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【梅園魚品図正】(80) 金鯉(ひごい)/鯽魚(ふな)/鰱魚(にがたなご)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻2

金鯉 ヒゴイ

『證類本草』に出「赤鯉魚ヒゴイ」は、真鯉の赤なる者也。金鯉は、金魚の類也。

河魚類
乙未十月九日 望水蓋 真寫


■魚 (■は魚+即)

フナ マフナ

此鮒、上品にして味甚美なる者なり。利根川、皮、江戸川、其外、流川に生ずるを珍とす。江州、源五郎鮒に勝れり。大なる者、一尺余に至る。釣師の尊する所也。

※ 「江州」は、近江国おうみのくに
※ 「林鐘」は、陰暦六月の別名。りんしょう。
※ 「魚戸」は、魚屋のこと。参考:『広益熟字典 画引之部(魚戸)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

丙申林鐘九日 得魚戸之 真寫

鮒、『本草』曰「鮒魚 食メ 泥ヲ 雜物ヲ 不 食、冬月、肉厚ク 多 尤美」、『呂氏春秋』云「魚之美ナル者ハ 有リ 洞庭之鮒ニ 」。日本にて近江鮒を賞するが如し。近江鮒は、眉廣く、味尤美。他邦に異り。

凡、鮒は鯉につゝきて上品也。性亦温補し下血を治す。焼て食ひ、煮て食す。脾胃を峻補す。有 宿食及滞気 人 不  食。氣を塞ぐ。大なるを丸ながら煮たるは、尤氣を塞ぐ。薑椒を加ふべし。

丹 □ 曰「■魚 属ス 土ニ 有 調 胃 實ル 腸 之功 」。(■は魚+即)

海魚は、久食して不あき食す。河魚は、ごと 日 食へばき易し。味甘而 塞ゲバ 氣ヲ 也。

※ 「」は、魚の卵のこと。
※ 「薑」は、はじかみ。生姜しょうがの古名。
※ 「椒」は、はじかみ。山椒さんしょうの古名。
※ 「丹 □ 」は、丹渓。元の朱丹渓しゅたんけいのこと。金元四大家のひとり。参考:『大日本国語辞典 巻3(丹渓流)』『日本医史学雑誌 43(3)(1487)』(国立国会図書館デジタルコレクション)


鰱魚 ニガタナゴ

ウンケン  タビラ  ニガタナゴ

鰱魚にして身扁し。細鱗。火焼鯿カミナリザコの白色なる者ならん。

乙未九陽十有八日 真寫

※ 「ウンケン」は、誤読しているかもしれません。
※ 「火焼鯿カミナリザコ」 参考:「湖中産物図証/3/魴魚(カミナリザコ)/[抜粋]」(滋賀県立図書館)

※ 参考:『芸術資料 第四期 第一册(鯉の文献抄)』(国立国会図書館デジタルコレクション)


筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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