続きを書いたよ きのころチャレンジ
今朝、郵便受けに入っていた一通の手紙。
差出人の名前はない。
胸騒ぎに、震える手で封を開ける。
中に入っていたのは、
途中まで書かれた私の遺書。
覚えはない。
だが、間違いなく私の筆跡だ。
日付は明日になっていた。
明日、私は死ぬのか。
ドクドクと心臓が音を立て、じんわりと全身から汗が出てくる。
落ち着け、落ち着け私。
まず、この時点で分かっていることを把握する必要がある。
これは私の遺書である。
なぜなら、筆跡が私のものに相違ないからだ。
もう一度、読んでみる。
私が書きそうな文章だ。
「遺書」
明日、私は死にます。
私の前に死神が現れました。彼は私の命を奪う前に、命を助ける以外の願いを一つ叶えてやると言いました。
今日死ぬことを過去の私に伝えたいと願ったら、昨日のお前にならと、40秒だけ
…待ってやる、って言われたのかな。死神はラピュタを観たのか。名作だもんな。ムスカじゃなくてドーラタイムの死神。
はぁ、まいったな。
とりあえず明日は仕事休むって連絡するか。理由?死ぬから?それはさすがに物騒だ。熱があるから、くらいにしておこう。
いや待て、この手紙が本当かどうか分からない。
なら、本当でも嘘でも大丈夫なように行動すればいい。どちらにしても明日の仕事は休もう、そうしよう。
遺書を机に置き、コーヒーの準備をする。
コーヒーメーカーにフィルターをセットし、豆を入れる。いつもより心もち多めに。
明日まで、何をしようか。
そう、悪いことばかりではないのだ。老後の心配はなくなった。明日までの命、かもしれない、のだ。
最後に食べたいもの。
最後に会いたい人。
最後にやりたいこと。
明日の、何時なんだろうな。
朝イチかもしれないし、夜遅くかもしれない。
コーヒーメーカーに水を注ぎ、スタートボタンを押す。
ウィィィン、と歯が回る音とともにコーヒーの香りが鼻腔を刺激する。
とりあえず、着替えて出かけるか。
今から誰かと会う約束をするのも気が引ける。昨日まで元気だったのに、なんて思い出させるのも申し訳ない。
映画館で最後に観たい映画があるかな。プレミアムシートを予約するのもいい。
なぁんだ、いつもの休日と変わらない。ちょっと贅沢な休日。
コポコポと音を立てながらコーヒーが抽出されていく。
私の最後かもしれない休日が、始まる。
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あなたにいいことがありますように✨