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Geminiと一緒に刺繍ブローチを作ったはなし。

 オリジナルの刺繍ブローチを作りたい。

 初心者の戯れ言ですが、生成AIならきっと夢を叶えてくれるはず。そこでGeminiの全面協力のもと刺繍ブローチづくりにチャレンジしました。使用したクライアントはiPhone用のGeminiアプリです。


刺繍イメージの立案

ブランド名を決める

 最初に依頼したのはブランド名です。そんなもん不要だろとか言わないでください、雰囲気づくりは大事です。

宇宙すき。


架空の花のイメージ画像を作成

 Geminiはブランド名の案を4つ出してくれました。タグラインも一緒に出してくれるのは有能ですね! ここはラテン語一択です。続けてブランドに合う花の案を依頼します。

ラテン語は厨二心をくすぐります

 これまた4つの案が出てきましたので、イメージ画像をGeminiに依頼します。

提案からイメージ画像の出力を依頼
『銀河の結晶花』イメージ図
これ無理ゾ

……ちょっと刺繍じゃ再現不可能な画像をお出しされました。

手刺繍に限定する

 私の腕前以前の問題なので使う材料を限定してデザインを再考してもらったところ、出力が文章に逆戻りしました。どうやら「文脈から分かってくれるやろ」と無意識のうちに言葉を端折ったのが原因のようです。

突然の文章化
再度イメージ画像を要求

 文章を読む限り何とかなりそうな感じでしたので改めてイメージ画像と刺繍指示をGeminiに依頼。

何でやねん!?

 えええええ!? ここで拒否!? さっきは画像くれたのに!?

 Geminiが画像出力完全拒否の構えを崩さないので、ここは同じGoogleのAI Studioの助けを借りることに。AI Studioに渡す画像生成プロンプトは素直に出力してくれました。

 選んだのは『銀河の結晶花』。最初の画像こそアレでしたが、鉱物もけっこう好きなのです。

『銀河の結晶花』のデザイン案
プロンプトは英文で出力される

 プロンプトをAI Studioに渡した結果がこちら。

これ無理ゾ(2回目)

……すっごく可愛いんですが、初心者がブローチのサイズで刺繍するのは無理ゲーじゃないでしょうか。あと結晶っぽさが無くなってる。


イメージ画像のチューニング

めっちゃ注文が多い初心者

 そこでGeminiにプロンプトの修正を依頼。改めてAI Studioにプロンプトを渡します。

これ無理ゾ(3回目)

 最初のイメージ画像より悪化してるんですが!!

 気を取り直してもう一度Geminiにプロンプトの修正を依頼します。

めっちゃ文句言う初心者
あのさぁ……(結晶らしさ皆無)

 別方向に悪化しました。もしやGemini側が結晶構造の何たるかを学習していないのでは、という疑問を抱く私。そこで、Geminiに結晶構造を調べるよう指示を出しました。

結晶構造から学んできてくださいお願いします

 するとリサーチ計画とやらが提案され、了承してしばらく経つと何やら外部ファイルらしきものがお出しされました。

なんかファイルが出力された
この出力結果は予想だにしていなかった

 うわぁ……論文だぁ……(思考放棄)。



刺繍指示書の作成

刺繍指示書(初稿)の出力

あとはお願いします(丸投げ)

 先程の論文を基に「結晶系は明確にしろ」と釘を刺したうえで刺繍指示書を作成するよう指示しました。ちゃんと学習したかどうか文章で確認しようってわけです。

刺繍指示書の一部

 出力された指示書には具体的な結晶系についての言及があります。Geminiくん、合格!


下絵の作成

白黒なら大丈夫でしょ(不安)

 ここで閃いたのがイメージ画像ではなく刺繍の下絵(白黒)を作成してもらうこと。カラーだとまたもやヘンな図を提示されそうですからね……。その点、下絵なら刺繍指示書から大きく外れはしないだろう、という思いつきです。

 さっそく出力してもらったプロンプトをAI Studioに渡しました。

これ無理ゾ(4回目)

 今まででイチバン良い画像をお出しされましたが、初心者が直径5cmに収めるのは無理じゃないでしょうかね……?

デフォルメ化を依頼

 というわけで線を減らしてもらいます。

まぁまぁ現実的になってきた

 華やかさは多少損なわれたものの、私が自力で刺繍できそうなレベルの下絵が完成しました。

配色の決定

下絵を添付して配色を依頼

 次は各パーツの配色です。Geminiに完成した下絵を渡して配色を依頼します。

ちゃんとパーツごとに項目が分かれてる

 刺繍糸の色番レベルできちんと配色してくれました。改めてプロンプトを提示してもらいます。

……なんでカタチが違うの?
しかも花弁が1枚増えてる

 AI Studioが出してきた配色図はなぜか下絵とかけ離れた形状になってしまいました。まぁ大まかなイメージは掴めるので問題ないでしょう。


刺繍指示書のチューニング

刺繍指示書(第二稿)の出力を指示

 下絵と配色図から刺繍指示書の第二稿を出力するようGeminiに依頼します。配色指定の文章にはDMC社の刺繍糸の品番が書かれていましたから、買うべき刺繍糸の一覧もついでにお願いしておきましょう。

出力された刺繍糸の一覧

 この一覧を持って新宿のオカダヤに行ったのですが、パールコットン8番の3840がどうしても見つかりません。嫌な予感がするのでGeminiに「ホントにパールコットン8番の3840は存在すんの?」と訊いてみました。

フザケンナ!
(自分の誤字は棚に上げる)

 無いのかよ!!!!

