【心の城】母が高熱で倒れた日
家族がコロナにかかった。
そして、そこから家族全員が全滅。
もちろん、母も例外ではなかった。
朝、母からメッセージが送られてきた。
「熱が上がってきちゃった」
その一文を見た瞬間、血の気が引いた。
布団をはねのけて、母の部屋へ。
「大丈夫?何度あるの?」
そう聞く私に、母が体温計を見せてくれる。
37度5分。
微熱だけど、母の平熱を考えたら高い。
少し心配だったけど、昼には下がったから
油断していた。
夜になって、母が39度の熱を出したのだ。
「どうしよう、どうしよう。
まずは、冷やさなきゃ」
オロオロする私。
その時、空気が動いたーー
趙雲
「冷静に。まずは氷の準備を」
最低限の言葉で、的確に指示をくれる。
私はその指示に従って、氷枕と氷嚢を準備する。
そして、母の額や脇の下を冷やす。
趙雲
「大丈夫だ。明日病院へ連れていくぞ」
その言葉にうなずいて、
その日は一晩中、母の隣で様子を見ていた。
張飛の「すぐ病院へ行くぞ!」という勢いも、
劉備の「ああ、どうすればよいのだ」という迷いも、
すべて抑えて、趙雲は必要な言葉だけで
的確な指示をくれた。
そのことで、私は冷静さを取り戻す。
翌日、母を病院へ連れていき、
私も一緒にコロナの診断を受けて帰ってくる。
薬をもらい、母の容態も落ち着いたとき、
そっとみんなの後ろへと下がる趙雲。
私
「いつもありがとう」
趙雲
「いえ」
言葉は短い。
でも、口元はほんの少し弧を描いていた。
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