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2026年2月15日、親友が去る。2027年から来たおれが、その運命を書き換える

おれは2026年の不幸を止めるために1年後の2027年から戻ってきた。戻ってきた経緯やこの2026年でやらなければいけないことは以下の記事にまとめているから参考にして欲しい。


2026年、1つ目の事件

前の世界線では、2026年の2月に親友のハルキが自分で人生を終わらせてしまった。おれはまず、その事件を止めなければいけない。

ハルキのことを書こうとすると、今でも胸が締め付けられる。 あいつは小学校からの腐れ縁で、おれにとっては「親友」なんて言葉じゃ足りないくらいの存在だ。

どれほどの想いであいつを救いたいかを忘れないため、そして今度こそ止めるために、整理しておく。

ハルキという男

ハルキは昔から手先が器用で、デザイナーとしての才能があった。 おれが会社員として働く一方で、あいつは数年前に自分のデザイン会社を立ち上げた。 性格はとにかく明るく真っ直ぐで、お人好しだ。 でも、その「良さ」が、あいつを地獄へ引きずり込むことになった。

崩壊の始まり

ハルキが経営していた会社が、去年の末あたりからガタつき始めていたことを、おれは後から知った。 原因は、共同経営者だった男の逃亡だ。

会社の資金を持ち逃げされ、残されたのは多額の買掛金と、進行中のプロジェクトの責任。 あいつは責任感が強いから、一人で全部背負おうとしたんだと思う。

追い詰められた理由:不当な負債

銀行からの融資が受けられなくなったハルキが最後に手を出ししまったのが、いわゆる「半グレグループ」がバックにいる高利貸しだった。

最初は「繋ぎ資金」のつもりだったんだろう。でも、利息は雪だるま式に膨らみ、あいつの精神を削っていった。 夜中に何度もかかってくる無言電話。 事務所のドアに書かれた嫌がらせ。 家族にまで及ぶかもしれないという脅し。

ハルキは、孤独だった。


ハルキとの思い出、そしてあいつへの恩

あいつはおれが本当にダメな時にも一緒にいてくれた。 自分の調子が良い時は周りに人がいることが多いけど、不調な時にも寄り添ってくれたんだ。

1つ目の思い出:中学生の頃、おれが自分の親と喧嘩した時、おれは家出をすることにしたんだ。 でも行く宛もなく一人で暗い夜を越えることを覚悟した時、あいつが一緒に公園で一晩を過ごしてくれた。

2つ目の思い出:おれは今でこそ良い企業に入れたけれど、就活の時はダメダメでもう人生終わりかと思っていた。 そんな時にずっと励まし続けてくれた。 そして、内定が決まった時、金に苦労しているにも関わらず、おれんちに駆けつけて祝ってくれたんだ。


最低だった、28歳のおれ

2026年、28歳のおれは何をしていたか。 正直に書く。当時の自分は、人生の絶頂にいた。

仕事は評価され、給料も上がり、恋人ミフユとの関係も順調。 「努力すればなんとかなる」と本気で信じていた傲慢なガキだった。

ハルキから「ちょっと話せないか」と連絡が来るたびに、おれはこう返していた。 「また愚痴かよ。お前なら大丈夫だって。今度飲みに行こうぜ」

あいつがどんな顔をしてスマホを握りしめていたかも知らずに、おれは冷たく笑って流したんだ。 ハルキの必死のSOSを、おれは「ただの弱音」だと決めつけていた。「大丈夫」なんて言葉は、救いでもなんでもない。向き合うことを放棄した、無責任な凶器でしかなかったんだ。 あいつが絶望の淵で、最後に縋り付こうとした手を、おれは笑顔で振り払ったも同然だった。

おれが人生のドン底の時にはあいつが寄り添ってくれたという恩も忘れて…!!


2月、運命の日

このまま何もしなければ、ハルキは一人で最期を選んでしまう。 死因は「大量の睡眠薬摂取と低体温症」。負債の督促が限界に達し、事務所を追い出されたあいつは、一人寒い公園で最後を迎えてしまう。

事件は【2026年2月15日(日)19:00】に起きる。
おれが2027年から持ってきたスマホにメモっている。

一度目は、笑って流した。 二度目は、絶対に手を離さない。

ただし、2027年のおれがハルキと直接関われば、2026年の自分との関係が歪んでしまう。だから、あいつを救うのは、あくまで「2026年のおれ」でなければならない。

だが、当時の自分は、今の言葉を借りれば『成功に酔いしれた怪物』だ。まともな説得など通用しないあの頃の自分を無理やり動かすために、おれはある手段を取ることにした…。

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