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物語風エッセイ:#債務貨幣システムから公共貨幣システムへのワールドシフト

 アンネの法則ライターズ俱楽部代表の安音は、物語風のエッセイを披露した。
『高知市の郊外。 梅雨の湿気がまとわりつく夜、ひとりの青年がガソリンスタンドに車を滑り込ませた。 蛍光灯の白い光が、濡れたアスファルトに滲んでいる。

青年の名は 斎藤悠人。 地方の中小企業で働く、どこにでもいる市民だ。

車を降りた悠人は、価格表示板を見上げて息を呑んだ。

レギュラー:204円

「また上がったのか……」

ガソリンの値段の数字は、まるで生き物のようにじわじわと増殖していく。 昨日より高い。先週より高い。去年よりずっと高い。ロシアとウクライナの戦争。ハマスとイスラエルとの戦争。イスラエルと米国によるイラン攻撃。ホルムズ海峡の封鎖。日本には、官民による210日分の石油の備蓄があったから、今はこの程度で持ちこたえている。しかし、第三次世界大戦がこれ以上進んだらどうなるんだろう?イスラエルが2026年から五か年戦闘体制、ホシェン計画を構想している。イスラエルはグレイターイスラエルを目指して、戦争産業による国づくりへとすでにシフトしているのだ。世界中の国々は、この影響をもろに受けて、エネルギー戦争、通貨戦争に巻き込まれていく状況だ。市民防衛策を真剣に考えておかないとやばい。平和ボケしている場合ではないのだ。これまでの世界大戦の歴史を振り返って、学びを深めておく必要がある。

悠人は、給油ノズルを握りながら思った。

「どうして、こんなに高くなるんだろう。原油が高いから?円安だから?それだけじゃないはずだ……」

そのとき、彼の背後から声がした。

「君、ガソリンの値段の中身を見たことがあるかい?」

振り返ると、白髪の老人が立っていた。 どこか哲学者のような雰囲気をまとっている。

「えっと……ガソリン税とか、そういうのですよね?」

老人はゆっくり首を振った。

「税金だけじゃない。利息だよ。君が払っているガソリン代には、企業が借りたお金の利息が含まれている。さらに国の借金の利息を払うための税金も含まれている。つまり、君は二重、三重にお金を払っているんだ」

悠人は思わずノズルを握る手を止めた。

「利息……?」

老人は、夜のガソリンスタンドを指さした。

「債務貨幣システムそのものが、構造的暴力なんだよ」

2 構造的暴力とは何か


―見えない鎖の正体―
老人は悠人を近くのベンチに誘い、語り始めた。

「平和学の構造的暴力という言葉を聞いたことはあるかい?」

「なんとなく……社会の仕組みが人を苦しめる、みたいな意味ですよね」

「そう。だが、もっと具体的に言えば―― 人々が気づかないうちに、毎日、毎時間、毎分、搾取され続ける仕組みのことだ。 その最たるものが、日本銀行が発行しているお金の仕組み、債務システムだよ」

老人は、悠人の目をまっすぐ見た。

「貨幣がどうやって生まれるか知っているか?」

「えっと……政府が作ってるんじゃないんですか?」

老人は静かに笑った。

「それは硬貨だけだ。紙幣は違う。紙幣は、日本銀行が日本政府に貸し出すときに生まれる。また、市中の銀行が企業や市民貸し出すときに生まれる。つまり―― 日本の貨幣は負債から通貨発行する仕組みで成り立っている。 市民は、国債の利息、企業の借入金の利息を商品の価格に付け回しされて支払わされているという訳だ。」

悠人は息を呑んだ。

「じゃあ……僕たちが使っているお金って、全部誰かの借金で僕たちは利息の搾取を支払わされているんですか?」

「そうだ。君が給料として受け取るお金も、企業が借りたお金の利息や税金が差し引きされているんだ。商品を生み出している企業は利息を払うために商品価格に転嫁。国は国債の利息や行政費用を払うために税金を上げる。 つまり―― 君の生活は、利息と税金の二重負担でできている。 これが構造的暴力だよ」

悠人は、ガソリンスタンドの光景が急に違って見えた。 価格表示板が、巨大な搾取装置のように見えた。

3 大恐慌とインフレの正体


―貨幣が生まれたり消えたりする世界―
老人は続けた。

「債務貨幣システムは、必ず二つの危機を周期的に生む。 ひとつは 大恐慌。もうひとつは インフレ だ」

「どうしてですか?」

「貨幣が銀行の貸し出しで生まれる以上、消費者の生活品の価格にこの利息が上乗せされている。今は、第三次世界大戦の真っただ中で、イラン戦争で石油が高騰して大恐慌の連鎖が始まっている。企業は倒産し、失業が増え、社会は不安定に陥る。 逆に、市場に安定的に公共貨幣が供給されれば、物価が下がる。これが、債務貨幣システムから公共貨幣システムへのワールドシフトで実現する政策革命だ。」

