見出し画像

読書日記「4選」

『よるのばけもの』住野よる著

実はまだ読んでいなかったので、期間限定カバーの時期に購入し読ませて頂いた。デビュー作『君の膵臓をたべたい』:2015年、『また、同じ夢を見ていた』2017年に続き、三作品目に発表されたのが『よるのばけもの』2017年。集団心理の怖さについて住野よる先生が警鐘を鳴らした作品。
集団のなかで「空気を読む」ことが正義になっていく怖さが静かに描かれていた。ラストの選択によって主人公がその後どうなったのかは、読者に委ねられている。


『爪と目』藤野可織著 

冒頭の文引用「はじめてあなたと関係を持った日、帰り際になって父は「君とは結婚できない」と言った。あなはた驚いて「はあ」と返した。

この文章で「あなた」とは誰のこと?語り手は一体誰?子供?或いは?様々な疑問の渦に巻き込まれながら読み進めた。
描かれているのは、ごく限られた家庭内の出来事。でも、それは皮膚の下を這うように、静かで、しかし確実に読む者の内側をざらつかせる。読み終えたときに残ったものは、「日常の中に潜む、闇」だった。


『ルビンの壺が割れた』宿野かほる著

これはまゆ♪さんの記事にて「感動を味わいたい方にはオススメしません」と紹介があった。そう言われると覗いてみたくなるのが心情だ。
読み始めは、FBを介した昔の恋人同士の往復書簡──美しいノスタルジーが漂う。読み始めたら止まらず一気に読んでしまった。
主人公水谷のパーソナリティに凍り付いた。
読後は「まさか!」と言わざるを得なかった。
小説のラストにあのような一文がくるとは、見たことがない。


『裸の王様』開高健著

「裸の王様」の主人公は、「僕」という語り手で、画塾を経営する絵の先生が、小学校教師の山口から面倒を見て欲しいと頼まれた「太郎」の物語。
「太郎」の父は画材会社社長の大田。太郎は無関心な父と過干渉な義母によって抑圧されて育っていた。引用「何ヶ月かまえの太郎は完全に窒息していたのだ」という状況から徐々に太郎は変化をし、自分の意思で絵を描けるようになっていく。語りである僕が太郎の母が編み物をする姿を「あきらかに夫人は編んでいるのでなく、殺しているのだった」と表現しているところに後妻として突然若くして母親になった夫人の孤独さも浮かぶ。昭和33年にして、開高健は教育に必要なものが何なのかを悟り作中で訴えていたところに天才の驚異的な先見の明を感じた。

抜粋「ぼくは話をしながら彼の眼のなかの明暗や濃淡をさぐって、何度もそうした交感の瞬間を味わった。(中略)彼らから旅券を発行してもらったのだ。(中略)そのひとりひとりがぼくにむかって自分専用の言葉、像、まなざし、表情を送ってよこす。その暗号を解して、たくみに使いわけなければ僕は旅行できないのだ。

ひとりひとりの子供との関わり方について
語りである「僕」の持論です
「裸の王様」開高健著

まさに今の時代に、文部科学省が各校に求めている「個別最適化」の学びの先駆け的な思考に感嘆を禁じ得なかった。お薦め頂き感謝しています。なぜ今まで読んでいなかったのか不思議・・・。


見出し写真にないものはkindle版で読みました。一部有料でないと読めない本もあります。

Kindleの月額読み放題サービス
月額980円(税込)で対象の500万冊以上の電子書籍が読み放題
Amazonにアカウントがあれば誰でも利用できます。


教科書📘なのか
推し活なのか
ようやく三歩ちゃんを購入
他の方のお薦めを読むのは
世界が広がる感じがします♪