MVP ARCHIVE NASA | Search for Life Phase 02-02 : Curiosity / 火星の「 住める環境 」を探した探査車

Curiosity
火星の「 住める環境 」を探した探査車
2012年8月、NASAの火星探査車「 Curiosity 」は、ゲール・クレーターへの着陸に成功した。
全長約3メートル、重量約900kgを超える大型ローバーであり、それまでの火星探査車よりも高度な分析装置を搭載している。
Curiosity の最大の目的は、「 火星に生命がいたか 」を直接証明することではなかった。
本当の目的は、火星がかつて微生物が生きられる環境だったかを調べることである。
ゲール・クレーターには、数十億年前に湖が存在していたと考えられている。
Curiosity は岩石や土壌を分析し、粘土鉱物や有機分子、生命活動に利用できる元素などを調査してきた。
水環境の形成
その結果、古代火星には液体の水が長期間存在し、中性に近い水環境が形成されていたことが強く支持されるようになった。
また、炭素・水素・酸素・窒素・硫黄・リンなど、生命に重要な元素も確認されている。
さらに、有機分子の検出や、大気中メタン濃度の季節変動なども報告され、火星の環境に対する理解は大きく進んだ。
しかし、これらは生命そのものを示す証拠ではない。
有機分子は生物以外の化学反応でも生成される可能性があり、メタンも地質活動によって放出される場合がある。
そのため、現在の科学では生命活動との関連は確認されていない。
古代火星には生命が存在できる環境があった可能性が高いということがわかった。しかし、その環境に実際に生命が誕生したのか、あるいは存在したのかという点についてはまだわかっていない。
Curiosity は、「 生命を発見した探査車 」ではない。
生命を探すために必要な環境を、一つひとつ科学的に確認してきた探査車である。
その成果は現在の Perseverance や将来の 火星サンプルリターン計画 へと引き継がれ、人類の生命探査は着実に前進し続けている。
