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六ヶ所再処理工場と関電との因縁はここから=小林庄一郎電事連会長(関電社長)が「こんないいところがあった」と言って進めた核燃料サイクル施設計画


破綻しているのに破綻を認めない核燃料サイクル

着工してから30年以上経っても竣工できない六ヶ所再処理工場。たとえ予定通り竣工してもガラス固化ができないと新たな燃料せん断ができない状態です。そんな中、4月1日、青森県知事がむつ中間貯蔵施設への今年度の使用済核燃料搬入を認めないと表明、その理由は六ヶ所再処理工場の計画が進んでいないからというものでした。
X(旧Twitter)で以下のようなポストが流れてきて、改めて、関電と六ヶ所再処理工場、核燃料サイクル施設との因縁を思い起こしたのでした。(タイトル画像はこのXのスクショ)

しーずーさんの4月11日のポストで

1984年7月27日、小林庄一郎当時電気事業連合会会長(関電社長)は六ヶ所村の建設予定地を初めて訪れ「いいところがありましたなあ」と発言。電事連の発表から1985年4月9日に青森県が受け入れるまでわずか7ヶ月、水面下で周到な計画立案があったことを窺わせると報じています。
この動画の開始46秒あたり、当時の新聞記事が映っているのですが、小林電事連会長のとんでもない差別発言が載っています。
「われわれの核燃料サイクル三点セットがまず進出しなければ、開けるところではない」「日本の国とは思えないくらい」「よく住みついてこられた」六ヶ所村の人たちを馬鹿にしている。今なら炎上間違いなし。青森県知事はこの差別発言に怒ることもなく、電事連の申し入れをあっさり受け入れてしまったのです。これが関電(電事連)と六ヶ所村の核燃料施設をめぐる因縁の始まりでした。

しーずーさんのX(Twitter)の動画開始46秒

再処理方針堅持の秘密会議には関電幹部が二人も

2024年3月2日に放送されたNHKETV特集「膨張と忘却 理の人がみた原子力政策」という番組で、「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」の策定会議(長計策定会議)の前に行われた秘密会議のことが暴かれています。長計策定会議では、原子力に批判的な有識者も入れて、公開の場で、使用済核燃料を再処理するのか、再処理をやめて直接処分するのかを議論するはずだったのですが、実はその前に再処理方針を堅持するための秘密会議が開かれていたのです。
この番組の中で、2004年1月29日午前8時から10時「原子力を巡る勉強会」という秘密会議の参加者の座席表が映るのですが、その中に前田委員、並木部長、豊松支配人という名前がありました。当時の肩書きを調べてみると、前田肇は元関電副社長当時は特別顧問、原子力委員。並木育朗は東電元執行役、豊松秀己は当時関電支配人で核燃料サイクル推進室長、後に1億円以上の不正金品を元高浜町助役から受け取った人物です。詳細は以下のnoteで。

1997年から福井県外への使用済核燃料搬出を約束している関電

福井県は関電に対して、使用済核燃料を福井県外に搬出することを1997年から30年近く求め続けています。これに対して関電は、約束は反故にしながら、なぜか交換条件だけは獲得するということをずっと繰り返してきています。詳細は以下のnoteで。

関電は六ヶ所再処理工場に社員を40人派遣も

2025年6月27日の産経新聞の記事によれば、森関電社長が「審査に対応するためたくさんのスタッフを派遣している。26年度中の完成予定に変更はないと認識している」と発言しています。40人の関電社員が派遣されているとの記載もあります。

なぜここまで関電が再処理工場の竣工のために力を入れているかというと、先ほど紹介した「福井県との約束」があるからです。六ヶ所再処理工場が動き出し、新たな使用済核燃料を受け入れてもらわないと、関電は福井県との約束が果たせないのです。何度も約束を反故にしながらも、またできもしない約束をする関電とそれを許す福井県。関電の最新の使用済核燃料搬出の計画は以下↓の昨年8月25日に福井県議会に説明した資料に詳しいです。

https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2025/pdf/20250829_1j.pdf