悠人は、まるで貨幣が生き物のように増えたり減ったりするイメージを思い浮かべた。

「つまり……貨幣の量は安定しなかれど、政策で安定させることもできるということ?」

「そうだ。貨幣供給の主導権が民間銀行にある限り、社会は常に不安定だ。 君がどれだけ働いても、どれだけ節約しても、貨幣の量が変動すれば生活は不安定になる。 これは、個人の努力ではどうにもならない構造的暴力だよ」

4 ガソリン価格の中に潜む暴力
―視覚化される搾取の構造―


老人は、悠人にスマホの画面を見せた。 ガソリン価格の内訳が表示されている。

原油価格

為替

輸送費

小売マージン

ガソリン税

消費税

企業の借入金の利息

国債の利息を賄うための税金

「ほら、これが君が払っているガソリン代の中身だ。 原油価格だけじゃない。税金だけでもない。 利息が二重、三重に上乗せされている。一般消費者は価格の中身にある費用としての利息の累積に気づいていないんだ。」

悠人は、ガソリン価格がまるで巨大な積み木のように積み上がっているイメージを思い浮かべた。 その積み木の中には、見えない「利息」という重りがぎっしり詰まっている。

「これって……僕らは毎日、利息や税金を払っているってことですよね」

「そうだ。ガソリンだけじゃない。食品も、住宅も、教育も、医療も―― すべての価格に債務貨幣システムの利息の累積が含まれている。 君は、この利息のために働かされていると言ってもいい。これが搾取でなくて何と呼ぶんだ。共産党が指摘しないことが不思議だよ。」

悠人は、胸の奥が重くなるのを感じた。

5 日本人の日常生活にのしかかる鎖
―利息と税金の二重負担の正体―


老人は、悠人の肩にそっと手を置いた。

「君は、毎日どれくらい働いている?」

「だいたい8時間くらいです」

「そのうち、どれくらいが利息と税金のための労働だと思う?」

悠人は答えられなかった。

老人は静かに言った。

「君の労働時間の半分以上は、利息と税金のための労働だよ。 住宅ローンの利息。企業の利息が転嫁された商品価格。国債の利息を払うための税金。消費税。所得税。住民税。自動車税。 社会保障費。君は、利息と税金のために働かされているんだ」

悠人は、まるで自分の人生が誰かに吸い取られているような感覚に襲われた。

6 公共貨幣という希望
―すでに日本で実現している仕組み―


老人は、ポケットから一枚の硬貨を取り出した。

「これは何だい?」

「100円玉です」

「そう。これは政府が直接発行した貨幣だ。 利息も負債も伴わない、純粋な公共貨幣だよ」

老人は続けた。

「日本にはすでに公共貨幣が存在している。 1円から500円までの硬貨だ。 これを―― 千円、五千円、一万円の紙幣にも拡張する。 つまり、紙幣を政府通貨コインにするとどうなると思う?」

悠人は目を見開いた。

「そんなことができるんですか?」

「できる。国会決議一つですぐにできる。すでに硬貨は政府発行通貨だからね」

7 公共貨幣がもたらす世界
―無税国家の可能性―


老人は、夜空を見上げながら言った。

「公共貨幣である政府発行通貨を導入すれば、これまでの国債も返済できる。 社会保障の財源も心配ない。 公共投資は安定通貨で運用できる。 そして―― 市民から税金を取らない無税国家だって実現できる。」

悠人は息を呑んだ。

「無税国家……?」

「そうだ。公共貨幣は負債ではない資本金から現金を生み出せるから、利息が発生しない。 国の財政は劇的に健全化する。君の人生から、利息と税金の鎖が外れるんだ」

悠人は、胸の奥に小さな光が灯るのを感じた。

8 行政改革というもう一つの鍵
―廃県置村と参議院廃止―


老人は、さらに続けた。

「公共貨幣と並行して、行政改革が必要だ。 君は『廃県置村』という言葉を聞いたことがあるかい?」

「いえ……廃藩置県なら学校で習ったけれど。」

「県を廃止し、村を基礎自治体とする。 参議院を廃止し、村の長が国政意思決定に参画する。 これにより、二重行政が解消され、 数十兆円規模の予算削減が可能になる。なぜ、やらないんだと思わないかい?なぜ、国会議員と日本の経済学者はこんな簡単な仕組みを理解しないんだと思わないかい?」

