【梅園魚品図正】(73) 大口魚(たら)

大口魚
『東醫宝鑑』 㕦魚 俗名 大口魚
國俗通字 鱈 タラ 出所不詳
其白鮞を雲腸と云。䱒とす。味美也。出羽より出る鮞、胞まゝに連ねたるを醃とするを「紅たらの子漬」と云。其色紅色、玪瓏色美也。味亦隹品なり。炙煮食ふことなかれ。其まゝ切りて、酒に浸し食ふ。
大口魚は、比土の海に多し。南海には生せず。西州の北海にも生せず。朝鮮甚多し。寒國に生ず。冬春多く捕る。夏秋無之、多く塩に淹す。為 脯、味最美也。生なるは味劣れり。肉の白き者を、為 佳品 黄 為 下品 。
※ 「塩に淹す」は、塩に淹す、塩に漬けるという意。
※ 「脯」という漢字は、干したものという意。

此魚、各頭に小白石二つあり。越前の産を上品とす。蝦夷、越後、奥州、羽州より多く出す。痩小なる者を「シツコケダラ」又「スケトウダラ」と云。越後の「ぼうたら」是也。
佐渡金山の間近き所に捕るをよし。故に「スケトウ」と云ふ。歳首の節物なり。東都近海まれに漁り得る者も「スケトウ」也。
※ 「奥州」は、陸奥国。
※ 「羽州」は、出羽国。
※ 「シツコケダラ」 参考:『日本類語大辞典(しつこけだら)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「歳首」は、年の始めのこと。さいしゅ。
※ 「節物」は、その季節のもの。せつぶつ。
※ 「ぼうたら」は、棒鱈。タラを素干しにしたもの。
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→ 芋棒(いもぼう) momina.ina // Kitchen Science Labo
昔はお歳暮の定番だった「ぼうだら」/年玉と歳暮
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筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
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