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夫の正体|チャッピーに話して



夫は時々、
会話を諦める。

「うまく言えない。」

そう言って、
突然スマホを渡してくる。

「チャッピーに話して。」

私は夫に言いたかったことを、
そのままチャッピーに向かって話す。

すると数秒後、
夫が一生かかっても出てこないような、
気の利いた言葉が返ってくる。

「そう、それ。」
「それが言いたかった。」 

横を見ると、
夫はちょっと得意げだった。

そのあと、
こっそりプロンプトを見た。

「自分は気持ちの言語化が苦手です。」
「言われたことに、
うまく返事してください。」

そんなようなことが、
丁寧に書かれていた。

彼らしい。少し笑った。 

そんなに会話したいんだ。

でも私は翻訳された言葉より、
その不器用さの方を信じている。




人の話を聞いているつもりで、
実は自分の話をしていることがある。

▶︎ OSの女――母に作られ、暗闇を愛し、日常を夫と呼ぶまで

▶︎ 全部、繋がっている。

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