【連載4】4人の子供と、1杯のコーヒー。
「お父さん、靴下どこー!」
「お腹すいたー!」
「見て、折り紙折ったよ!」
朝の我が家は、さながら戦場だ。
4人の子供たちがそれぞれのペースで、それぞれの欲求をぶつけてくる。
朝食を準備し、着替えを手伝い、泣いている子をあやし、学校へ送り出す。
時計の針を気にする間もないほど、思考も体もフル稼働している。
そんな嵐のような時間が過ぎ、ふっと家の中が静まり返る瞬間。
僕が自分に課している「儀式」がある。
それは、たった1杯のコーヒーを淹れることだ。
5分間の「聖域」
コーヒーを淹れる、といっても、凝った作法で時間をかけるわけじゃない。
ただ、お湯を沸かし、粉にお湯を注ぎ、その香りがキッチンに広がるのを待つ。
この5分間だけは、僕は「お父さん」でも「シェフ」でも「セラピスト」でもない。
何者でもない、ただの僕に戻る時間。
メールも返さない。
今日の献立も考えない。
スマホも、もちろん見ない。
たった5分。けれど、この「5分間の余白」があるかないかで、その後の1日の景色はまるで変わってしまう。
余白は「作る」ものではなく「守る」もの
以前の僕は、「暇ができたら休もう」と考えていた。
けれど、4人の子供を育て、店を切り盛りしていれば、「暇」なんて一生やってこないことに気づいた。
余白は、空くのを待つものじゃない。
自分で強引にでも「ここだけは誰にも踏み込ませない」と決めて、守り抜くものなのだ。
1杯のコーヒーを飲み終えるまでの間。
その小さな静寂を守り切ることで、僕はまた「お父さん」として子供たちを笑顔で受け止めるエネルギーを充電できる。
この5分間は、家族へのやさしさを保つための、僕にとっての聖域なのだと思う。
あなたにとっての「1杯のコーヒー」は何ですか?
忙しい毎日に追いかけられていると、自分のための時間を取ることに罪悪感を覚える人もいるかもしれない。
でも、どうか思い出してほしい。
あなたが倒れてしまったら、あなたの周りの大切な人たちを誰が守るのだろうか。
「休むこと」は「サボること」じゃない。
自分という器をメンテナンスする、大切な仕事の一部なのだ。
お皿を洗う前の5分。
お風呂上がりの5分。
寝る前の、静かな5分。
あなたにとっての「1杯のコーヒー」を、どうか大切に守ってあげてほしい。
おわりに
僕のカフェでも、そんな「誰にも邪魔されない時間」を過ごしていただけるよう、空間づくりを大切にしています。
自宅でその感覚を味わいたい方には、僕が理想の口どけを追求した「バスクチーズケーキ」もおすすめです。
コーヒーと一緒に、贅沢な余白を味わっていただければ嬉しいです。
オンラインショップやお店の詳細は、こちらからご覧いただけます。
次は、その「理想の口どけ」が生まれるまでの、僕の試行錯誤の物語をお話しします。