 そうか……これがハルシネーションってやつか……。

 代替として指定された823の色が3840の色とかけ離れていたのもあり、すべての刺繍糸の色名を再チェックするようGeminiに指示しました。

色名を再チェックさせる
やっぱり間違ってるじゃないか!

 案の定、青系統が壊滅的でした。青の花弁の配色で指示されている刺繍糸が実際には軒並み水色系統だったのです。Geminiに刺繍糸の再指定と刺繍指示書の最終チューニングを依頼する羽目になりました。



刺繍ブローチの制作

 ようやく刺繍指示書が完成しましたので、いよいよ製作に入ります。

図案を布に写す

直径5センチの円に収まるサイズにした下絵をPDF化

 まずは下絵のサイズを調整してプリントアウトし、紺の綿シーチングに図案を写します。

 紺リネンを使いたくはあったのですが、手元にあるリネンだと小さい結晶面を刺すのが難しそうなので布地を変更しました。

み、見えない……

……なんで私はチャコペーパーとトレーサーを上手く使えないんだろう。

白のチャコペンで線をなぞる

 仕方ないので白のチャコペンを使って線をなぞり直しました。実際に布に図案を写してみて判ったのですが、あの下絵でもまだ結晶面の分割が細かすぎました。よってこの段階で線の省略を実施しています。


結晶面を刺繍する

 まずすべての輪郭線をアウトラインステッチします。紺地に濃い灰色の糸で刺繍するのは非常にやりづらかったです……。

 次に結晶面のステッチ。刺繍指示書ではすべてサテンステッチが指定されています。結晶であることを考慮した結果、縦長の面はロングアンドショートステッチのほうが適切だと判断しました。

 サテンステッチもロングアンドショートステッチも下手くそなんですけどね……。

面を埋め終わったところ


花の中心を刺繍する

 花の中心は6本取りのチェーンステッチとされています。

花の中心に関する記述

 中心に向けて色を濃くせよ、と言われても2色じゃさすがに厳しいことに気づきました(今更)。Geminiに疑問を呈してみます。

さすがに糸の種類は増やしたくなかった
なんかとんでもないのが出てきた

――ちょっと予想外の色数になったんですが。

流石に現状を訴えてみる

 いくらなんでも非現実的だと思ったので、結晶面を埋めたあとの写真をGeminiに提出。

渦の内側をサテンステッチで埋めるってなに!?

 Geminiもチェーンステッチで7色グラデーションは無理だと判断してくれましたが、「チェーンステッチで定義した輪郭をサテンステッチで埋めるつもりだった」とか言い出しました。なにそれ初耳なんですけど!

ぜんぜん想像できないので訊いてみる

 さすがに意味不明なのでイメージ図を出してもらうことに。

これ無理ゾ(5回目)
Geminiがサテンステッチの定義を
学習しているか疑わしくなってきた

 あのぅ、これ本当にサテンステッチですか?

 思わず疑問を呈したらGeminiが方針変更。渦ではなく色帯になりました。

Geminiお前渦を諦めたのか
やっと現実的な内容になってきた

 中心部のサイズ情報を提供したら7色も断念し4色に変更。さっそく指示書に従い外周を刺してみたのですが――。

こ無ゾ(6回目)

 あ、これ以上は無理だわ。

 刺繍指示書によると花の中心はサテンステッチの上から透明またはシルバーのビーズを縫いつけることになっています。もうビーズを縫いつけるのか先にサテンステッチを施すのかをGeminiに訊いてみます。

外周が6本取りチェーンステッチのままだったのが敗因
サテンステッチはどうしても外せないのね

 いちばん濃い色の部分のサテンステッチは残せとのことです。指定の色の糸を1本ずつ抜いて2本取りサテンステッチを施しました。

なんか目玉みたいだな



ビーズの縫い付けと完成

 刺繍の最後の工程は花の中心と周囲にビーズを縫い付けることです。オーロラ加工の特小ビーズがあったのでフィラガンの透明糸を使って縫いつけました。

花弁が直径5cmの範囲からはみ出しそう

 花の周囲に散らすビーズはもっと多くすべきでしたができませんでした。花のサイズがブローチの直径ギリギリだったので、下手な位置に縫い付けて範囲外に出ることを恐れたからです。

 刺繍した布地を円形に整え、裏地と金具を付けたら完成です!

銀河の結晶花ブローチ

 やはりステッチの粗さが目立ちますが、何とかここまでこぎ着けることができて嬉しい。

 しかし、まだ終わったわけではありません。



Geminiへのフィードバック

 完成した刺繍ブローチの写真をGeminiに渡して反省点を提出させます。ようはGeminiに手刺繍の図案作成を学習させるわけですね。

Geminiへのフィードバック

 Geminiが挙げた今後の注意事項のうち、主なものを挙げてみます。

  • 下絵の簡略化

  • 形状に応じたステッチ

  • 配色とグラデーションの現実的な限界を明確にする

  • 刺繍糸の「正確な情報」を徹底的に確認する(存在確認、 公式色名)

 さて、学習結果を確認しましょう。Geminiが最初に出してくれた4つのアイデアのうち、『銀河の結晶花』以外の花の下絵を出してもらいます。

Geminiが奇跡的に出力した
『未知惑星の地底花』イメージ図

 さて結果は……。

AI Studioが出力した下絵

 俺たちの戦いはこれからだ!



ご紹介ありがとうございます!


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