志望校が決まるまで(中学受験)
今回の記事は前回の記事の続きになります。
前回の記事はこちらです🍀
5年生になると、本部の教室に移籍した。
クラスの数が増え、思うような成績が出せず、
中の上あたりのクラスで安定するようになった。
算数は変わらず好きだったが、
国語は相変わらず苦手だった。
もともと読書が好きではなく、
とくに物語文がどうにも好きになれなかった。
恋愛にも興味がなく、
「作り話にすぎない」と思ってしまい、
時間内に読み終えることすらできない。
そのせいで、国語はいつもため息の出るような点数だった。
6年生になり、親がすすめる学校を見学に行ったが、
特に惹かれるものはなかった。
そんな中で志望校別コースの存在を知った。
そのコースに入るには、規定の成績が必要だった。
受験そのものに強い思いがあったわけではないが、
「とりあえず一番上のコースに入りたい」という
小さな“ゲーム”のような気持ちがわいてきて、
頑張ってみると、ぎりぎりそのコースに入ることができた。
秋になり、みんなが志望する学校の見学に行った。
校舎の雰囲気や流れる空気にふれた瞬間、
心が強く動いた。
「この学校しかない」と思った。
そのとき、ようやく志望校が決まった。
志望校は決まったものの、
模試の結果はいつもD判定ばかりだった。
母は、A判定の学校の説明会にも行こうとしてくれていたが、
私は「行かなくていい」と止めた。
あの日感じた志望校の空気を思うと、
ほかの学校に気持ちが向くことはなかった。
当時、小学校では中学受験をする人はごく少数で、
まわりと話が合わず、
学校はただ行っているだけの場所になっていた。
一方で、塾は私にとって居心地のよい場所だった。
やっただけ成績に反映されるという分かりやすさもあったが、
それ以上に、小学校とは違い、
授業中に無理に発言しなくてよいという気楽さが大きかった。
知っているのに知らないふりをする必要もなく、
周りの皆がそれぞれの目標に向かって淡々と進んでいる──
その空気が、私には心地よかった。
もちろん、やりたくない国語もあったが、
小学校で中学受験を変な目で見られたり、
あれこれ気を遣いながら過ごすよりは、
はるかに容易に感じられた。
だからこそ、地元の中学に進みたいとは思えず、
別の環境に進みたい気持ちが、少しずつ強くなっていった。
