見出し画像

自分の動きを選ぶ┃じぶんトランサーフィン/第3章:効果的な動き/基本原則②

ヴァヂム・ゼランド著«Трансерфинг себя»(じぶんトランサーフィン/2024年11月発売)のロシア語原書を解説しながら読んでいます。過去記事はイントロ(序章)から順にまとめてあります。はじめから読みたい方はこちらからどうぞ。


※日本語版「セルフ・トランサーフィン(上・下)」2026年4月発売


「基本原則(Базовые принципы)」の後半を読んでいきます。


痛みやトラブルがあるときはそれ専用のエクササイズを(要約)

たくさん運動したいという意欲やモチベーションがあったり、権威ある誰かが多くの回数を行うよう勧めていたとしても、過度に熱心になりすぎてはいけません。効果的ではなくなるからです。消耗させるトレーニングは身体を摩耗(ИЗНАШИВАЮТ)つまり、老化させるのです。

一日の中でできるだけ多く動く必要はありますが、それは均一で、穏やかなペースで行うことです。決して、自分を疲労や消耗の状態まで追い込んではいけません。

脊椎や関節など運動器系に問題がある場合:

背中・腰が痛む場合、最も効果的な方法は、トーマス・ハンナの書籍『老いない技術(Искусство не стареть)』にあるエクササイズだけを行い、それ以外は何もしないことです。本は紙でも電子書籍でもいいですが、イラスト付きのものを探してください。

ドクター・ブブノフスキー(доктор Бубновский)は、エクササイズを掲載した本を数多く出版しています。健康な人(そういう人がいればの話しですが)向けのものも、問題を抱えた人向けのものもあります。自分の問題に合った具体的な本を選び、その本のエクササイズを行ってください。すべて整っていくでしょう。


  • Изматывающие тренировки ИЗНАШИВАЮТ организм, а значит, старят:
    消耗させるトレーニングは身体を摩耗させ、老化を促す

・изматывающие:ひどく疲れさせる、疲弊させる、消耗させる
・изнашивать:服や靴を着古す、機械などを不調になるまで使い古す、摩耗させる

ゼランドは、運動そのものを肯定している一方で、「激しく追い込むこと」をかなりはっきり批判しています。外側の理想像や記録を目指して自分を削る運動は、発達ではなく消耗になる。効果的な動きは、その逆でなければならないということです。

原題:Somatics: Reawakening The Mind's Control Of Movement, Flexibility, And Health by Thomas Hanna(2004)
日本語版:トーマス・ハンナ『ソマティクス』(2023)
※Amazonの書籍紹介に【ボディワーク・メソッドにおける歴史的名著、待望の邦訳!】とあります。

  • доктор Бубновский:ドクター・ブブノフスキー

この章の最初の方で効果的な動きの10原則を紹介した際にも言及されていました。ロシアの著名な整形外科医・リハビリ医で、ロシア語圏では非常によく知られた存在です。
残念ながら日本語で読める書籍はなさそうですが、YouTubeで実際の指導の様子や講義を発信しておられるので、参考にリンクを貼っておきます。とてもエネルギッシュな方で、一見スパルタにも見えるのですが、身体に対する絶大な信頼感を持って指導しているように感じます。

ゼランドは、エネルギー体操だけですべてを解決しようとはしていません。痛みやトラブルがある場合の対処について、具体的な医師名や著書名を挙げ、その問題に合った方法を選ぶよう勧めています。ゼランドらしい現実的なアドバイスです。


興味を持ち、自分に合ったものを選ぶ(要約)

もう一つの効果的な原則があります。体操、エクササイズ、動きというテーマに関心を持ち、学ぶことです。自分に合うもの、自分の魂に響く(по душе)ものを選んでください。体操の種類は数百、エクササイズは数千種類あり、すべてをやり尽くすことなどできません。大切なのは、直感的に、自分のために自分のものを選ぶ(ВЫБИРАТЬ СВОЕ)ことです。私たちはみんな違うのですから。身体は自分に必要なものと不要なものを教えてくれます。ただしそのためには、このテーマを学び(ИЗУЧАТЬ)身体文化に取り組み(ЗАНИМАТЬСЯ физической культурой)、自分の中にこの文化を発達(РАЗВИВАТЬ)させる必要があります。

学ぶときには、どれほど権威ある人であっても100パーセント信じてはいけません。医師については特にそうです。「医師の数だけ意見がある」とはよく言ったものです。100パーセント適切な医師や指導者など存在しません。誰もが自分なりの「こだわり(прибамбасы)」を持っています。

