未来から来たおれを匿う男。理解を超えた「狂気レベルの超人」
おれ(アキト)は2026年の不幸を止めるために1年後の2027年から戻ってきた。この記事だけでも見てもらえば、おれのことが分かると思う。
さて、未来から体一つで戻ってきたおれだが、「過去のおれ(2026年のアキト)と接触してはいけない」という事情がある。当然、自宅に戻ることもできない。
そんなおれを今、代官山にある広いマンションの一室に居候させてくれているのが、ゴミちゃん(漢字では五味ちゃん)だ。未来を変えるための行動を記録しているこのnoteだが、彼についても記しておく。今後もおれの活動において、重要な鍵となる人物だと考えているからだ。
彼との出会いは2025年の秋だった。中目黒の自宅近くのジムで、使い慣れないマシンの設定に手こずっていた時だ。彼が驚くほどスマートにレクチャーしてくれたのがすべての始まりだった。
まさかその数ヶ月後、未来から戻ってきたおれを、理由も告げずに二つ返事で匿ってくれることになるとは思わなかった。
彼は外資系コンサルティングファームで働いている。 その生活は、おれのようなボロボロの人間から見れば、「人間離れした正解」をひたすら叩き出し続けているように見える。
「Just Do It!」で始まる機械的な朝
ゴミちゃんは、いい意味で人間ができていない。 地獄のような激務をこなし、たとえ深夜2時に帰宅したとしても、朝6時にはシャキッと起き上がっている。
アラーム音は、映画『トランスフォーマー』シリーズの主演などで有名なシャイア・ラブーフの叫び声だ。 『Just Do It! (とにかくやれ!)』
画面の中の男が「夢を夢で終わらせるな!」「とにかくやれ!」「昨日言ったことを今日やるんだ!」と叫び続け、有無を言わさず自分を鼓舞し、無理やり日常へと自分を叩き出す。
ゴミちゃんは起きた瞬間から、一切の迷いなくルーティンを消化していく。 デスクに置かれたiPadには、習慣管理アプリのダッシュボードが常に表示されている。
アファメーション(肯定的自己暗示)
ビジュアライズ(成功イメージの視覚化)
ジャーナリング(感情の書き出し)
瞑想・読書・筋トレ

毎日漏れなくそれら全てにチェックマークがついていく様子は、一種の狂気にすら見える。おれがどれだけ不審な格好で夜中に出かけても、仕事に行かずに一日部屋にこもっていても、彼は深く追求してこない。
「アキトさんが話したくなるまでは、言えないことは言わないで良いですよ」
そう笑って、彼はマグカップを差し出してくれる。 (彼は一つ年下なのでおれに敬語を使うし、おれもまた彼には敬意を込めて敬語を使っている。)
その懐の深さに救われる一方で、時々、背筋が寒くなることがあるんだ。
完璧すぎる「善意」への畏怖
外資コンサルにいくような人間は、みんなこんなふうに人間離れしているのだろうか? 彼は感情の揺らぎすら、ロジックと習慣で完全に制御しているように見える。
おれを助けてくれているのは、純粋な友情なのか。それとも、何か詰みかけているように見える人間を救うという「高難度のプロジェクト」を攻略しているだけなのか。
彼にはまだ、おれが未来から来たという事実は伏せている。いつかこの秘密が露見したとしても、彼がこのまま「理解者」でいてくれるなら、これほど心強いことはない。だが、もしこの完璧すぎる男を敵に回すようなことがあれば――。そう思うと、言いようのない恐怖が込み上げてくる。

「アキトさん、ジムにはもう行かないんですか?」
そう言って彼は、おれの背中を力強く叩く。 その掌の厚みが、今は唯一の救いだ。 (すまない。未来から戻ってきたおれは、ジムに入るためのセキュリティキーを持っていないんだ……。)
親友ハルキが自殺を決行する【2月15日(日)19:00】まで、あと4日。
この完璧すぎる男の支えも受けながら、おれは、おれの成すべきことを成す。
※親友ハルキの件については、それだけ見れば良いように以下にまとめている。