ここに示されている六ヶ所再処理工場の計画と現実の進行状況は、7か月を経てかなり違ってきています。計画より遅れている状況をみて、宮下青森県知事は4月1日に、むつ中間貯蔵施設への2026年度の使用済核燃料搬入を認めないと判断したのです。そして、この知事の意思表明で、一番困っているのは関電なのです。詳細は以下↓のnoteで。

核燃料サイクルには高速増殖炉が必要

六ヶ所再処理工場の竣工予定の27回の延期と高速増殖炉もんじゅ廃炉による核燃料サイクル計画の破綻、これが「使用済核燃料福井県外搬出」という福井県との約束を関電が果たせない根本的な原因です。
先ほど紹介した6月27日の産経新聞の記事の最後には「高速増殖炉との一体運用が必要」という奈良林直東京科学大学特定教授のコメントが載っています。
=核燃料サイクルを回すには再処理工場だけでなく、(消費した以上にプルトニウムを増やす)「高速増殖炉」を稼働させて一体で運用していく必要がある=
裏を返せば、もんじゅが廃炉になった時点で核燃料サイクルが破綻したことを専門家も正直に認めているんです。

信ずればできるという非科学的な考え方

田中俊一初代原子力規制委員長のインタビューが、3月10日、毎日デジタルに掲載されました。
田中元規制委員長は高速増殖炉もんじゅの開発には当初から反対で、原子力機構(もんじゅの実施主体)には開発する能力がないとして、もんじゅを廃炉にした経緯を語っています。有料記事なので一部引用します。
=もんじゅは、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルの中核施設とされる。もんじゅがなくなれば、核燃料サイクルは破綻し、エネルギー政策全体にも重大な影響を及ぼす。
以前から高速増殖炉の開発には反対だったと、田中さんは明かす。
「非常にリスクが大きく難しい技術なのに、原子力機構には開発する能力がない。プルトニウムを使うあてもない。欧米も結局は開発を止めたんです」(中略)
できないものにこだわり続けるのはなぜか。「原子力には、信ずればできるという非科学的な考え方がある」と田中さんは言う。
その最たるものが、福島第1原発の廃炉だ。政府と東電は「最長40年で完了」という目標を変えていない
福島第1には880トンの溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)があるとされる。これまで取り出せたのは、わずか0・9グラムだ。
「40年で全部取り出すには、毎日どのくらいの量を取り出さなければならないか。割り算すれば中学生でもわかる。取り出したって、すごい放射能で近寄れないわけだから。信じてもできないものはできないんです」=   

嘘を承知でできるできると言っていればいいんだ

先述した関電幹部二人が参加していた秘密会議のことを暴いたNHKETV特集「膨張と忘却 理の人がみた原子力政策」。この番組の中で「19兆円の請求書」という内部文書により再処理事業からの撤退を訴えた当時通産省の役人が、ある有力政治家に言われた言葉を思い出しました。
「君らが言っていることは全部正しいな」
「でもねえ、これは神話なんだ」
「嘘を承知で、できる、できるって言っていればいいんだ」
うすく広く電気料金に乗せれば19兆円なんてすぐに生み出せる
これを聞いた役人は「結局国民よりも自分たちの飯の種とか立場とかを優先しているんです。『金』と『嘘』と『おまんま』がぐちゃぐちゃになって固まっているんです」と感じたという話でした。
そして22年以上たっても、この金と嘘とおまんまがぐちゃぐちゃに固まったままなのが「核燃料サイクル」神話であり、あらたに固まってしまったのが「福島原発事故の40年廃炉完了」神話です。
22年前には内部告発した役人がいましたが、福島原発事故を経験したのにもかかわらず、今や神話を神話だと告発する役人もいない=私たちが声を上げ続けていくしかないということです。

#核燃料サイクルは破綻している

#福島第一原発の廃炉は40年では終わらない

#いくら信じてもできないものはできない


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