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【子育てエッセイ】#24 未来の可能性まで閉じてしまわないように

子どもを見ていると、

ときどきハッとさせられる瞬間がある。


それは、「これ、なんだろう?」と、

ほとんど迷いなく一歩を踏み出す姿だ。


気になるものがあれば触ってみる。

やってみたいと思ったら、
とりあえずやってみる。

うまくいくかどうかよりも前に、
好奇心が身体を動かしている。


この「気になることをやってみる」という姿勢を、
できるだけ長く持ち続けられるようにしてあげたい。

それが、親としての率直な願いだ。



成長するにつれて、

人は少しずつ「経験」を溜めていく。


経験が増えること自体は、

もちろん悪いことではない。


ただ、その経験が、

いつの間にかブレーキにもなっていく。


「これは前にうまくできなかった」

「これ、やったことあるけど好きじゃなかった」

そんな情報が、自分の中に静かに蓄積されていく。


気づけば、新しい一歩を踏み出す前に、

頭の中で結論が出てしまうこともたくさんある。


「たぶん、今回も同じだろう」って。




もちろん、すべてを無条件に

「またやってみる」ことがいいわけではない。


アレルギー反応を起こすものや、

明確に危険なものについては、

慎重になる必要がある。


それは、子どもでも大人でも同じだ。



でも、それ以外の多くのことは、

「もう一度やってみる価値」が
わりとあるのではないかと思う。


それは、たとえば

「馴染みのある場所に、
 いつもと違うルートで行ってみる」とか、

「同じ場所に、違う仲間と行ってみる」とか、

そういう感覚と少し似ているのかもしれない。


目的地は同じでも、

道が変われば、見える景色は変わる。


一緒にいる人が変われば、

交わされる言葉も、感じる空気も変わる。


結果として、

けっこう違う体験になることも多い。



人も同じで、当時とは年齢も、

環境も、心の状態も違う。


「前は合わなかった」という記憶が、

そのまま “今の自分” に当てはまるとは限らない。



“自分” をある程度、確立していくことは大切だ。


でも同時に、“自分” を確立し過ぎないことも、

同じくらい大切なのではないかと思う。


私はこういう人間だから。

これは向いていないタイプだから。


そうやって自分を守る言葉が、

未来の可能性まで閉じてしまわないように。


子どもには、

そして自分自身にも、


「気になるなら、もう一度やってみてもいい」

「うまくいかなくたっていいじゃない」


そんな余白を、そっと残しておきたい。






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