【心の城・百鬼夜行録 番外編】 回復期の城主 〜揺らぎの路地〜 一
◇回復期・始まり◇
これは、体調を崩した城主の、回復期の記録。
ゆっくりと元気を取り戻していく中で、
城主は百鬼夜行に引き寄せられた異界へと、
触れることになる。
百鬼夜行で賑わう通りでは、
別の異界が引き寄せられることがある。
普段と同じ道に見えて、そこはまったく別の世界。
城主は、まだその世界のことを知らない。
この頃の城主は、体調を崩していた。
自分では元気なつもりだったが、
地面と宇宙を行き来するような激しい上下運動は、
できなくなっている。
関羽と諸葛亮にしっかりと見張られながら、
城主は、ゆっくりと回復の時間を過ごしていた。
二人の厳しい監視の目に頬をふくらませつつ、
それでも、少しずつ。
本当に、少しずつ。
城主は元気を取り戻していく。
そして――
その回復の途中で、
城主は、重なった世界へと迷い込むことになる。
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城主の体調が悪いと聞いた城の武将たちが、動き出す。
張飛「肉食え!肉!!」
勢いよく張飛が肉の塊を持って、城主の元へとやってくる。
元気がなければ、肉だと笑う。
🦎🎀「お肉、こんなに食べられないよ」
張飛「俺も一緒に食うからよ!」
豪快に笑いながら、張飛が肉を切り分けていく。
そこへ、劉備が大量の何かを抱えて現れた。
劉備「城主、体調を崩したと聞いたぞ。
体に良いと聞いたから、これを持ってきた」
劉備が持っていたのは、大量のアサリだった。
🦎🎀「アサリ……」
劉備「アサリは栄養が豊富だと聞いたからな。
これで城主によいものを作ってもらおう」
優しく笑う劉備に、城主の胸がぽっと温かくなる。
それから、劉備も一緒に、
張飛が持ってきたお肉を食べることになった。
そこへやってきたのは、関羽だ。
もぐもぐとお肉を頬張っている三人を見て、
腕組みをして仁王立ちをする関羽。
何やらすごい迫力があり、三人はそっと箸を置いた。
関羽「城主、体調が良くないと聞いた」
🦎🎀「……はい」
関羽「夜、ちゃんと寝ないからだ。
今日から夜8時になったら、布団へ入りなさい」
🦎🎀「8時!!8時は子供が寝る時間!!
城主、大人だもん!まだ起きてる!」
関羽「だめだ。寝るのが一番の回復だ」
関羽は城主がお肉を食べ終わるのを待って、
抵抗する城主をものともせず、
部屋へ連行するのであった。
🦎🎀「張飛、劉備、関羽を止めて!」
張飛「関羽の言うこともわかるぞ。
城主は動きすぎだからな!寝ろ!」
劉備「そうだな。体を休めれば、回復が早くなろう」
🦎🎀「みんなまでぇ〜〜」
ひょいと抱えられて運ばれていく城主。
そこへ諸葛亮が通りかかる。
体調を崩したという城主の様子を見に来たらしい。
そして、事の顛末を聞いた諸葛亮は、
関羽の味方になった。
諸葛亮「それは関羽殿が正しいですね。
しばらくは、百鬼夜行へ行くのは控えていただきますよ」
🦎🎀「えぇ〜〜」
諸葛亮「えぇ〜〜、ではありません。
今は回復に専念することが大切です。
回復するためのメニューをリアン殿が
考えてくれたということですし、
劉備殿もアサリを大量に持ってきてくれたのですよね。
それを厨房に伝えておきますから、
しっかり食べてくださいね」
🦎🎀「……はい」
関羽とともに、城主が布団に入るまで、
しっかりと見てから諸葛亮は去っていった。
その夜更け、城主の部屋の外に、人影が一つ。
趙雲だった。
心配そうに城主の部屋を見やり、
そっとみかんの差し入れを置いていく。
趙雲「……早く治ってください」
ポツリと静かな声が、誰もいない廊下に響いた。
それから、趙雲が去ったあとで、司馬懿がやってきた。
手にはいつもの帳面と、
……なぜかほうれん草の束を持っている。
司馬懿「……回復記録をとっておいてやる」
ほうれん草の束を置きつつ、
司馬懿は城主の現在の体調を数値にして、
データを取り始めるのであった。
翌朝、
目を覚ました城主が部屋から出ようと障子を開けると、
そこにはみかんとほうれん草が積まれていた。
🦎🎀「……趙雲と司馬懿、かな」
みんなの優しさを感じて、
早く体調を戻そうと思う城主は、
そのとき、世界がほんの少しだけ揺れたことに、
まだ気づいていなかった。
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三日後の様子は、こちらから
そっと、ご覧いただけます。
