【梅園魚品図正】(50) 方頭魚(くづな)/麵條魚(しろうを)

方頭魚
『閩書』出 方頭魚
アマダイ 小ビル 雲州
一名 クヅナ。駿河に 奥律鯛。雲州、石州は、常に大なる者あり。駿州より風乾にして、其光澤 美く、白魚の如くなるもの貢物とす。同州 清見泻の鯛、惣て鱗に不二の形あり。冨士ダイと云。形鯛より長して、其身美しと云。是一物に非らずと、駿府の人語りぬ。東江冬月、アマダイ多し。
※ 「雲州」は、出雲国。
※ 「奥律鯛」は、誤読しているかもしれません。甘鯛の別名「興津鯛」のことと思われます。
※ 「石州」は、石見国。
※ 「駿州」は、駿河国。
※ 「清見泻」は、清見潟。静岡市の東部、興津の清見寺付近の海岸。

海産
麵條魚
『濽確類書』及『間府志』出 麵條魚
ベラ メラ 江戸
シロウヲ 筑州
トロメ
氷魚 江州
コアユ 摂州
ソウメンゴリ 加州
シラウヲノヲバ
杜子美白小の詩曰
天然二寸 ノ 魚又各 之曰 白小
「白小」則「麵條魚」也。田夫は皆「鱠残魚」と同物也と云。不然形狀大に異り。味亦劣れり。
※ 「トロメ」は、ドロメと思われます。
※ 「筑州」は、筑前国・筑後国。
※ 「江州」は、近江国。
※ 「摂州」は、摂津国。
※ 「加州」は、加賀国。
※ 参考:『古事類苑 第49冊』(国立国会図書館デジタルコレクション)

海産無鱗
上総國天羽郡相川と云所に、夏月泥海より麵條魚を多く獲る。彼の地の名産にして、白乾にして武江へ多く運漕す。白乾は塩を和せず。海潮のまゝに四角に寄せ干たるを云。
シラスを風乾になしたる故、麵條魚干と云。白洲干と書も、㨿なきに非らず。シラスはベラの苗魚にして、苗蝦の如くなる者也。一種同して、青黒色にして、其魚 稍小大也。是も白干にして多く鬻ぐ。武江にて、タゝミイワシと云。味苦く麵條魚に劣れり。
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筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
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