い分もわかります。
国が安全であることはまず第一。
そして、人として、"絶望"はとても辛い。
叶わないくらいなら、
忘れさせてもらえていた方が幸せ。
その考えにも一理ある…というか、
率直に魅力があるとも、思ってしまいます。

マグニフィコ王には映画公開当時、
「ディズニー最恐のヴィラン」という
キャッチコピーがついていました。
一体どーんな極悪人が出てくるのか…と
思っていたら、コレです。
誰ひとり殺していないし、
明らかな酷いこともしていない。
国のお金で私腹を肥やしてすらいない。
あれ??? 

これつまり、おそらく
"願い"=未来への希望、期待、
生きて叶えたいと思う生命力。
そしてなにより、その内容は
その人らしさの結晶でもあります。
ディズニー的には、
願いこそ人間が人間たる所以と考え、
それを取り上げ
勝手な判断で管理するというのは、
命を奪うことにも値する、重罪
ということなのだと思います。

アーシャやスターとしても、そこに異論を
唱えているわけです。
願いを返してもらえれば、
自分で努力して叶えることもできるのに
取り上げたまま勝手に管理するのは傲慢。
自由な希望があるからこその人間。
空っぽのまま生かされるのなら、
例え安全な生活が保証されていても、
むしろ残酷なことなのだと。

これを象徴して
観る人に聴かせる歌が、
「WISH」ということなのでしょうね!
歌と映像がよくマッチして
お互いを引き立て合う、
とっても美しいシーンです。
(ただ、吹き替え版は残念だった…!
私は生田絵梨花さんの歌や演技が
どうしても好きじゃないです。
作品の良さを潰してると思うの!)

マグニフィコ的には別に悪気もなく、
国民のためを思ってやっているつもり
というのも厄介なところです。
悪気がない、むしろ善意だからこそ、
まさか自分がしていることが
悪いことだなんて、気がつけない。
それどころか感謝がないことを不服に思い、
国民に対してイライラしている。
それ故、アーシャに咎められても
改めて考え直すことはなく、
アーシャこそが国を乱す悪者だと
認識してしまう。
映画がそこまで進んだときの、その姿は
多少自惚れながらも優しく国民想いな、
あのマグニフィコ王ではありませんでした。

日本では公開当時、ファンの間で
「マグ様はむしろ賢王」と
マグニフィコフィーバーが起きていました。
現実の厳しさ、辛さを知ってるからこその
大人のやり方。かっこいいじゃないか!と。

ただ、海外、特にアメリカでは
そんなこともなかった。
フロリダのディズニーワールドかな?
グリーティングで、アーシャが
「あぁ!!聞いたことある!
日本ではマグニフィコが人気なのよね!?
あははは!!」って感じで
ガチめに笑っちゃってる動画も
見かけたことがあります。笑

この反応の違い。
私はこれ、"自由"に対する意識の国民性の差
だと、考えています。

日本では秩序をかなり大切にしますよね。
多少自由が削がれるようなことがあっても、
全体を保つためならば、
我慢してそれに従うのが美徳とされる。
マグニフィコ王的な考えに
そもそも抵抗がないんだと思います。

対して、アメリカでは
"個人の自由"は、とっても大事。
一見平和に見えても、
ロサス王国はなにかがおかしい。
そんな感覚に敏感だったのではないかなと。

私はここに、少しだけ
日本の国民性の怖さを見い出しています。


…さて。あなたにとっては
マグニフィコ王は悪人?善人?
どう見える?



読んでくれてありがとう!
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