【女大学宝箱】(15)扇屋(おうぎや)


扇は、むかし舜と申聖人つくり給へり。これを五明と申也。檜扇は、位ある人の用るもの也。
※ 「舜」は、古代中国の三皇五帝のひとり、舜帝。
※ 「五明」は、舜帝が作ったとされる五明扇の略。

扇の尺、もとは一尺一寸、今は一尺也。要といふは、肝要の心也。能太夫の用るを舞扇といふ。僧のもつは中啓なり。長崎より来るを朝鮮扇とす。から物店にあり。
※ 「能太夫」は、能狂言を演じる太夫のこと。参考:『ことばの泉:日本大辞典 21版(能太夫)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「から物店」は、唐物店。

骨に平骨、石州、ゆうぜん、唐扇、烏扇をつくる所 品々にあれども、京を元とす。
根本は、城殿駒井氏これを製る。御影堂の扇は、日本に聞えわたりてよしとす。某阿弥折といふなり。
※ 「城殿駒井氏」は、室町時代から江戸時代にかけて京都下長者町の西にあった家で、そこで作られる扇は城殿扇と呼ばれました。参考:『売扇庵扇譜(城殿の扇)』『大近松全集 : 解説・註釈 第16巻(城殿扇)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
※ 「御影堂の扇」は、京都五条通寺町の西にあった新善光寺御影堂で作られていた扇のことで、城殿扇に倣って作られたものであるそうです。参考:『日本地誌 巻之2山城誌,大和誌』『売扇庵扇譜(御影堂扇)』(国立国会図書館デジタルコレクション)

※ 参考:『売扇庵扇譜抜萃(扇の創製と沿革)』『扇左縄打毬匏:朝鮮風俗資料集説(日本扇名略考)』『日本社会事彙 上巻 訂正増補 再版(アフギ)』『日本絵類考 : 異本 巻1(ゆうぜん扇)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
よかったら過去noteも見てみてくださいね。👀
→ 【職人図鑑】彩画職人部類(16)扇(あふぎ)
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