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このホラー小説が面白かった!ホラー小説の中で、読んだ作品の感想をご紹介

 創作大賞の締め切りも、残すところあとわずかとなりました。私自身も、本日やっと「お仕事小説」を終わらせ、

「ミステリー小説」も完結させました。

 自分のお仕事をしたり、小説も書いたり……スキマ時間などを活用しながら、他の方の作品にもお邪魔させていただきました。今回の記事では、読んだホラー小説の中で、感想やコメントをした作品をご紹介します。


ニップ・レス─胡蝶の夢─/青豆ノノさん

 青豆さんの作品を初めて読んだのは、もう2年前になります。

 あの時から、私は彼女の独特な世界観にすっかり魅了されてしまい、勝手に「推し作家さん」として、あちこちで布教してきました。本人には内緒で、こっそりとです。なぜ、こっそりなのか。恥ずかしいからです。

 noterさんの中にもファンは多く、オンライン飲み会をすれば必ずと言っていいほど「青豆さんはすごい」「いつか会ってみたい」という話題が上がります。みんな、彼女の物語に心を掴まれています。それでも、誰もが声高に騒ぐのではなく、ひっそりと見守るように、そっと彼女の作品を楽しんでいます。そういう魅力が、青豆さんにはある気がしています。

 さて、本題に戻ります。今回の「ニップ・レス」。あらすじの一文目から、私の中の“隠れ変態”が鷲掴みにされました。

胸に「ニップレス」を貼り、夜な夜な夢のゴーストタウンで謎の女・あやと肉欲に溺れる智仁。

もう気になる

 この一文だけで、もう抗えません。

「サイコ・ビーチク・ホラー」。もうこれ、貧乳の私は気になってしかたありませんでした。そして、乳首の話といえば、何年たっても色褪せないのが、コニシさんの作品です。

 2年前に読んだはずなのに、まだ内容を覚えています。

「知ってるかな。耳たぶから真っ直ぐに指をおろしたところに乳首があるのよ」

これを急に私の横に立ち、その耳元で囁いたのだ。

印象的なコニシさんの作品。
この一部分を2年経った今も覚えている私もやばい

 さて、もう一度青豆さんに話を戻します。

 読み進めるうちに、本作は乳首とホラーにとどまらず、推し活と報われない恋(あえてこの表記にします)の構造的な似姿まで深く掘り下げられています。

 バンドを推す者同士の、ほんの小さな軋轢。好きだからこそ、生まれる小さな争い。実は私、推し活と報われない恋はどこか似ていると思っていました。ほんの少しの解釈の違い、熱量の差で、すれ違いが生まれていくのは「手に入りそうで、入らない」と、お互いがわかっているからではないか、と。

 あらすじから「どんな作品なのだろう?」という「問い」が生まれ、それからどんな着地になるのか、ページをめくる指が少しずつ震えました。そして――「そうきましたか」と、ラストで完全に意表を突かれました。読み終えたあとに残る、あの不思議な余韻。世界観と個性、作家性をどう出すか悩む人が多い今こそ、私は声を大にしておすすめしたいです。

 ぜひ、青豆さんの作品を読んでください。

濃い水墨と、緋色の花/櫻井とこさん

 家族の愛がじんわりと滲む、テンポのよいホラー小説です。設定や構成、キャラクターの作り込みがとても丁寧で、プロットにしっかり時間をかけて練られている印象を受けました。

 ホラー小説でありつつ、ミステリー要素もあり、テンポよくストーリーが展開します。家族のほっこりするシーンも時折入るので、不思議と温かい気持ちにもなりました。世にも奇妙な物語的要素もありつつ、いろんな呪文が登場するのも面白かったです。

『陰陽 調和 奏 秘儀』

『うぐ!何だ、この力は!?我が圧されるとは!しかし、これならばどうだ!』

セリフのやり取りが面白かったです

セリフのやり取りが少年漫画的な要素もあり、マンガ・アニメ化されても面白そうと感じました。

善行残高/茶川福丸さん

 不穏なじりりりんという、一本の電話から幕を開けるホラー小説です。擬音を巧みに使う描写も素晴らしかったです。登場する宏一さんが編集者として、交流会でライターや作家と会う場面もあり、私自身が同じ業界にいることもあって、思わず「わかる」と頷いてしまうリアリティがありました。

 物語の中には、いいことをすると貯まる「善行ポイント」というユニークな設定が登場します。この「善行」としてカウントされる行動が、どれも日常の中で誰にでもできそうなものばかりで、読み進めるうちに「これなら自分もポイントが貯まりそう」と、思わず身の回りの善行を探している自分がいました。加点、減点項目も大変凝っています。

 どこか『世にも奇妙な物語』を思わせる世界観で、映像が自然と頭に浮かぶ丁寧な描写も魅力。テンポのいい展開に加え、会話は生き生きとしていて、登場人物一人ひとりのキャラクターもしっかり書かれており、セリフもリアリティがあって、息遣いまで伝わってきます。

予想を裏切る展開が、随所に散りばめられ、「そう来たか!」と何度も驚かされました。

気づけばページをめくる手が止まらず、一気読みしている自分がいました。怖さだけでなく、発想の面白さや巧みな構成にも引き込まれました。

【完】


【追伸】
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