夢という名の「ステルス借金」〜なぜ強者は、若年層のあなたに借金をさせたがるのか〜
以前、私自身が十何年もの長きにわたって購読していた、ある有名なインフルエンサーの方の日刊メールマガジン。そんな中のある日の発信の記事の中で読んだお話で私が今も忘れられないものに、その方が子どもの頃に両親から言い聞かせられ、今でも人生の大切な基本として心得ている「3つの教え」がある、というお話がありました。
その中の一つが、「借金をしてはいけない」という教えでした。
(当時は「まぐまぐ」より発行・川島和正の日刊インターネットビジネスニュース・2014年8月24日発行号より引用させていただきました)
※注:ここ以下の記述は、そのインフルエンサーの方ではなく私の独自解釈による意見です。
この言葉の持つ本当の重みに、どれだけの人が気づいているでしょうか。
単に「利子がもったいないから」「お金のトラブルになるから」という表面的な理由ではありません。
個人が別の何か、あるいは誰かから借金をすると、そこに良きにつけ悪しきにつけ「力関係」が生まれます。
お金を借りた瞬間に、対等な人間関係は崩れ去ります。
金融や社会の知識を十二分に持ち、お金を100%以上自分でコントロールできる、そういう段階に達していない人が借金をしてしまうと、借主は貸主に対して——ひいては社会全体に対して——どうしても弱い立場に立たざるを得なくなるのです。

現代社会に蔓延する「ステルス借金」の罠
この「借金がもたらす力関係」という冷酷な現実を、社会の強者たちは熟知しています。そして、巧妙に形を変え、私たちが無抵抗に借金を背負うように様々な罠を仕掛けています。
私はこれを「ステルス借金」と呼んでいます。
その最たる例が、「奨学金」という美名が被せられた貸金制度です。
給付型である本当の意味での奨学金を除き、それは奨学金とはいいながら実は単なる「借金」です。
まだ学生や生徒であり社会の仕組みを何も知らない若者に、「進学のため」「将来のため」という美名のもと、本来必要であるべき正当な判断をさせないまま数十万数百万単位の借金をさせます。
本来、一人の人間として、主権者としてゼロから(或いはイチからという表現でも良い)スタートを切るべき社会人としての第一歩が、いきなり数十万円数百万円あるいはそれ以上ものマイナスからのスタートを強いられるのです。
この「借金返済の義務」は、その後、完済出来るまでの若き日の人生のあらゆる判断に制限をかけます。
「仕事が合わなくても辞められない」
「理不尽な要求にも従わざるを得ない」など。
結果として、借金があるがゆえに、心も体も縛られた状態で働き続けざるを得なくなります。
※追記:逃げ場のない「強制労働」の闇
なお、こうした若者への借金の押し付けが、文字通り「奴隷同然」「強制労働」という最も残酷な形で現れているのが、『新聞奨学生』の制度です。
入学時初期費用という名目で多額の借金を無抵抗に背負わせ、社会を知らない若者の「若き日故の純粋(全く同じ意味で別の言葉で言い換えれば単純)な、ものの考え方」そして「体だけは元気なこと」を利用して過酷な現場に放り込む。一度現場に入ってしまえば、本来の目的である学業とその手段としての日々の業務の兼ね合いの中で、どれほど「こんなはずではなかった」という矛盾を感じても、実質的にそこから逃れられない現実があります。このシステムの根深い闇と矛盾については、後日、別の記事として徹底的に掘り下げます。
夢という架空を売って金銭という現実を奪うシステム
ステルス借金の罠は、若者向けのものだけではありません。世の中のありとあらゆる場所に仕掛けられています。例えば…
30年以上の長期の「住宅ローン」(景気の良い頃は「資産・財産として残る」「大都市通勤圏に自然の素晴らしい住宅地が」「土地価格十年二倍説」などの言葉に踊らされたものだが、現実に何十年か経ってみると、返済金額は累計一千万や二千万以上の単位になってしまったのに現実に所有する現物価格は一千万を少しあるいは大幅に切った築数十年の田舎物件となっている例は珍しくない)
夢や希望を煽り、高額な分割払いを組ませる「高額情報商材」(その巧妙に計算しつくされた宣伝システムやwebページで本当に素晴らしい夢を見せてくれはするものの、売ってくれるのは素晴らしい「夢」という実体のない存在であり、販売者はそれと引き換えに金銭や高額情報商材につきもののローンを回収する権利という「実体」を手にする。購入者がやがて夢から覚めても、支払った現実あるいは残債の支払い義務という実体は法律上しっかり残る)

なぜ、彼らはあなたに借金を勧めるのか?
ここで、一つの残酷な真実をお伝えします。
私たちが日常で
「将来のための自己投資」
「良い借金」
・・・などと勧められるものの99%以上は、貸す側が金銭的に儲けるため「だけ」に存在しているのではありません。
その真の目的は、「借りる側の社会的人間的地位を(その債務によって)低い段階に押しやって、貸す側やこの世の強い立場の者が、より優位に立ち続けるため」です。
莫大な借金を背負った人間は、権力や理不尽なことに対して、比較的「No」と言いにくくなります。リスクを取って挑戦することも、体制に反旗を翻すこともできなくなります。
つまり、ステルス借金とは、一般人が本来持っている力を無自覚のうちに弱め、奪い取り、従順な労働力として固定化するための「支配のシステム」なのです。
自分の主権を取り戻すために
社会は、あの手この手で私たちに「見えない借金」をさせようと近づいてきます。
私たちが今すべきことは、自分が無意識のうちに借金をしていないか、あるいはこれからしようとしていないか、厳しく目を光らせることです。誰かが用意した「夢のパッケージ」の裏に、あなたの自由と主権を奪う鎖が隠されていないか、警戒しすぎることはありません。
自分自身こそが、自分の人生の主役であり続けるために。
社会の巧妙な罠に気づき、安易な借金を遠ざけること(例えば、支払いをリポにするとか、「1日わずか何百円!」とか言う誘いに安易に乗るとか…『ダメ!ゼッタイ💖』)。
それこそが、強者の養分にされず、激動の時代を自分らしく生き抜くための最初の防衛線です。

