字が書けない劣等感と「脳の仕組み」|薬屋店主のおくすり箱
はじめに
※ この記事は、かつてのわたしのように、
『うちの子、何かが違うかも』と、1人で悩んでいるお母さんに向けて書いています。
前作 幼稚園に行けなかった私が【「黄緑の顔」を描いた理由】を読んで下さった方、ありがとうございました。
私は子どもの頃から、絵や字を書くことが苦手で、色々な場面で恥ずかしい思いを経験してきました。
今は、薬店店長になっていますが、この仕事に就くまでは、「学ぶ」ということに強烈な劣等感を抱え、勉学を全て投げ出して生きてきました。
学校生活を終え、仕事に就くまでの30歳くらいまでは、必要最低限の場面でしかペンを握らない・・そんな状況でした。
勉学を投げ捨てた私が、コツコツと努力を重ね、今、やっと『誰かのお役に立てるのではないか?』と感じれる自分になり、私のようなお悩みを持つ方にエールを届けられたらいいなと思い、
日々、noteの作成に至っています。
自分の過去を振り返り、学びました。
私の経験が、誰かに届きますように。
1.「もっと頑張りなさい」と言われ続けた子どものその後
私は、子どもの頃から「絵や字を書くことが苦手」でした。
その症状は今でも継続中で、仕事中、人前で領収書などを書くと手が震え、心が落ち着かず文字がうまく書けません。
そんな状態ですから、今では必要な「文字を書く仕事」は、人が居ない間に出来るだけ準備をしておくように対処しています。
大人になっても「字を書く」作業は、色々な場面で訪れます。
その度に、子どもの頃の記憶が蘇り、習い事もろくに出来なかった家庭環境を恨んだりしてきました。
私は、自分のできないことを、親や家庭環境のせいにして、
自分の欠損を少しでも和らげようとしていたのかもしれません。
今の仕事に就き、自分の日々の身体の不調がどこから来ているのか?模索した時期がありました。
その時気付いたのは、『身体の不調は、生き方、考え方が強く影響している」ということ。
そして、「その影響を及ぼしている生き方とは何か?」を考えた時、たどり着いたのが『発達障害』でした。
幼少期から怒られ続けてきた人は、
無意識に身体に力を入れる生活をし、身体の脱力が出来なくなってきます。(過緊張)
身体に力が入り続けると、脳は血流が低下し、
なんとなくだるいや、気力の低下を起こしたりし、さまざまな不調に繋がります。
「動きたいけど、身体が動かない」
そういったお客様を薬屋でたくさん見てきました。
みなさん、お話をお聞きすると共通するのは、
『子どもの頃から頑張りすぎている人』
親や周りの人から「もっと頑張れ」「努力が足りない」と、根性論を唱えられた人は、周りの期待に答えようと頑張りすぎてしまう傾向があります。
それは、時に、歯を食いしばり、全身が脱力しないように無意識に力を入れ、気合いで生活してしまいます。
当店に来てくださるお客様のほとんどが、この『子どもの頃からの呪縛』に縛られ、自分に鞭を打って、頑張りすぎた結果、身体が疲弊した状態で来られます。
発達の特性を持たれると、他人より多くの我慢や努力を求められます。
だけど、その我慢の結果が、体調不良に繋がっているとは思わないでしょう。
今日は、どうぞ『今まで頑張り抜いてきたんだから、頑張らなくていいよ』とご自分や家族に伝えてあげてくださいね。
2. 幼稚園に行けなかった子に実際何が起きるのか
私は幼少時、幼稚園に通える環境がなく、いきなり小学生になった『無園児』でした。
無園児とは、幼稚園や保育園に通っていない子どものことです。
※※ 無園児のリスク※※
①社会性の発達の遅れ
ー 集団ルールがわからない: 順番を待つ、道具を貸し借りする、集団での決まりを守るといった社会的なマナーやルールを学ぶ機会が少ない
ー 対人関係の学び不足: 同年代との関わりがなく、喧嘩の仲直りや協力作業の経験が不足する。
※※ ②. 小1プロブレム(小学校適応困難)※※
ー 環境変化の戸惑い:「座って話を聞く」「時間割対応」などの習慣が身についていない
ー 学習習慣の差:工作、遊びを通じた好奇心刺激の不足。学ぶ意欲に差が出る
法的な義務違反はないのですが、経験者の私からすると『デメリットが多い』状況だと思います。
生きていくことは、社会と繋がること。
私達は、社会と繋がらずに生きていくことは困難です。
生涯ずっと、部屋で1人で生きていくことは難しい。
だからこそ、社会を、学ぶ経験がないまま小学校に入ることで、周りのみんなから学習面だけでなく生活面でも浮いてしまいます。
私は、その後いじめも経験し、幼稚園に行かずに学校生活に突入してしまった事を、
「みんなとは違う自分」として刷り込んでしまい、今でも自分の心が奥底に引っ込んでいく感覚があります。
ただ、私が経験した「となりのトトロ」に出てくるような毎日も、
今振り返れば、自由で豊かな経験でした。
よろしければ、となりのトトロの世界で育った私の話を読んでみてください↓↓
3. 絵や字が苦手な子の脳の中で、本当は何が起きている?
