ポテンシャルまで見る意味あるの?
「キャリアに悩む方々」に1万人以上触れてきた過程で
キャリア支援に必要な「人物把握」の技術を身に着け、
キャリア支援者向けに伝授しているキャリアコンサルタントです。
ちょっと意味がわからないかもしれませんが、
「やりたいことが分からない」
「自分の強みは無い」
などと悩んでいる方々に向けて、
「私、これやりたいかも!」
「そもそも仕事って、やりたいこと以上に、〇〇が大事なのかも!」
「これって強みになるんですね。無意識でできちゃうので、分からなかった!」
なんてことを引き出していく技術に、少しばかり自信があるキャリコンです。
どうやって引き出すのか、その辺を詳しく書いた本を出しました!
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ありがたいことに、「なるほど、こうやって表層化されていないポテンシャルを引き出せるんですね」「仕事選びにおいては、そこまで見るんですね」なんて感心していただける方が多くいらっしゃる中で、
「そもそも、ポテンシャルって必要ですか?」
「顕在的に発揮できている能力があるかどうか、明らかに分かりやすく結果を出してきたかどうか、だけで人物見極めは充分じゃないですか?」
という質問がありました。
みなさんも考えてみてください。
■そもそも「ポテンシャル」とは?
一言で言えば、「将来的に活躍できる可能性」と定義づけられます。
企業の採用活動においてよく使われますが、「現時点でのスキルや経験」ではなく、「これからの成長力や活躍余地」を見よう、という考え方です。
これは「現在既に使っているが、見えにくい能力」ともやや異なります。
既に使っているが見えにくいスキルとは、
「これができるか今、証明して」と言われて、すぐ出せる「資格」や結果(ものを直したり、作ったり)を出せる「技術」「能力」といわれる強みです。
今までやってきているので、要領よくさっとでき、
職場の中の成績順位や、段位などでレベル差が分かり、
成功要因を聞けば、(見えにくいですが)その人が今使っている能力や技術が判断できます。
実務で磨き上げ、後天的に身に着けたものが多く、高い論理思考力や、ハイセンスのデザイン力などがそれです。
なかなか見えにくいですが、「〇〇を成功させたプロセス」を深く聞いていけば、さまざまな能力・技術を使っていることがすぐに分かります。
一方で、「まだ使っていない・開花されていない能力」は、そもそも使うシーンがなかったなどの理由で、持ってはいるがまだ眠っていて、育成・環境次第で開花するポテンシャルです。
ビジネス経験の浅い学生さんや、業務環境が全く異なる場所にいた中途転職者・部門異動者などをイメージしてください。
たとえば、ベテランが揃った環境で、常に新人扱いをされてきた人は、職場でリーダーシップを発揮する場所が、長年ありませんでした。
聞いても、特に目立ったチーム活動はなかったのですが、困っている人への声掛け・チームの士気を高めるアイデア・働く環境整備についての志向性などが高い場合、環境・育成次第では、とても良いリーダーシップを発揮してくれる可能性が高いです。
ただし、まだやったことがないので、周囲も急に任せることはなく不安視するかもしれませんし、本人もそのポテンシャルに気付いていないので、「強みはなんですか?」と聞かれても、「リーダーシップ」と回答することはまずありません。
何度も申し上げますが、任せて育成したら活躍できる人材か、任せて育成したところでやっぱりできない人か、の違いです。
そのため面接では、「どういう手順で達成しましたか?(やってきた経緯)」だけではなく、
「これまでやってきていない難問(具体的なシーンを提示しても良い)にぶつかったとき、何をどう考えますか?」
「まだ任されていない〇〇について、自分なりに工夫するとしたら、何をしていきたいですか?」
「まだやったことがない、新しく挑戦したいことはありますか?」
などと、具体的なエピソードや実績はなく、まだ感覚的で模索中の対象について、抽象的な意志や想いから引き出し、より具体的に考え方を言語化してもらうと掴めます。
