2人ビンゴが想像よりすごく楽しいなんて言えない。
前回のあらすじ
ビンゴマシンに入っているボールが半分以上出てようやくビンゴしたサセボ。ビンゴする前に、もうぱっと見てビンゴしてんじゃない? ってくらい穴が空いてたが、ナラくんはリーチすらできなかった。
ビンゴほど実力が介入しないゲームはないのではないか。だってそうだろう。心理的な戦いも技術的な差もここには存在しない。老若男女問わず、大人数で楽しめるのがビンゴの良いところだ。
のビンゴを芸大生二人でやって、ボールをビンゴマシンに戻していた。ビンゴマシンには一気にボールを入れることのできる穴はなく、一粒ずつ詰めていく作業が必要になる。
「こういうバイトやりたいな」
その作業が意外と楽しくて、ふとそんな言葉が口をついて出た。ナラくんもボールを詰めながら答える。
「やっぱ富豪のビンガー目指すか」
「なんやねん富豪のビンガー」
みのほど事典によれば、ビンガーとはビンゴ大会で司会などを務める人のことをいう。
ナラくんがビンゴマシンを数回回すとコロンとボールが飛び出てくる。
「っしゃ、まずは景気づけに11」
「ないわ」
「俺もないわ」
幸先が悪すぎる。
続く二番目以降も、
サセボ「33」
ナラくんとサセボ「ないわ」
ナラくん「47」
サセボ「ないわ」
サセボ「8」
ナラくん「ないわ」
ナラくん「73」
サセボとナラくん「ないか」
サセボ「4」
ナラくんとサセボ「ないわ」
ナラくん「65」
サセボとナラくん「ないな」
サセボ「18」
ナラくんとサセボ「ない」
ナラくん「43」
サセボとナラくん「ないって」
怒涛の外れが続いた。
「えー4番。うわぁないな」
「サセボくん、さっき4番出てたで」
「あ、これ14番や」
「ってことは?」
「・・・ないわ」
ここまで一進一退で展開してきた勝負は、ついにナラくんに傾く。サセボを置いて4回連続でビンゴカードに穴を空けると、一気にリーチまで持って行って、勢いよく立ち上がった。
「きたぁ、リーチ!」
「うーわまじか」
ちなみに、サセボは10回連続で穴を空けれていない。

左がサセボ、右がナラくん
そして
「50番!」
「きたああ!ビンゴ!」
「やられた」

サセボは14回連続外れ
最後までサセボのビンゴカードの穴は増えることなく、ナラくんが念願のビンゴを果たした。
「これで一対一やな」
「ビンゴで聞く単語じゃなさすぎる」
「白黒つけようぜ」
「今ってビンゴしてるんだよね?」
最後に一戦交えることになった。
出だしはナラくんの猛攻で始まった。
なんと当たりの数字が7回出たうちの6回含まれていたのである。
さっそく穴だらけになったビンゴカードをこちらに見せびらかすナラくん。
「これがビンゴ強者の景色よ」
「俺の人生で前にも後にも聞くことない」
しかし59が出て二人のビンゴカードに空洞が増えたところで、空気が変わった。
ナラくん「56」
サセボとナラくん「ない」
サセボ「4番」
ナラくんとサセボ「ないわ」
ナラくん「5番」
サセボ「あるわ」 ナラくん「ないわ」
サセボ「53番」
ナラくん「ないな」 サセボ「ある!」
しかしこれは、サセボに流れが来たわけではなかったようで。二人揃って6連続で外れた。
さらに、続く20番のボールに、ナラくんが食いついた。
「きたぁ!リーチ!」
「おいおい、仕込んでんだろこれ」
「やったらもっと早くリーチしてるわ」

そこからの流れは、仕込んでいないことを証明しようと言わんばかり。
少しずつ穴を増やしていくも、追加でリーチすることもない。出てくる数字がちょうど良いところを避けて出てくるのだ。マインスイーパーをしているのではないかと疑いたくなる。
穴の空く頻度はさして変わらないまま、ついにサセボもリーチを宣言して立ち上がった。

同じ列がリーチ
「ダブルスタンダップきた」
「変な英単語」
「英単語として認識してくれるんだ」
会場(サセボの部屋)の熱は最高潮に達している。
ビンゴマシンを回して出てきたボールの数字を叫ぼうとして、その数字が喉でつっかえた。
「これどっちだ」
6か9か判断できなかったのである。
というのも、目印になるような下線もなく、明確に6とか9とか言い切れる証拠がないのだ。
「もう6出てんで」
「え?」
ということは9?
「まてまて」

「いずれにせよダブルリーチです」
「ナラくんのやつまだビンゴじゃないのおかしいけどな」
「リーチ史上最高レベル」

ビン、ゴじゃないな
そして普通にナラくんはビンゴした。
「俺ら今まで6と9どっちでやってたんこれ」
ナラくんの声に過去のビンゴカードをあさる。
「うそでしょ、6と9出てないわ」

墓標みたいになってる
なんだかビンゴに弄ばれた気分である。
今回はナラくんの勝ちに終わったが
ビンゴの奥深さを学べた。
ビンゴはほとんど実力ゲームです。
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