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ジャンク債と日本と海外の評価方法の違い


 先日、外国の本に「日本の債券インデックスファンドにはジャンク債が入っていると書かれているが大丈夫か」との質問を受けました。その本がどういった本でどのようなことが書かれていたのか正確な記載はありませんでしたが、この話は海外の投資家からも聞くことがあります。
 この記事では、海外投資家が日本の債券インデックスを「ジャンク債」と呼ぶ理由と日本の債券市場の状況について解説します。

ジャンク債とは

 まず、ジャンク債の定義について確認しておきましょう。格付けの基準では、BBB以上の格付けを持つ債券は「投資適格債券」、BB以下の格付けは「投機的格付け」、いわゆるジャンク債と呼ばれます。

ジャンク債
格付け機関によって、一定水準以下(通常は「BB格」以下)の「投機的」格付けとされた債券。ハイ・イールド債ともいう。信用力が低いために利回りは比較的高いものの、デフォルト(債務不履行)の可能性が高いこと等から流動性が限られ、価格変動が大きいという性質を有する。

企業年金連合会HP

 主な格付け機関としては以下の4社があります。JCR(日本格付研究所)とR&I(格付投資情報センター)はどちらも日本の格付け機関です。

  • S&P

  • ムーディーズ

  • JCR(日本格付研究所)

  • R&I(格付投資情報センター)

 日本の債券インデックスファンドは、これらの格付け機関の評価をもとに運用されています。例えば、「野村ボンドプライスインデックス(野村BPI)」では、これらの4社のうち1社でもBBB以上の評価があれば、その債券を投資適格債券として扱います。

格付け会社の評価も信用できないと思う方もいるかもしれません。しかし、自分で分析が難しいのであれば、格付けを1つの参考にするのは合理的です。

米国債投資と保有に関する質問と回答

海外投資家が「ジャンク債」と判断する理由

 海外の投資家(特にアメリカやヨーロッパの投資家)は、多くの場合、S&Pやムーディーズの格付けを基準に投資判断を行います。このため、S&PやムーディーズがBB以下の格付けを付けている債券が日本のインデックスに含まれている場合、「これはジャンク債だ」と見なされます。一方、日本ではJCRやR&Iの格付けを加味し、投資適格債として扱う場合もあるため、評価基準が異なることで認識の違いが生じます。

 例えば、S&Pやムーディーズが「BBB(投機的格付け)」と評価している債券でも、JCRやR&Iが「BB以上」と評価していれば、野村BPIでは投資適格債券として分類されます。これが海外投資家の視点から「ジャンク債がインデックスに含まれている」と見られる理由です。

欧米基準の押し付けと格付けの違い

 このような格付けの違いは、単に評価基準が異なるからであり、日本独自の基準が間違っているわけではありません。ただし、欧米では自国の格付け基準を「スタンダード」として扱う傾向があり、それに基づいて他国の債券を評価することがよくあります。

 例えば、アメリカ国債の評価を見ると、S&Pは「AA+」、ムーディーズは「AAA」と格付けしており、同じ国の債券でも評価が異なることがあります。このため、評価基準の違いが存在するのは当然であり、海外投資家が日本の基準を批判するのは一種の押し付けとも言えます。

債券インデックスファンドへの影響

 海外投資家が日本の債券インデックスを「ジャンク債」と呼ぶことに対し、日本の投資家が大きく気にする必要はないでしょう。そもそも、こうしたインデックスは国内市場向けに設計されており、日本の基準で評価されています。

 ただし、海外で資金調達を行う企業にとっては、S&Pやムーディーズの評価が重要です。これらの格付けが低いと、海外市場での資金調達コストが上昇する可能性があるため、企業は欧米基準を無視できません。一方で、国内の債券市場における運用や投資では、国内基準を基にした判断が主流です。

日本の債券市場と海外投資家の存在感

 日本の債券市場で最も大きなセクターは国債市場ですが、外国人投資家の保有比率は約13.5%に留まっています。日銀が約47.9%、生命保険会社が約16.5%を保有しており、国内市場での取引が中心となっています。

 一部の外国人投資家は、中短期ゾーンで国債を購入しますが、これには流動性確保や通貨分散の目的が含まれています。長期ゾーンでは年金基金などが中心で、海外の投資家が積極的に関与する割合は低いです。また、社債市場における外国人投資家の存在感はさらに薄く、日本の低金利政策が長期間続いていることが背景にあります。

総括

 海外投資家が日本の債券インデックスを「ジャンク債」扱いするのは、評価基準の違いによるものです。国内投資家としては、日本の基準に基づいて投資判断を行えば問題はありません。ただし、海外基準を気にせざるを得ない企業も存在するため、視点の違いを理解することが重要です。
 低金利政策が続く中、日本の債券市場が国際的なマーケットとして発展するのは難しい現状ですが、引き続き国内市場を中心にした安定運用が求められるでしょう。


ご参考

 海外と日本ではM&Aのアプローチに違いがあります。メリットもデメリットもありますが、ビジネスの実態が異なるわけです。ビジネスが異なるため、当然に会計基準も異なることになります。

海外と日本のM&A事情の違い(GoogleのYouTube買収の振り返り)


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