彼らが提供する情報を意識的に(ОСОЗНАННО)学び、フィルターにかけてください。そして、自分なりの観点から正しく、かつ自分に必要で有益なものを、直感的に選んでください(ВЫБИРАЙТЕ ИНТУИТИВНО)。なぜなら、繰り返しますが、私たちはみんな違うからです。健康状態も、体格も、体力レベルも異なります。ある人に役立つものが、別の人には無意味だったり、有害だったりすることもあります。


  • ВЫБИРАТЬ СВОЕ:自分のものを選ぶ

この節のもう一つの大きな柱です。
体操もエクササイズも数え切れないほどあります。だからこそ大切なのは、流行や権威に従うことではなく、自分の身体・体格・健康状態に合うものを選ぶことです。

ゼランドは、その選択を完全に外部へ委ねるのではなく、自分の身体に注意を向け、直感も使いながら行うべきだと言います。

  • «прибамбасы»:こだわり、独自のクセ
    もともとは、服の飾り、装飾的なものを指し、口語的に「奇妙なこだわり」「独特のクセ」という意味で使われるスラングです。

医師や指導者の意見も参考にはなりますが、誰もがそれぞれの経験や考え方という「クセ(прибамбасы)」を持っています。だからこそ、情報は意識的に学び、自分にとって本当に必要なものを選ぶことが重要なのです。

ここでも、主体性が強調されています。

ВЫБИРАТЬ СВОЕ

運動を最優先事項に設定する(要約)

そして最後に、もう一つ、おそらく最も重要な原則をもう一度確認しておきましょう。運動の活動を、自分の存在における最優先事項(В ПЕРВЫЙ ПРИОРИТЕТ)に設定しなければなりません。体操、散歩、身体文化、遊び、フィットネス、スポーツーーあらゆる可能な形でです。なぜなら、食事と同じように、それによって非常に多くのことが左右されるからです。

最優先とは、体操をほかのあらゆる用事より先に、朝一番に行うということです。筋トレは別の時間に行ってもかまいません。筋肉の記憶は二日間保たれるので、少なくとも三日に一度は行うとよいでしょう。朝は、全身発達のためのエクササイズと、エネルギー的なエクササイズを行います。毎日同じではなく、日替わりで異なる一連の動きを行います。動きができるだけ多様に(РАЗНООБРАЗНЫМИ)なるように、身体の中に忘れられた「空白地帯」(забытых «белых пятен»)が残らないようにするためです。


最後に、最も重要な原則が提示されます。

  • двигательную активность следует установить В ПЕРВЫЙ ПРИОРИТЕТ своего существования:
    運動活動を、自分の存在における第一優先に設定する

自分の存在(свое существование)においての最優先とかなり強調しています。

気が向いたときに運動するのではなく、自分の生活構造の最上位に置く。朝いちばんで体操を行う。「運動」を単なる健康習慣ではなく、存在全体を支える優先事項として位置づけるということです。

  • белое пятно:未踏査の地域,空白地点、未調査の問題

直訳すると、白い斑点、白いシミですが、慣用表現として「未開拓の空白地帯」を指します。全身をくまなく発達させるために、動きを多様化せよという記述は、繰り返し強調されている「多様な動き」が必要であることの具体的な理由になっています。

РАЗНООБРАЗНЫЕ движения, чтобы в теле не оставалось забытых «белых пятен».

この節でゼランドは、「効果的な動き」の基本原則を改めて整理しています。前半・後半に分けて読んできた内容をまとめます:

・自分に暴力を振るわない。
・徐々に強度を上げ、楽しみながら、自分の健康のためにトレーニングを続ける。
・音量調節のように、負荷レベルは自分でコントロールする。大切なのは、努力から得られる心地よい感覚。
・過度なトレーニングは体を消耗させ、老化を早める。
・発達に必要なのは強度よりも規則性。
・どんなに権威のある人でも、100%信用してはいけない。
・自分にとって正しいもの、必要で有益なものを、直感的に選ぶ。
・体の「空白地帯」をなくすために、日によって異なるエクササイズを取り入れる。

次回は、トランサーフィンにおいてなぜこんなに「効果的な動き」を重視するのか、理論編の総まとめとなる節を読んでいきます。


ニュースレターでは、タフティについての著者インタビューを配信しております。
ご興味のある方はぜひご登録ください。(バックナンバーも読めます)



Источники картинок:


いいなと思ったら応援しよう!