【詩的で宗教的な調べ】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事では曲集「詩的で宗教的な調べ S.173」を紹介します。
詩的で宗教的な調べ S.173
リストの重要な曲集。ラマルティーヌの同名の詩集にインスパイアされて。カロリーネ・ザイン=ヴィトゲンシュタイン侯爵夫人へ献呈。第2番は1840年に作られ、それ以外は1845年から1852年にかけて作られた。1853年初版。
第1番 祈り S.173/1
初稿「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第1番 喚起 (祈り) S.172a/1」より若々しさがある。
演奏はアルフレート・ブレンデル。
第2番 アヴェ・マリア S.173/2
元々は合唱曲。S.172aの時点では曲集に含まれず。
演奏はアルド・チッコリーニ。
第3番 孤独の中の神の祝福 S.173/3
単独で取り上げられることも多い傑作。付加6度和音がメシアンの宗教関連曲を予見している。「詩的で宗教的な前奏と調べ 第1番 前奏曲 S.171d/1」が初稿、「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第11番 祝福 S.172a/11」が第2稿となる。
演奏はクラウディオ・アラウ。
第4番 死者の追憶 S.173/4
聖歌「深き淵より」の旋律を引用している作品。単独曲「詩的で宗教的な調べ S.154」が初稿、「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第8番 死者の言葉 - 深き淵より S.172a/8」が第2稿となる。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。
第5番 主の祈り S.173/5
合唱曲もあり。タイトルは原語をカタカナでそのまま「パーテル・ノステル」とすることもある。「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第6番 主の祈り (教会プサルモディアによる) S.172a/6」が初稿。
演奏はジェルジ・シェベーク。
第6番 眠りから覚めた御子への讃歌 S.173/6
合唱曲もあり。「眠りから覚めた御子への祈り S.171c」が初稿、「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第7番 眠りから覚めた御子への讃歌 S.172a/7」が第2稿。
演奏はミヒャエル・コルスティック。
第7番 葬送曲 S.173/7
単独で取り上げられることも多い。S.172aの時点では曲集に含まれず。サブタイトルは「1849年10月」。このサブタイトルはショパンの没年と重なり、ショパンの英雄ポロネーズと類似する部分があるため「ショパンを悼んで書かれた」と勘違いされがちだが、実際はハンガリーの革命の失敗で処刑された人々への追悼曲。リストの知人も処刑された人々のなかに多く含まれていた。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。
第8番 パレストリーナによるミゼレーレ S.173/8
リストがパレストリーナの作品としてシスティーナ礼拝堂で聴いた「ミゼレーレ」をアルペジオやトレモロで装飾したもの。しかし実際この曲はパレストリーナとは関係が無いとのこと。「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第5番 ミゼレーレ S.172a/5」が初稿となる。
演奏はレイフ・オヴェ・アンスネス。
第9番 アンダンテ・ラクリモーソ S.173/9
ラマルティーヌの詩集「詩的で宗教的な調べ」の「涙、または慰め」にインスパイアされて。「詩的で宗教的な調べ〔1847年稿〕第9番 寺院の灯火 - アンダンテ・ラクリモーソ S.172a/9」が初稿となる。
演奏はレイフ・オヴェ・アンスネス。アンスネスはこの曲を2度録音している。
第10番 愛の讃歌 S.173/10
S.172aの時点では曲集に含まれず。この最終曲で第1曲の調性と暖かな雰囲気へ回帰する。
演奏はアルフレート・ブレンデル。
【関連作品】
アルバムの綴り (愛の讃歌) S.167t
リストが他人のために書き留め贈呈した、ちょっとした譜面。愛の讃歌の旋律を引用している。1853年作。
【その他】
死者の追憶 〔ブレンデル編〕
ブレンデルは「死者の追憶」を若干改編して演奏している。
ホロヴィッツによる葬送曲
ヴラディミール・ホロヴィッツによる1932年の歴史的録音。おそらくこの曲の史上初録音。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・詩的で宗教的な調べ S.173
・詩的で宗教的な調べ S.154
・喚起 (祈り) S.172a/1
・夜の讃歌 S.172a/2
・朝の讃歌 S.172a/3
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それではみなさま良い一日を