悠人は、国会の巨大な建物が、すっと小さくなるイメージを思い浮かべた。

9 日米再建計画
―新しい日本の構造改革―


老人は、最後にこう言った。

「君が見ているこのガソリンスタンドの夜は、債務貨幣の夜だ。 だが、公共貨幣の朝は必ず来る。 私はそれを 日米再建計画 と呼んでいる」

悠人は、老人の言葉を胸に刻んだ。

「君は、米国政府の借金がどれだけ積みあがっているかを知ってるかい?日本の比ではない。もし、米国が債務超過(デフォルト)に陥ったら、世界経済はどうなると思う?」

 悠人は、暗黒の未来予見は感じたが、実際の歴史の中で何がどう動かについては、未知数だと感じた。

「わかりません。その場合、日本はどうなるのでしょう?」

老人は深刻な表情で言った。

「米イスラエルによるイラン軍事行動が米国財政へ与える影響は、

国防支出の増加

財政赤字の拡大

国債発行額の増加

利払い費の増加

ガソリン価格の高騰

社会の不安定による企業活動の低迷

これまでも米国は、戦争を繰り返し、同じ道を歩んで来ている。しかし、米国はドル建て国債を発行しており、理論上は連邦政府と連邦準備制度の組み合わせによってドル供給が可能なため、一般的な意味での「資金が尽きて返済不能」にはならない構造だ。中央銀行制度は、世界銀行の救済措置でいくらでも通り抜けられる。日本も円建てだから大丈夫とMMT理論に騙されている経済学者が多い。しかし、この詐欺システムの穴を見通せていない偏狭な理論に過ぎない。」

老人は、無理解への怒りを爆発させていた。

「君はグレイトリセットの野望について聞いたことがあるかい?人口削減計画を企てる優性思想家のエスタブリッシュメント(お金の権力を握る人々)たちが世界をコントロールしている仕掛けについて。」

悠人は応えた。

「陰謀論ですか?」

老人は、悲しげな顔で悠人に向き合って言った。

「システムを読む力がないと、システムの奴隷になる。システムを作る側の人間たちは、自分たちに都合の良いシステムに書き換えていく。陰謀論という言葉にはマインドコントロールの仕掛けが入っていることにすら気づいていないジャーナリストが多すぎる。これでは、いつまでたっても、無からの発想にはたどり着けない。」

老人は続けた。

「貨幣は単なる商品ではない。貨幣は、

国家経済
市場
国民生活
社会保障
平和
を支える社会の公共インフラなんだ。

君は、ゲゼルの新貨幣の減価する通貨という地域通貨について、何か知っているかい?」

悠人は応えた。

「なんとなくだけど、日本では地域通貨の試みは成功していないみたいと言う噂は知ってます。」

「そうなんだ。日本市民の理解不足が原因だ。しかし、これは、もう一つの公共貨幣として世界で成功している歴史がある。ウェルグルの奇跡では、「労働証明書」という市が発行する通貨によって失業者があふれる街の再建を果たした。しかし、中央銀行支配のオーストリア政府が禁止したんだ。ことごとく、通貨発行を市民が取り戻した成功事例は国家権力によってつぶされてきたんだ。」

悠人は、ハッと気づいた。

「つまり、大きな権力が背後で働いているということですか?」

老人は続けた。

「そういうことだ。政府をも陰で操る闇の帝国の存在は、実在なんだ。彼らは、協同して戦争を起こし、社会不安を引き起こすように、社会を操っている。エネルギー戦争と通貨戦争はずっと繰り返されてきた歴史的な実相なんだ。これを読まないと、市民防衛はできない。わかるかい?」

老人は、憐み深い目で悠人を見つめた。

「若者たちには、可能性がある。我々はもうすぐ退陣だ。債務貨幣システムから公共貨幣システムへのワールドシフト この単語を忘れないでいただきたい。歴史に刻まれたピースグレイトリセットの戦いについて学んでもらいたいんだ。」

10 夜明けへ
―貨幣の暴力を終わらせるために―


給油を終え、車に戻るとき、悠人はふと気づいた。 価格表示板の数字は、もう彼を脅かすものではなかった。 その背後に潜む構造的暴力を理解したからだ。

「僕にもできることがあるはずだ。まずは、この仕組みを友達に知らせる必要がある。有権者、主権者がこれを知ったら公共貨幣革命が起こる。日米の債務貨幣システムを革命できたら、僕たちの未来に搾取がなくなるんだ。無税国家も夢ではない。」

悠人は、夜の道路へ車を走らせた。 債務貨幣の夜を越え、公共貨幣の朝の光へ向かって。

#創作大賞2026
#エッセイ部門

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