書けない魔法のペン
「あの親父、ダマしやがったな」
目の前にある白紙の紙とペンを見て、思わず声が出た。
スラスラ書ける魔法のペン
このペンを使うとどんな物語や文章でもスラスラ書けるようになるという魔法のペン。
どうせ、インチキだろうと思った。
「そうか、インチキだろうと思って買ったらインチキだった。だまされてはないのか?」
振り返ると恥ずかしくなった。
思わずニヤけた。
たった2000円のボールペン。ただのボールペンだ。だが、これを使うとスラスラ書けるらしい。いや、ジェットストリームだろこれ?
スラスラ書ける魔法のペンだ。
特別な魔法がかかっている。
物語でもエッセイでもLPでもコレを使えばスラスラ書ける。
結局、何も書けなかった。
魔法なんてかかってなかった。
スラスラ文字が浮かぶ。
ではなくて、スラスラ書ける。
それは、ボールペンのキャッチコピーじゃないのか?それだけのことだった。
紙は白紙のまま。
魔法のボールペンでは効果がなかった。
仕方なくパソコンに切り替えた。
Googleドキュメントを立ち上げる
画面には白紙がうかび、カーソルが点滅していた。まだ時間は、流れている。
キーボードの音は、ならない。
コーヒーは、いつの間にかなくなった。
観葉植物は、静かに葉を揺らしている。
そして、オレは、もはや植物と同じだった。
何ひとつ、出てこない。
メモ書き、スマホ、タブレット、PC、AI
何を使ってもダメだ。
プロットは悪くない。
結末も頭にある。
でも、すべてがダサい。
プロットを文字起こしできない。
書き始めると表現も、セリフも、描写も、全部ダサい
書いた、そばから消したい。
いや、特にソバの絵を書いたわけではないけど。ソバを消したわけでもないけど、今日も一文字も進まない。
かつて、天才だった頃もあった。
言葉が降ってきた。キャラが勝手に動き出し、感情を持った。
一筆、五千字
そして、夜が明けた。
読み返しても「いいやん」と思えるものがかけた。
しかし、今はどうだ?
書くたびに、あの時が遠ざかる。
焦りが積もり、時間が過ぎる。
エアコンが熱くなった部屋を冷やしてる。
頭は空っぽでも心はざわついていた。
「プロットを言語化できません」
声に出した。
すると、稲妻が走った。
ふと、言葉が降りてきた。
なんて、そんなことは起きない。
《やっぱり、書けない》
情けなくて、恥ずかしい。
文章を書くことが、これほどまでに難しいとは知らなかった。
だから、無理やりスタートを切った。
書けなかったことが、物語になった。
いま、少しだけ息を吸うことができた。
たぶん、傑作なんて書けない。
けど、なんとかしないといけない。
才能がなくても
努力ができれば
それを忘れなければ
夢は叶う。それを信じて
ボクは書き始める。
それが現実になるように。
寄付を文化に
「Tilting tomorrow 」
机の前で悩んでいても原稿は進まない。
だから、この物語をスタートするという物語を書いた。
かつおクラブを小説にする
1話ずつは公開できないかもしれない。
1行しか書けない。そんな日もあるかもしれない。全力で書いて「しょうもない」と言われる恐怖。震えがとまらない。震えていても解決しない。
書き上げること。
それしか進む方法はないんだ。
0話 応援するメンバーシップ
わかったよ。ここをタッチすればいいのね。
あれ?なんだこの画面。私、いつもログインで迷う。
アカウントがバグってるね。
けど、大丈夫。前には進めるから。
美帆のアカウントで入り直してみてよ。
そうそういけるよ。
いけた。いけた。この画面のココを押せばいいんだ。月100円プランでもいいよね。
いいよ。ひとりがたくさん払うより
たくさんの人に知ってほしいんだ
ありがとう
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