さて、その上で「ポテンシャルは必要か?」という問いに戻ります。
先述の通り、顕在的な能力や資格は、確かに現在のパフォーマンスを示す指標となります。相対比較や、実績・結果なども分かりやすく評価しやすいでしょう。
しかし、それだけに依存すると、企業の長期的な成長や変革に対する対応力が不足するリスクがあるのです。
企業の人材採用や育成においては、単に現在の能力や資格だけでなく、将来の成長や変化に対応できるかどうかを見極めることが重要です。
■変化の速い環境への適応力
現代のビジネス環境は急速に変化しています。技術革新や市場の動向の変化に対応できる人材は、単に現時点でのスキルや資格に頼るだけでなく、学び続ける意欲や柔軟性、変化に適応する力が求められます。
現在発揮している力・結果だけでなく、ポテンシャルを見極めることで、将来の変化にも対応できる人材を採用できる可能性が高まります。
逆に、将来の環境変化に堪え得るか否かまでを見極めないと、お荷物人材となり双方で不幸になるかもしれません。
■組織の成長に貢献できる
企業が成長を続けるためには、現状に満足することなく、常に新たなアイデアや視点を取り入れる必要があります。そのポテンシャルを持つ人材は、限られた能力にとどまらず、新しい挑戦を受け入れ、組織内での役割を進化させることができます。
顕在的な能力に頼るだけでは、組織が求める成長を支えることが難しい場合もあります。組織と共に進化していける人材かどうかを見極められると良いことがお分かりでしょう。
■多様な業務に対応できる柔軟性
近年ジョブ型雇用も増えてきましたが、企業においては、予測できない事態や新しいプロジェクトが発生することは常にあります。現業務以外にも、新しい業務や異なる役割にも適応できる能力を持つ人材は、企業の多様なニーズに応えることができます。それがどういうスキルをさすかは、各領域ごとに異なるため確かに難しいですが、顕在的な能力に固執しているだけでは、その人が将来的にどれほど多岐にわたる仕事をこなせるか、という点が不確実になることがあります。
■ポテンシャルを裏付ける要素
以下の要素は、一般的な採用現場において「ポテンシャル」の指標としてよく扱われますので、参考にしてみてください。
学習意欲・吸収力 ― 新しいことを素早く理解し、実践できる力
(例:未経験でも勉強して自分なりに工夫する姿勢)柔軟性 ― 環境や状況の変化に対応できる適応力
(例:価値観の違う人とも協働できるか)課題発見・解決志向 ― 言われたことだけでなく、自ら課題に気づいて行動できるか
継続力・粘り強さ ― 困難な状況でもやりきる力があるか
自己理解と内省力 ― 自分の強み・弱みに気づき、改善に取り組む力
人間的魅力(将来性) ― 周囲から信頼されるような誠実さや協調性を持っているか
「既に活用している見えにくいスキル」と似ていますが、
あくまでもこれを使った経験や結果の有無を評価にいれずに判断できるか、という点が異なります。
かなり難易度は高いですが、参考にしてみてください。
結論:ポテンシャルと顕在的な能力のバランスが大事
顕在的な能力や資格は、短期的には確実な成果を上げるために重要ですが、長期的な視野で見ると、まだ発揮されていないポテンシャルも併せ持つ人材の方が持続的に貢献できる可能性が高いと言えるでしょう。
ポテンシャルは一見不明瞭な点もありますが、面接や評価制度を通じて将来の活躍までを見通して見極めることが可能です。
特に若年者などは、まだビジネスでの結果を出すほどの経験がありません。
業務経験ベースで確認するのではなく、学生時代や業務以外でも、結果を出せた背景や努力過程、センスに裏打ちされる思考力やコミュニケーション力、学びの姿勢など、成長の余地があるかどうかを判断する指標として活用できます。
ポテンシャルを見立てることも、企業の未来を見据えた人材戦略として欠かせない要素だと思います。
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