①なぜ「黄緑色の顔」になったのか。
私は、発達障害の勉強を始めて初めて知ったディスグラフィア。
正式には、『限局性学習症』というグループの中にある『書字表出の障害』というものになります。
・限局性とは、全体的な知的発達には遅れがないけれど、特定の分野だけ(読み・書き・計算のどれか)」に困難がある、という意味です。
正直に申しますと、私は読み・書き・計算3つとも、今でも苦手意識があります。
書字表出(しょじひょうしゅつ):
「字を書くこと」や「文章で表現すること」を指します。私は、文字や絵を見たままに書くことが苦手、そして文章を書いていると、どくどくな文章の癖が出ます。
ですので、文章を書くときは、頭の中で言葉を音声にし、再生しながら文章を書き、
回りくどい表現になっていないか?
文章を読む上で、テンポよく読み進めていけるかを、何度も頭の中でチェックするようにしています。
では、なぜ脳が「見たもの」を「見たままで書けないのか」?
これは、「頭では正しく見えているのに、出力する際に脳からの指令が手にうまく伝わらない」といった事が起きています。
① 見たままを脳がキャッチするのが苦手(視知覚の問題)
これは、脳が形を捉える際に、線の長さ、角度、重なり具合などを正確に処理するのが難しいパターン。
絵の場合: モデル(実物)を見て描いても、パーツの配置がバラバラになったり、大きさが極端に変わったりします。
文字の場合: 「わ」と「ね」の区別がつきにくかったり、漢字の「へん」と「つくり」が離れすぎてしまったりします。
②「見たまま」を描き出す連携が苦手(目と手の協調運動の問題)
「見た形」は理解できているのに、「その通りに手を動かせ」という脳からの指令が、指先に伝わる途中でズレてしまうパターン。
絵の場合: 「ここに真っ直ぐな線を引きたい」と思っているのに、手が震えたり、線が曲がったり、思ったところで止まれなかったりします。
文字の場合: 筆圧が強すぎて手がすぐ疲れたり、逆に弱すぎて線がかすれたりします。

視覚認知の問題: 発達障害を持つ方の中には、『視覚の問題』を抱えている人もいて、色のコントラストや輝度に非常に敏感な方がいます。そういった問題を抱えられている方ですと、肌の色を「肌色」という概念で捉えるのではなく、光が当たっている部分の「明るさ」や「鮮やかさ」を脳が強くキャッチし、それを表現しようとした結果、自分にとって一番しっくりきた色が他の人と違うといった人もいます。
ちなみに私は、色の見え方には疑問を感じたことがないので、おそらく衝動的に『自分の目に入った1番気に入った色』の黄緑で自分の顔を描いたため、人とは違う似顔絵が出来てしまったのだと思います。
また、無園児であったため、小さな頃から絵を描くことすら、周りとしてこなかったため、
「人の顔が肌色」という常識的なことを理解できていなかったのだと思います。
幼稚園に通って、同世代の子どもだちと学ぶことが出来ていたら、起こらなかった出来事かもしれません。
4. 薬屋になった私が伝えたいこと
今回は、長年私が苦しんできた『ディスグラフィア』について書いていきました。
子どもの頃から「なんで自分だけ絵も字もみんなと同じように書けないのか」
とずいぶん長い間悩んできました。
一生懸命書いても「ちゃんと書け!」と怒られる。
努力をしても、人の何倍も練習しても、
見本通りに書けない。
周りに笑われたり、馬鹿にされたりするうちに、私は「自分は何をやっても無理!!」と思うようになり、思春期には全ての勉強を投げました。
『限局性学習症』という問題から、自分自身の存在否定に繋がるような出来事を繰り返し、悪循環のループにハマりました。
これは、定型発達の人や、当たり前に生きてきた人には理解出来ない世界だと思うのです。
そんなの気にすぎと言われたり、
やったらいずれ出来るようになるとか、
「そんな事ができるならやっとる!!」と思うのです。
やってもどうにもならないから、苦しんでいるのです。
私は当事者なので、苦しみがよく分かります。
5.「悩んでるママへのラブレター」
今、子育てでお悩みのお母さん。
子どもさんは、大丈夫です!
でも、見ているとイライラしてくるでしょう?
私も自分が子育てをしていた頃は、自分の経験を棚に上げて、子どもに怒りまくっていました。
でもね、怒ってもどうにもならない、むしろ脳は不快を感じたら、拒否反応を起こします。
不快に感じることはやりたくない。
これは脳の働きであって、そして自分を守るための大事な反応であって
子どもさんの性格や怠けではありません。
少しの間、苦手なことから目を背けて
お子さんの良いとこだけを見つけて、とことんやらせてあげませんか?
そうすることで、お子さんが何が好きなのか?
何が伸びていくか?が
きっと見えてきますよ!
好きを貫け!!好きこそものの上手なれ
私は子育てを頑張るママさんを心より応援しております。
そして、行き詰まった子どもさんを、
誰よりも応援しております。

※ディスグラフィアは医学的診断名。気になる場合は専門医受診を
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記事を読んでくださり感謝いたします。不器用な両親のこと、ヤングケアラーだった過去。そして現在はシングルマザー。その失敗の全てを「武器」に変えて、今を生きる誰かの力になりたいと願っています。頂いたお気持ちは、発達障害などの 学びを深めるための教材費として大切に使わせていただきます。