就学相談の進め方|受診のタイミングと医師書類のリアル
2日連続マジメな記事だと、しうまいどうしたんだ!?と心配されるだろうか。不真面目が売りなのに、マジメな話とはこれいかに。
お前はパチンコと競馬でどれだけ負けたか書いときゃいいんだよ、なんて声も聞こえてきそうだが、今日もマジメにやらせてもらう。
前編はこちら
■ 就学相談の対象と時期
就学相談の話と言っておきながら、昨日は学校の種類の話で終わってしまった。今日は実際にどうやって行く所を選ぶかというお話。
自治体によって時期はまちまちだが、
大体3〜4月頃に次の年度の就学相談が始まる。主な対象者は
来年4月から小学1年生になる年齢の子
だ。
つまり、
4〜3月までに6歳になる子。学年で言うと年長さん。
主にこの年齢をターゲットに就学相談が行われる。
住む地域の役所や保健センターなどのHPを見るのが1番確実だ。
そこで、どのような流れで受ければいいかが告示される。
集団での説明会であったり、個別対応だったり、これもまちまちだろう。
そこで、必要な書類を揃え、提出し、判定されるといった感じだ。
ただし、もちろんその年齢じゃないと受けられないかというとそれは違う。
それより下の年齢は多分ダメだが、現在学校に通っていても来年からまた検討したいという時も就学相談を受けることは可能だ。
あと、これも誤解が多いので言っておく。
就学相談に行ったから必ず通常級以外の選択をされるというわけではない。
あくまで「相談」だ。
現状を知り、その中から良い選択肢を掴むための手段である。
■ 医師の書類という最大のハードル
何よりやっかいな所なのだが、その必要な書類に「医師の記載した書類」が含まれることが多い(必要ない地域もある。ただ、書類は必要なくても何らかの形で医師の目は入る)。
この書類をゲットするのがきっと1番の難関だ。
というのも、発達関連で受診をする場合、数ヶ月待ち、下手したら半年、1年ということが多い。なので、いざ書類が欲しいと思っても準備しないといけない期間に受診ができないこともある。
うまく受診ができたとしても、これは受ける側の医師の意見として、初めましての外来で、いきなり学校どうすればいいかと聞かれても、答えられないこともある。
だって普段の様子なんて初めましてじゃわからないし、私の記事で繰り返し書いてきたが、時間の経過とともにその子の特性を掴んでいく。
しかし、結局書類を準備しないと話にならないということで、初回の外来で記載しないといけないこともある。
そうなると、正確な、その子に合っている支援なのかわからない状態で記載する。それで正しくその子を導けているのか、正直わからない。
タイムリミットが秋くらいのことが多いので、夏から秋は気が重い…せめて1年くらい付き合っている子ならばしっかり把握してちゃんとした内容で書けるのだけれどね。
そんな形式だけの書類に意味はないよなぁと思いつつ、書いている現実はある。
その後、通ってくれるならば特性を徐々に掴んでいき、2年生からどうするかなどを相談していくし、診断を考えていくこともある。
■ 受診のベストタイミング
なので、就学相談を受けられるのは6歳になる歳なのだが、受診を検討し始めるタイミングは5歳になる歳のせめて秋くらいまでに病院受診を申し込むのが本当のベストだと思う。
もちろんその時までは何も気になっていなかったというのならしょうがないのだけれど、こちら側の言い分として言うだけ言わせてほしい。
もちろんこれも個人の意見だ。1回の受診で十分だという先生もいるだろう。あくまで私のおすすめであるのであしからず。
■ 診断名と知能検査の位置づけ
受診して、その書類を書くのに、診断名は必ずしも必須ではない。
あと、療育手帳(知的障害の手帳)も必須ではないので、そこも焦らなくていい。
身体障害者手帳はおそらくその頃には持ってることが多いと思うので参考になる。すごく近くに何があってこれから申請、という人は主治医と相談してほしい。
知能検査は必要になる自治体が多いと思う。自治体や児童相談所、受診できて検査できる体制ならば病院でやったりする。
知能検査の結果プラス、その時の困り事やその子の特性を書き、支援学校なのか支援級なのか通級なのか、その子に合う場所を選んであげればそれで良い。
その時に診断名がある方が有利に働くのであれば、書類には記載することもある。(私の場合ね!!!)
■ 判定の流れと最終決定
その書類を元に、自治体で主に学校の先生を中心とし、その子に合った場所が検討される。模擬授業があってそこでその子の様子を見たり、集団生活をしていればそこに見学に来られたりすることもある。
検討され、暫定的にどこに行くか決定し、最終的には保護者と相談になる。
そこの強制力は弱く、最終的には保護者の希望が最優先になる。
その学校に特別支援教室を作ってほしいなど、現実的に難しい要望は通らないかもしれないが、判定では支援級が望ましいとなったけれど、通常級に行くということはできる。
ただ、前の記事にも書いた通り一度決まったらずっとそこ、というわけではない。自分たちの思っていたことと違ったら、なぜそういう判定になったのか。実際どういうことをするのかなど、よく話し合って決めてほしい。
もし迷うようであれば、ぜひ一度見学に行ってみてほしい。
話を聞くだけではわからないことも多く、実際の雰囲気や先生の関わり方を見ることで、「ここなら大丈夫そう」と感じられることもある。
■ 親の気持ちと現実のギャップ
「知能検査で低く出ていたけれど、通常級で頑張ってついていってほしい」
「じっとしていられなくて授業中もきっと歩き回ってしまうけれど、特に支援はいらないから通常級でいい」
気持ちはわかる。周りの子と同じようにしていてほしいと考えることは間違っているわけではない。
ただ、やはりその子の能力や特性に合わせて対応できないと、辛くなるのはその子本人だ。
授業に全然ついていけなくて、聞いていてもつまらない。
歩き回って授業を中断してしまうから他の子から疎まれてしまう。
それで結局学校自体が嫌になって不登校になってしまったり、いじめにあってしまったり、本当はできることもできなくなってしまったりすることがある(いわゆる二次障害という)。
学校に通うのに、支援があることは決して悪いことではない。子ども自身が楽しく、のびのびと自分の力を発揮することができるように、支援を受けることを前向きに考えてほしい。
そして、これはマジでよくある。
色々見学し、就学相談も受け、支援を受けることを勧められた。母は見学に行き、それがいいと思っている。
見学の内容も、就学相談を受けることも、逐一夫婦で相談してきた。そして、いざ進学先を決めようと思ったら、父親が「普通級じゃないとダメだ。そこで頑張らせればいいだけだろう」
全てを無に帰す。
父親じゃなく祖父母パターンもある。
大抵一緒には受診もしなければ調べるのも就学相談も全て母に任せてたパターンだ。
受診をしているならば、病院に一緒に同行させて欲しい。医者の言葉には弱いことがある。
それでも覆らない場合、進学したら授業参観に行かせるというのも手だ。クラスの中で辛そうにしてる我が子を見たら考えは変わるかもしれない。
残念ながら、そういう現実はある。
正直なところ、ここで意見が覆ることで、一番影響を受けるのは子ども本人だ。
大人の考えや価値観が、そのまま子どもの環境を決めてしまうという現実は、やはり重い。
「通常級」「普通級」って呼び名も良くないよね。普通じゃないんかって思ってしまう。
コンプライアンスばかりでめんどくさい世の中だと言われるけれど、ここに苦しむ人はかなり多いだろうから、変えれるならば変えてもいいと思う。何がいいかは思いつかないけれど。
■ 就学相談を検討するタイミング
じゃあどういう子が就学相談を受けた方がいいかについて。
これは、まず家庭で親が大丈夫かな?と思った時。落ち着かない、話が一方的、年齢よりも幼く思えてしまう、などなど何でもいいので気になったら受診じゃなくて就学相談に行ってみるのも一つの手だ。
あと一番確実なのは、幼稚園や保育園に通っているならばそこの先生に聞いてみることだ。
集団の中でその子がどのようにしているか、一番詳しいのは親よりもそこの先生だ。
さっきのタイミングのことも考えると、年中の後半くらいで先生に聞いてみてもらえると、受診も間に合うかもしれないのでベストだ。
家では何も気にならないけれど、先生にそういうふうに言われた時。これは難しいが、やはり集団の中だとそうなるのかという事実はあるわけなので、一方的に拒否はせず、ちょっと検討してみてほしい。
もちろん幼稚園や保育園の先生だって間違うことはあるだろうし、色々な、ちょっとずれているような先生もいるだろうけどね。ずれている医者だっているし。
絶対の神の言葉ではないのだが、そういう園や先生のキャラクターまで読み切って行動できれば、それが完璧である。
■ まとめ
だいぶ長くなってしまったが、2つの記事のまとめとして
・学校生活における支援の種類
・実際の就学相談のタイミング
・受診のタイミング
・誰に相談したらいいか
がわかって頂けたであろうか。
余談雑談が長くなって申し訳ない。理想と現実のギャップはあるということも、ついでにわかってもらえると嬉しい。
■ 最後に
学校関係の方、医療関係の方、実際は全然違ったという体験者の方、不適切な表現や間違っているところがあればすぐ修正するのでお知らせください。
また、もちろん質問は受け付けます。個別のケース(うちの子はどうしたらいいでしょう、など)はお答えできないかもしれませんが、記事自体でわかりづらい点などあれば教えてもらえると嬉しいです。
いかがだっただろうか。
誰かにとって少しでも役に立てば、書いたかいがある。
実はこのあたりのこと、小児科以外の医師はあまり知らないことも多い。
小児科医でも、ここまで深く関わらずに診療している先生もいると思う。
もしこの記事が、読んでくれた誰かの理解の助けになっていれば嬉しい。
